原題:proof

アカデミー賞7部門受賞の名作『恋におちたシェイクスピア』のジョン・マッデン監督、グウィネス・パルトロウが再び手を組んで贈る人生の再生を描いた感動の物語。

第18回東京国際映画祭特別招待作品公式参加作品

2005年9月16日全米公開

2005/アメリカ/カラー/ 配給:ギャガ・コミュニケーションズ

2006年08月25日よりDVDリリース 2006年1月14日(土)より、みゆき座ほか全国東宝洋画系ロードショー

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公開初日 2006/01/14

配給会社名 0025

解説


ハリウッドの女優たちがこぞって出演を望み、
ピュリッツァー賞、トニー賞、数々の賞に輝いた舞台の初完全映画化。

 アカデミー賞7部門、英アカデミー賞4部門、さらにゴールデン・グローブ賞3部門を受賞した大ヒット作「恋におちたシェイクスピア」。現代人が忘れていたロマンティックな夢を甦らせ、人生の素晴らしさを教えてくれた感動作から7年、互いを尊敬し、深い信頼で結ばれたジョン・マッデン監督と主演のグウィネス・パルトロウが再び手を取った。
 彼らが新作に選んだのは、ピュリッツァー賞、トニー賞を始めとする数々の権威ある賞に輝き、マンハッタン、ブロードウェイ、ロンドン、そして日本でも上演された話題の舞台「プルーフ」の初映画化作品。マッデン監督がパルトロウを主演に迎えてロンドンの舞台で上演、厳しい批評家たちからも大絶賛を浴びた作品である。映画化にあたり、まさにこれ以上は考えられない最高のコラボレーションが実現したのだ。

世紀の数学の<証明>はいったい誰のものなのか?
天才の父の死の乗り越え、彼女は本当の愛を胸に再び歩き始める、自らの<証明>のために。

若さと美貌、天才的な頭脳──誰もが羨む才能に恵まれた女性が、生きる気力を失っていた。彼女の名はキャサリン、1週間前に父親が亡くなったのだ。精神のバランスを崩した父を一人で看病していた彼女は、抜け殻のようになってしまった。天才数学者だった父は、自身も数学を究めようとしているキャサリンにとって師でもあった。人生の羅針盤をなくしたキャサリンの元に父の教え子のハルがやって来る。彼の優しさに、少しずつ心を開くキャサリン。しかし、彼女がある1冊のノートをハルに託した時、すべてが一変する。そこには画期的な数学の証明が記されていたが、キャサリンはそれを証明したのは父ではなく自分だと主張したのだ。果たしてそれはキャサリンの証明なのか、それとも父の証明なのか・・。
 「プルーフ」は、もう二度と立ち上がれないほど深く傷ついた一人の女性、キャサリンの魂の再生の物語だ。どんなに幸せな日々を送っている女性でも、ある日突然、悲しみに容赦なく心を壊されることがある。家族の死、失恋、仕事の失敗──誰の人生にも様々な困難が待ち受けているのだ。それでもまた人を愛することで、そして何より自分自身を信じることで、人は再び歩き出すことができる。希望に輝く朝が必ずまた訪れる──キャサリンはそれを私たちに感動的にプルーフ=証明してくれるのだ。

緊張感溢れる駆け引きから涙と希望のクライマックスへ
真の演技派俳優の競演、そして彼らを引き立てる一流のスタッフ

 名匠マッデン監督の呼びかけに応えて、一流の共演者が顔をそろえた。主演は本作で、キャリアの中で最高の演技と全米でも高く評価されているグウィネス・パルトロウ。大プロデューサーでもある父ブルース・パルトロウを癌で撮影開始の前年に亡くしたグウィネス。亡き父への想いは主人公キャサリンの父ロバートへの想いと重なり、その迫真の演技は多くの人々の心動かすこととなった。父ロバートを演じるのは、「羊たちの沈黙」でアカデミー賞を受賞した、名優アンソニー・ホプキンス。キャサリンに想いを寄せるハルには、ハリウッドの最も有望な若手俳優の一人として注目されている「デイ・アフター・トゥモロー」のジェイク・ギレンホール。キャサリンの姉のクレアに扮するのは、「アバウト・シュミット」「アメリカン・スプレンダー」で高い評価を得たホープ・デイヴィス。
 また、戯曲「プルーフ」を書き上げた劇作家、デイヴィッド・オーバーン自らが脚本を手がけた。世界各国の観客が涙した、“どんな悲しみに出逢っても人は必ず立ち直れる”というテーマを、スクリーンにも見事に焼きつけた。その他、“誰が証明したのか”という謎解きをサスペンスフルに見せる撮影は、「モーヴァン」で数多くの賞を受賞したアルウィン・カックラー、縦横無尽に過去と現在を行き来する編集は、「恋におちたシェイクスピア」のミック・オーズリーが担当した。

ストーリー



どんな悲しみに出会っても、希望は必ず訪れるー

彼女の誕生日──父が死ぬ前に買ってくれた1本のシャンパン
 一人でシャンパンをボトルから直接飲みながら、キャサリン(グウィネス・パルトロウ)は26歳の誕生日を迎えた。若さと、美しさと、天才的な数学者としての才能と──そのすべてに恵まれているのに、彼女は生きる気力を失っていた。シカゴ大学で教鞭をとり、天才数学者と讃えられた父ロバート(アンソニー・ホプキンス)が、1週間前に亡くなったのだ。キャサリンは精神のバランスを崩した父を入院させず、たった一人で看病したが、研究を再開してほしいという願いは叶うことはなかった。
 思い出の中に引きこもるキャサリンの心を、ためらいがちにノックしたのは数学者のハル(ジェイク・ギレンホール)だった。ハルはロバートのかつての教え子で、輝かしい研究が埋もれているのではないかと、遺されたノートを調べているのだ。ハルはまた、研究室でキャサリンをひと目見たときから、ほのかな想いを寄せていた。

姉の帰還──お土産は健康的な朝食とホホバ入りコンディショナー
 父の葬儀に出席するために、キャサリンの姉クレア(ホープ・デイヴィス)がニューヨークからやって来た。通貨アナリストとして第一線で働くクレアは、父を妹に任せてシカゴに寄り付かなかったが、経済的援助だけは果たしていた。まるでビジネスをこなすように、キャサリンの朝食を準備し、喪服を買い与え、参列者の食事の手配までテキパキとこなすクレア。キャサリンにはそんなクレアが、言葉の通じない異星人のように見えるのだった。おまけにどうやらクレアは、父の病がキャサリンに遺伝していると疑っているらしい。
 
父の葬儀──「父が死んで、私は喜んでいます」
 シカゴ大学の荘厳なチャペルで、ロバートの追悼式が行われている。教授のスピーチが終わると、突然立ち上がったキャサリンが演壇へ向かう。彼女は予定外の出来事に息をのむ人々を見渡した。父が発病して5年、目の前にいる友人、教え子、誰一人助けてはくれなかった。天才と讃えられた父がどんどん壊れていくのを私だけが見ていた──こみあげる怒りと悲しみに身を任せ、キャサリンは父の最期の日々を語り始めた。
 葬儀の後、故人の家はパーティ会場と化した。誰もが死者を悼むよりも人生の儚さを賑やかに吹き飛ばしたがっていた。傷ついた心を抱えた自分を優しく見守ってくれるハルに、少しずつ心を開き始めたキャサリンは、その夜、ハルと恋におちた。

誰かのノート──ロバートのデスクに隠された世紀の発見
 ひどく久しぶりの、喜びに満ちた朝の空を見上げるキャサリン。少し恥ずかしそうなハルに、キャサリンは首から提げた1本の鍵を差し出す。それはロバートの書斎のデスクの鍵だった。ハルと入れ違いに起きてきたクレアが、キャサリンの幸せな気分を台無しにする。大学が家を買ってくれるから、今すぐニューヨークへ引っ越そうというのだ。言い争う二人の元へ、興奮のあまり声を震わせたハルが1冊のノートを手に現れる。そのノートには、名だたる数学者がずっと昔から挑戦しているにもかかわらず、誰も成し遂げられなかった定理の証明が記されていたのだ。ロバートは狂ってなどいなかった! 世紀の発見に目を輝かせるハルに、キャサリンは静かに宣言する。「その論証を書いたのは私よ」
 その一言が、自分の人生を大きく揺り動かすとも知らずに……。

スタッフ

監督:ジョン・マッデン
脚本:デイヴィッド・オーバーン
   レベッカ・ミラー
撮影監督:アルウィン・カックラー
美術:アリス・ノーミントン

キャスト

グウィネス・パルトロウ(キャサリン)
アンソニー・ホプキンス(ロバート)
ジェイク・ギレンホール(ハル)
ホープ・デイヴィス(クレア)

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