原題:Domino

実在したバウンティ・ハンター《賞金稼ぎ》ドミノ・ハーヴェイ

2005年10月14日全米公開

2005年/アメリカ/カラー/125分/DTS / Dolby Digital / SDDS 配給:UIP映画

2009年07月08日よりDVDリリース 2006年11月30日よりDVDリリース 2006年04月01日よりDVDリリース 2005年10月22日より日比谷スカラ座ほか全国ロードショー

公開初日 2005/10/22

配給会社名 0081

解説



実在した女バウンティ・ハンター《賞金稼ぎ》ドミノ・ハーヴェイ。
       彼女を駆り立てたのは、スリルと興奮、そして孤独な過去だった・・・。

全世界を魅了してきたアクション映画のヒロインたちは、タフで危険な状況に身を置くほど、輝くような魅力が際立っている。『エイリアン』のシガニー・ウィーバー、『ニキータ』のアンヌ・パリロー、『バイオハザード』のミラ・ジョボビッチ、『キル・ビル』のユマ・サーマン──これまでハリウッドを代表する女優たちが、その強さと美しさをスクリーンに映し出してきた。そして2005年、新感覚にして頂点ともいえるヒロインが誕生。”彼女”を演じるキーラ・ナイトレイの魅力もさることながら、主人公は実在の人物がモデルであり、驚くべきことに本作品は<TRUE STORY>──女バウンティ・ハンターの鮮やかな生きざまを、映画史に残るスピーディーかつスタイリッシュな映像で描いた作品、それが『ドミノ』である。
ドミノ・ハーヴェイとは一体何者だったのか──彼女は1969年に名優ローレンス・ハーヴェイと、ロンドンで活躍するトップ・モデルとの間に生まれ、その美貌からモデルとしての将来を嘱望される。しかし眩しいスポットライトを浴び続ける生活に、本当の彼女が生きていく場所はなかった。華やかな世界をあっさりと捨てたドミノが選んだのは、常に命の危険に曝されるバウンティ・ハンター。死と隣り合わせではあるが、そのスリルこそが彼女のリアリティ。ざらついた手触りの人生を駆け抜ける快感──刺激が足りない心の渇きを癒すように、ドミノは獲物を狙い続けたのである。そして人生の幕引きまでも、彼女らしくドラマチックなものだった。映画の完成直前、05年6月27日にロサンゼルスの自宅で遺体が発見される。多くの謎に包まれた死が、ドミノの更なる伝説を生んだのである。
ドミノ・ハーヴェイの波乱の人生に惹かれ、複雑に絡み合った事件を描く事で奇跡ともいえるほど劇的な生涯のエッセンスを映画化したのは、監督のトニー・スコット。『トップガン』、『トゥルー・ロマンス』、『エネミー・オブ・アメリカ』等、常にエッジのきいたエンターテインメントを独自のスタイルで描いてきた彼が、映画史上最も美しく激しいヒロインを探し当てたのである。光と影が交錯するビジュアルがドミノの人生そのものを表現しているかのように全編を彩り、彼女のハートを浮き彫りにしていく。また監督自らが「巨大なジグソーパズルのようだ」と語る通り、一瞬たりとも目を離せないストーリーの緊張感が観る者のテンションを最大限まで高め、錯綜する登場人物たちと重なり合っていく。
ショートのブロンドと抜群のルックスでドミノを演じるのは、『パイレーツ・オブ・カリビアン』、『ラブ・アクチュアリー』の若手No.1女優キーラ・ナイトレイ。彼女はこれまで積み重ねてきたキャリアを一度リセットするかのように、大胆なイメージ・チェンジで危険なクール・ビューティーに命を吹き込んでいる。実際のドミノがバウンティ・ハンターとして第2の人生を手に入れたのと同じく、キーラもこの作品を通して本物のアクトレスへとスッテプアップしているのである。

時間軸を一旦解体させてから再構築した、斬新で刺激的なストーリー。
そしてドミノの人生を加速させる、圧倒的な存在感の共演者たち。

バウンティ・ハンターとしてのスリリングな生き方に魅せられたドミノ。そんな彼女の前に新たな事件が発生する。発端はロサンゼルスの自動車局で発行された4枚の偽造免許証。時を同じくして、カジノで1000万ドルが強奪される。現金奪還と犯人確保のために選ばれたのは、絶妙のコンビネーションを誇るドミノ、エド、チョコ、そして運転手のアルフ。彼らの元締めは裏の世界にも通じているクレアモントだった。4人の犯人は偽造免許証を持っている──激しい闘いの末、ドミノたちは彼らの身柄を拘束。しかし一連の事件は全く別の場所で巧妙に仕組まれていたのだった。クレアモントとその家族、カジノ王、警察、FBI、そして賞金稼ぎたちの姿を追うTVカメラ…。それぞれの思惑が複雑に絡み合い、誰かが真実を隠している。そしてドミノたちの前に驚愕のクライマックスが訪れるのだった…。
主人公ドミノを取り巻く人間たちには、この上なく個性的なキャラクターの俳優たちが起用されている。バウンティ・ハンター・チームのリーダー格、ベトナム帰りのエドにはミッキー・ロークが扮し、元締めのクレアモントをデルロイ・リンドーが演じている。事件を追うFBI捜査官にはルーシー・リュー、エキセントリックなTVプロデューサーにはクリストファー・ウォーケン、そしてドミノの母親役を演じるのがジャクリーン・ビセット。その他にもミーナ・スヴァーリ、エドガー・ラミレスが顔を出すなど、全員が現代の映画界で最高のクセ者ばかり。誰が登場しても画面をシメてしまうような存在感──まるで銃弾が飛び交うように強烈な個性のシャッフルが、シャープで熱い火花を生じさせている。
また監督・製作のトニー・スコットをサポートするスタッフは、いずれ劣らぬ気鋭揃い。監督の要求を遥かに超えた脚本を執筆し、ドミノの激烈な人生をイマジネーション溢れる作品にまで昇華させたのは、『ドニー・ダーコ』でも各方面から絶賛を浴びたリチャード・ケリー。”ノーマル再生モード”からフラッシュバックまで、あらゆる手段で絶妙なストーリーのベースを作り上げている。撮影は『スパイ・ゲーム』でもスコットと組んだダニエル・ミンデルが担当。監督の持つ世界観を陰影や色調の変化で端的に表現し、新たな”トニー・スコット・ワールド”を見せてくれる。
そして音楽を手がけた、『スパイ・ゲーム』、『エネミー・オブ・アメリカ』のハリー・グレグソン・ウィリアムズが全編に荒削りなロックを鳴り響かせ、アクションと緊迫感を極限まで煽っている。プロデューサーとして名を連ねているサミュエル・ハディダは、監督とは『トゥルー・ロマンス』からの付き合いであり、お互いに全幅の信頼を寄せ合う仲なのである。
劇中に登場するバウンティ・ハンターたちのチームワークと同じように、スタッフ&キャストの完璧なコンビネーションが、ハードで洗練されたアクションの次世代への扉を開いた『ドミノ』を支えているのである。

ストーリー




これは、35歳でその生涯を閉じた、ドミノ・ハーヴェイの鮮烈な物語
ラスベガス警察、取調室での事情聴取

逃亡犯や仮釈放中の犯罪者の身柄を拘束するプロフェッショナル──バウンティ・ハンターのドミノ(キーラ・ナイトレイ)が、FBI捜査官タリン(ルーシー・リュー)の取調べを受けている。タリンは、36時間前に発生した1000万ドル強奪事件の首謀者がドミノであると考えていた。そしてドミノがゆっくりと彼女自身の、そして事件の真実を語り始める…。

ドミノ──その劇的な人生の始まり

ドミノは名優ローレンス・ハーヴェイの娘としてロンドンで生まれ、恵まれた特権階級の生活を送っていた。しかしそれは、彼女にとってこの上なく空虚な人生。愛する父は彼女が幼い頃に亡くなり、社交家の母親ポーリーン(ジャクリーン・ビセット)は一日も早く再婚相手を探そうと躍起になっていた。そんな生活に馴染めないドミノは、いつしか反抗的な態度が目立つようになる。やがて彼女は美しく成長し、15歳で早くもトップ・モデルして活躍。しかし常にまわりのモデル仲間やカメラマンとの衝突が絶えず、それはビバリーヒルズに移り住んでからも繰り返されていった。
大学進学後も彼女の行動は益々エスカレート。しかし大きな転機が訪れる。それは新聞で偶然目にした「バウンティ・ハンター募集」の文字。生きている実感を探し求めていたドミノは、心が沸き立つのを感じる。養成セミナーの主催者で、有名な保釈金保証人のクレアモント(デルロイ・リンドー)はかなりのクセ者だが、バウンティ・ハンターになることを固く心に誓ったドミノは、無理やり彼らの仲間入りを果たすのだった。
初仕事でいきなり命を失いかけながらも、本格的なバウンティ・ハンターとなったドミノ。彼女のパートナーは、ベトナム帰りのエド(ミッキー・ローク)、すぐに手が出てしまうチョコ(エドガー・ラミレス)、そしてアフガニスタン人の運転手アルフ(リズワン・アバシ)。4人の関係は次第に家族同然のものとなり、ドミノは銃撃戦も珍しくない死と隣り合わせのスリルに魅せられていく。そして彼らの仕事に興味を持ったTV局が取材を申し込んでくる存在にまでなっていった──。

ロサンゼルス、
サウスセントラル地区自動車局

クレアモントの娘であるラティーシャ(モニーク)は、自動車局で働きながら闇で偽造免許証を発行していた。そんな彼女の元に、大学生のフランセス(ケル・オニール)が依頼に訪れる。彼は今夜8時までに4枚の偽造証が手に入らなければ、裏の商売を暴露してラティーシャをクビにするという強硬な態度をとる。しかしラティーシャは、難病の孫娘のために医療保険を違法請求したことが原因で自動車局を解雇されてしまう。そして彼女が偽造免許証の発行に関与していたことを突き止めたFBIは、偽造の依頼に訪れたフランセスの目的を探るように強要。ラティーシャは、「彼らは現金輸送車を襲い、カジノから1000万ドルを強奪するつもりだ」と告発するのだった。

ネバダ州ラスベガス、
カジノからの現金強奪

ビショップ(ダブニー・コールマン)の経営するカジノから1000万ドルが強奪される。犯人は往年のエンターティナー集団、「ラット・パック」のマスクを被った4人組。彼らの運転手は、クレアモントの息がかかったローカス(レウ・テンプル)だった。犯人たちは現金輸送車を襲った後で、なぜか現金を残してクレアモントの運転する車に乗り換え、どこかへ消えてしまう。残されたローカスは1000万ドルを持ち帰り、母親が住むトレーラーハウスの金庫に隠す。
一方、金を奪われたビショップの元にクレアモントから連絡が入る。クレアモントは30万ドルの謝礼金と引き換えに犯人を探し出すと話し、ドミノたちを身柄確保のために出動させるのだった。密着取材のTVクルーが同行する中、バウンティ・ハンターたちはカメラを意識しながらいつもより派手に立ち回り、フランセスを始めとする4人の大学生を拘束。ビショップの手下に引き渡すのだが、ドミノの頭にはある疑惑が芽生え始めていた…。

巧妙に仕組まれた偽装強盗。
そして──

「ラット・パック」はビショップの手下に銃を向けられ、金の在り処を白状するよう脅されていた。ところが彼らは年齢を偽るために偽造免許証が欲しかっただけで、現金強奪に関与などしていない。そして明かされる真実──今回の事件は、初めから全てクレアモントとラティーシャが手数料目当てで仕組んだ偽装強盗だったのだ。本物の「ラット・パック」はラティーシャとその仲間たちで、フランセスら4人の大学生はFBIの目を逃れるために利用されただけだった。事実を知らされ呆然とするドミノ。しかしフランセスたちはFBIにも監視されているため、命の心配はないはずだった。
証拠隠滅のため、TV局が収録したテープを破壊したドミノたちは、次に1000万ドルを持ったまま逃亡したローカスを捕らえることに成功。現金を隠してあるトレーラーハウスへと向かう。バウンティ・ハンターたちはローカスの片腕を切断するという荒っぽい手段を使いながら、何とか金庫を開けさせる。無事に1000万ドルを奪い返したドミノたちが目指すのは、現金の受け渡し場所であるラスベガスの巨大タワー、ストラトスフィアー。しかし砂漠の中を突っ走る彼らには、更なる衝撃が待ち受けているのだった…。

スタッフ

監督:トニー・スコット
製作:サミュエル・ハディダ、リドリー・スコット
トニー・スコット
製作総指揮:リサ・エルジー、トビー・エメリッヒ、ヴィクター・ハディダ
      バリー・ウォルドマン
原案:リチャード・ケリー、スティーヴ・バランシック
脚本:リチャード・ケリー
撮影:ダニエル・ミンデル
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ

キャスト

キーラ・ナイトレイ:ドミノ・ハーヴェイ
ミッキー・ローク:エド・モズビー
エドガー・ラミレス:チョコ
リズワン・アバシ:アルフ
イアン・ジーリング:彼自身の役
ブライアン・オースティン・グリーン:彼自身の役
クリストファー・ウォーケン:マーク・ハイス
ミーナ・スヴァーリ:キミー
ジャクリーン・ビセット:ポーリーン・ストーン
ルーシー・リュー:タリン・マイルズ
デルロイ・リンドー:クレアモント・ウイリアムズIII世
モニーク:ラティーシャ・ロドリゲス
メイシー・グレイ:ラシャンドラ・デイヴィス
ションドレラ・エーヴリー:ラシンドラ・デイヴィス
ジョゼフ・ヌネス:ラウル
ダブニー・コールマン:ドレイク・ビショップ

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