2005/日本/35mm/ビスタサイズ/SRD/84分/配給:ザナドゥー

11月19日より、新宿オスカー・池袋サンシャインほかにてロードショー

(C)2005「奇談」製作委員会

公開初日 2005/11/19

配給会社名 0103

解説


映画化不可能と言われてきた原作を見事に脚色し、堂々たる演出で諸星大二郎の独特な世界を完璧なまでに映像化することに成功したのは、鬼才・小松隆志。この映画化は、今や世界が注目するプロデューサー・一瀬隆重の新たなる挑戦でもある。

主演にNHK朝のテレビ小説「天花」のヒロインで注目され、本作で映画デビューを果たす藤澤恵麻。そして、稗田礼二郎を演じるのは、映画、テレビ、舞台と幅広いフィールドで多彩な才能を発揮し、存在感、人気ともに抜群の阿部寛。そのほか、柳ユーレイ、神戸浩、菅原大吉、土屋嘉男、堀内正美、白木みのる、一龍斎貞水、草村礼子、清水綋治といった、個性派、演技派のベテラン俳優達が脇を固め、重厚な演技で作品を支えている。『リング』『呪怨』などで、世界的にJ(ジャパニーズ)ホラー・ブームを巻き起こしているプロデューサー・一瀬隆重が放つ最新プロジェクト。それは、数多くの熱狂的なファンを持つコミック作家、諸星大二郎の最高傑作「生命の木」の完全映画化だ。パズルのように夢の断片を紡ぐ謎解きに秘められた恐怖と戦慄、聖書にまつわる驚愕の伝説と衝撃的な事件の数々、そしてクライマックスに描かれる「奇蹟」…、『ダ・ヴィンチ・コード』を凌ぐ、感動の<歴史ミステリー>が今、世界に向けて発進される。

子供の頃の失われた記憶を求めて、東北の山奥にある「隠れキリシタンの村」を訪ねた大学院生・佐伯里美。彼女は、16年前にその村で神隠しに遭い、そのときの記憶がなかったが、村の一部がダムに沈むことが決定して以来、神隠しに遭ったときの断片のような不思議な夢を見るようになっていた。一方、異端の考古学者・稗田礼二郎も「はなれ」と呼ばれるその村のある集落に伝わる聖書異伝『世界開始の科の御伝え』を調べるために村にやってきた。やがて、一人の「はなれ」の住人が処刑されたキリストのような姿の惨殺死体となって発見され、村は大騒ぎとなる。しかし、それは彼らの目の前で繰り広げられることになる想像を絶する「奇蹟」の始まりであった…。

深遠なテーマと壮大なスケールから映画化不可能といわれてきた原作を見事に脚色し、堂々たる演出で諸星大二郎の独特な世界を完璧なまでに映像化することに成功したのは、鬼才・小松隆志。この映画化は、小松監督の10年以上にも及ぶ構想が結実したものであり、世界的な恐怖映画のトレンドを築いてきたプロデューサー・一瀬隆重の新たなる挑戦でもある。

ストーリー


子供の頃に神隠しに会った大学院生、佐伯里美。しかし、彼女にはその頃の記憶がない。失われた記憶を求めて東北のの「隠れキリシタンの里」を訪ねた彼女は、異端の考古学者・稗田礼二郎と出会う。村人がひた隠しにする謎を追うにつれて、次々に明らかになる驚異の真実。全てが解き明かされるとき、彼らは想像を絶する「奇蹟」を目撃する…! 1972年。民俗学を専攻している大学院生・佐伯里美は最近、巨大な穴と幼い少年が現れる奇妙な夢を頻繁に見るようになっていた。小学一年生の夏休み、東北の隠れキリシタンの里として知られる渡戸村に住む親戚の家に預けられていた里美は、一緒に遊んでいた少年と共に神隠しに遭い、その前後の記憶がなかった。当時の記憶の断片にも思えるその不思議な夢に誘われるように、幼い頃の失われた記憶を求めて、里美は渡戸村へと向かった。

 渡戸村は徳川幕府の弾圧から逃れたキリスト教徒が作った隠れ里だが、その村の一部にある「はなれ」という集落の住人たちは村ができる遥か以前から全員がキリシタンだった。彼らは7歳程度の知能しかなく、そのうえ不死だと噂されていた。渡戸村の住人たちは「はなれ」を村八分にし、村の恥部として外部に知られることを嫌っていた。
村の教会に立ち寄った里美は、村に伝わる聖書異伝『世界開始の科の御伝え』を調べるためにやってきていた考古学者・稗田礼二郎に出会う。
翌日、かつて隠れキリシタンの大量処刑が行われた山で、「はなれ」の住人・善次が磔の刑に処せられたかのような遺体となって発見された。
里美と稗田は長老や寺の住職から村に伝わる話を聞き出し調査を続け、渡戸村では昔から子供たちの神隠しが頻発していたことを知る。やがて、16年前に里美と共に行方不明となった新吉が当時のままの姿で発見された。彼は人々の問いに何一つ答えず、『世界開始の科の御伝え』をつぶやき続け、そして忽然と姿を消してしまう。
里美と稗田は、すべての謎の根源ともいうべき「はなれ」に向かう。だが、「はなれ」には重太以外、誰一人住人は見当たらなかった。
「『いんへるの』行っただ。それから、『ぱらいそ』さいくだ」
そう話す重太から、彼らはさらに、「はなれ」の住人たち全員で善次を殺したという衝撃の事実を聞かされる。
一方、その頃、教会に安置されていた善次が甦り、「はなれ」に向かっていた。それはイエス・キリストが復活したのと同じ、死後三日目のことだった。
稗田は「はなれ」の住人たちの行動が『世界開始の科の御伝え』に書かれていることに合致することに気づく。そして、かつてキリシタン弾圧のさなか、多くの宣教師が殉教覚悟で日本に渡来した背景に、日本に『生命の木』が生えているという伝説が当時のヨーロッパにあったことを思い出していた。
やがて、稗田は集落の外れに洞窟の入り口を見つけると、ある確信を持ってその中へと歩を進め、里美もその後に続く。里美の失われた記憶はしだいに鮮明に呼び覚まされ、すべての謎が解き明かされようとしていた。しかし、その穴の奥で彼らを待ち受けていたのは、彼らの想像を遥かに超える衝撃的な光景だった…。

スタッフ

プロデューサー:一瀬隆重
音楽:川井憲次
監督・脚本:小松隆志

キャスト

藤澤恵麻
阿部寛
ちすん
柳ユーレイ
神戸浩
堀内正美
白木みのる
一龍斎貞水
草村礼子
清水綋治

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