死線上のバンコクを救うのは誰だ?!

2004/タイ/94分/カラー/アメリカンビスタ/ドルビーSRD 配給:ハピネットピクチャーズ

2006年02月24日よりDVDリリース 2005年10月22日より銀座シネパトスにてロードショー、他全国順次公開

(C)2004 Sahamongkolfilm International Company Limited All Rights Reserved.

公開初日 2005/10/22

配給会社名 0187

解説


国家レベルの大事件発生!! バンコクの街を封鎖して撃破せよ!!!
97年に起こった通貨危機により、タイ国内の経済は悪化。そこで、政府は国際通貨基金(IMF)から融資を受けるが、経済復興への対策は成功せずに再び総選挙が行われた。そこで誕生したタクシン政権が経済的・社会的にも危機的な状況を打破するためにIMFに借入金を返済する。そのやり方に異論を唱える反体制グループの権力者たちが失業兵士を使い、バンコク市内に爆弾を仕掛けて返済を阻止するという信じられないテロ行為に出る。作戦名は“バンコクを封鎖せよ”。しかし、彼らの目的はそれだけではなかったのだ…。

本作はフィクションではあるが、実際のタイ社会の世相を大胆に取り入れている。97年7月に実際に起こったバーツ急落により、タイでは実力の無い多くの企業や事業者が次々と廃業に追い込まれた。それに続く失業や貧困、凶悪犯罪といった社会不安もマスコミを騒がせた。タイ政府は、97年8月にIMF(国際通貨基金)から借り入れ、03年に返済した。このような大胆な仮定のアクション映画が撮られても、タイ政府に何のクレームも付けられなかったのは、現在タイの政治・経済が安定している証拠である。   
タイ映画の中でも、これまでにない火薬の量を使用し、歴史的に大掛かりなロケーションを行った「デッドライン」(英題「102 Bangkok Robbery」)は、タイ映画界でもアクションを得意とする巨匠タニット・チッタヌクン監督による現代の世相を取り入れた、一風変わったアクション・エンタテインメント巨編。もし、タイ政府が通貨危機の混乱を回避するべく、IMFから受けた支援金が返せなかったら、というフィクションを、息詰まる男と男の攻防戦で描いている。クライマックスでは、バンコクの中心部にある、最も有名な大通りのパトムワン交差点(日本でいえば、渋谷のスクランブル交差点)を実際に閉鎖して、撮影を敢行。その準備には半年も費やした。そして現場には、14人の第一線映画監督と、10人のカメラマンが15台のカメラを使い、銃弾から逃げ惑うエキストラの群集の中で、二度と撮れないであろう凄まじい銃撃戦を行った。

男気がぶつかり合う様は、まさに“タイ版インファナル・アフェア”
かつて軍隊の特殊部隊で活躍していたにも関わらず国家に見捨てられ、失墜の日々を送っていた戦闘のプロであるナウィンは、IMFへの返済を阻止するテロ計画のリ−ダ−に選ばれる。それを受けて立つのが、一度食らい付いたら離さないテロ取締り部隊のパコン警察少佐。思考も行動も素早くて、部下からも尊敬される指導者である。タイを代表するトップスターの競演にふさわしい男と男の激突を描いた本作は、二人の背後に控えるIMF返済に反対するグループの権力者たち VS 反体制グループの作戦を阻止しようとする軍部と警察の上層部という二重構造をも描き、息もつかせぬドラマ展開となっている。
 出演は、パコン警察少佐役に、TVドラマや映画であらゆる役柄をこなしてきたチャッチャイ・ブレンパーニット。この作品でも殆どのシーンを、スタントマンを使わずに自分自身で演じている。そして、テロ集団のリーダーとなるナウィン役に、伝説のロックスターであり、また俳優としてもTVドラマや映画で活躍しているアムポーン・ラムプーン。監督は、アクション映画を数多く監督&プロデュースするベテランのタニット・チッタヌクン。日本では、プロデュース作品「デッド・アウェイ バンコク大捜査線」と、タイで有名な古典長編詩を映画化した「ラスト・ウォリアー」を観る事ができる。

ストーリー


ナウィン(アムポーン・ラムプーン)は特殊部隊の兵士で、タイ国北部の国境警備を担当している。だが、タイ中央政府に反発する少数民族と国境付近で銃撃戦をした際に、タイ国防省は北部への援軍を拒否。ナウィンの部隊は、国家から見捨てられた形となり仲間を失う。ナウィンと部隊の兵士達はバンコクに戻ったが、ちょうどその頃、国の経済は悪化していて、失業兵士が手っ取り早く稼ぐ方法は、それこそ銀行強盗しかなかった。
 1997年に起こった通貨危機により、タイ国内では42の金融機関が倒産。経済の悪化は社会情勢も不安定に陥れ、政府に対するデモが頻発する。このような状況を打開するために、組閣が何度も行われ、経済危機当時のチャワリット政権に代わり誕生したチュアン政権は、国際通貨基金(IMF)から5,800億バーツの融資を受ける。しかし経済復興への対策は成功せず、再び総選挙が行われた。
 選挙の結果誕生したタクシン政権は、経済復興を公約しIMFへの返済を2年以内に行うと宣言。しかしその方法は、国営企業の売却など強引なものだった。そしてこの決断は、各機関にいる権力者や重要な役割を担う者、また国家経済を動かしている裏社会の者達からの反発を受けた。彼らは内閣を総辞職に追い込むために、IMFへの返済を阻止する計画をたてる。そしてこの目的を遂行するために、中心人物として目をつけられたのが、凄腕の失業軍人であるナウィンだった。ナウィンに仕事を依頼してきたのは、タイ国北部の戦闘で殉職した親友の父親であり、ナウィンはこの仕事を断ることが出来なかったのだ。
IMFへの返済式典まであと2日に迫った日、バンコク市内で爆弾事件が2件発生。タイ国防省に対しIMFへの返済に反対する声明が届く。タイ政府の中枢部では、深刻な会議が行われる。返済の延期を提案する声も出たが、あくまでもタクシン政権は期限通りに返済を決行しようとしていた。
 テロ取締り部隊のパコン警察少佐(チャッチャイ・ブレンパーニット)は捜査により、かつて特殊部隊で有名だったナウィンが、このグループのリーダーであるということを突きとめる。IMFへの返済記念式典が開催されるその日、悪夢のような事態が発生した。ナウィン達が、バンコク市内の経済的な重要拠点である、アメリカ貿易タワー、クレジット・ユニオン・ビル、ファイナンシャル・タワー、国際開発銀行の4ヶ所に爆弾を仕掛けたのだ。政府が反対派の要求を無視したら、その一つを爆破するという声明が送られてくる。
 爆弾は、ビルの送電網と繋がっていることが判明し、ビル一帯の電源を落とさないと解除が出来ない事が分かる。実はそのビルから少し離れた所に中央銀行の金庫があり、75トンの金塊が国家の財産として保管されていた。警備に支障が出る、とパコン少佐は電源を落とすことに反対する。ところが、軍内部でのIMF返済反対派の軍人がパコンに代わって現場の指揮を執り、電源が落とされてしまう。その短い時間を縫って、中央銀行の総裁が誘拐され、金庫の金塊が盗まれた。だが、IMF返済反対派グループの内部では意見が対立。IMF返済を阻止できれば目的を達成したと思うグループと、金塊まで盗むことを目的にしているグループに分かれたのだ。
 危機を察知したパコンは、現場に駆けつけて金塊を無事に奪回するが、ナウィンとその一味は逃走。パコンと部下は追跡を開始し、バンコクの商業地区の中心部であるパトゥムワン交差点で大規模な銃撃戦が繰り広げられる。

スタッフ

製作総指揮:ソムサック・デーチャラタナプラスート
製作:タニット・チッタヌクン
監督:タニット・チッタヌクン
脚本:タイガーチーム
撮影監督:ティラワット・ルチンタム
録音:プリーテープ・ブンデート
ソーン・ポーロンパラップ
演技相談役:サーラウット・ウィチエンサーン
舞台デザイン:ガモンワン・ウィリヤパックディー
美術監督:ソムポート・サラックカム
ナロン・グートグン
衣装デザイン:ナポン・サーリマーン
ヘア・メイクデザイン:チョークチャイ・ペーガーム
    ウォラワリー・ジャンジャルーンポーン
  アピワン・ ジャンジャルーンポーン

キャスト

パコン:チャッチャイ・ブレンパーニット
ナウィン:アムポーン・ラムプーン
ダープジャック:ゴーウィット・ワッタナクン
訓練教官:プラカーティット・ボースワン
メー:ウィティット・レート
ブンティン:ブンティン・トゥワイゲーオ
チャムラット:ポンサナート・ウィンシリ
アヌソーン陸軍将官:ソートーン・ルンルアン
セート/軍人役:カチョンサック・ラッタナニサイ
ドーン:セートトーン・ティティタナセート
ター:セートウィット・パンペン
オン:トゥイ・タンジョー

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