アメリカ6月1日公開

2005年/アメリカ/シネマスコープサイズ/上映時間1時間58分 配給:ワーナー・ブラザース映画

2007年07月13日よりDVDリリース 2006年03月03日よりDVDリリース 2005年10月1日、恵比寿ガーデンシネマ他にてロードショー

© 2005 DUNGAREE PRODUCTIONS, LLC

公開初日 2005/10/01

配給会社名 0085

解説


切ない記憶とともに、誰もが立ち還る場所がある。

生まれる前からずっと一緒だった4人が、

初めて“ひとり”になった16歳の夏——。

彼女は自分のカラを破りたかった。

彼女は父親に振り向いてほしかった。

彼女は母の死を乗り越えたかった。そして彼女は、生きている意味を知りたいと思った。

世界は自分を中心に回っているのだと思っていたあの頃。誰かの大きな腕に守られて、疑いもなく、恐れもなく、幸福だけを貪っていればよかった無邪気な日々。しかし、ある日を境に、そんな景色は一変する。自分は世界の中心どころか片隅にいて、居場所さえ見つけられずにいる。信じていたものが急に色あせて見え、何を信じたらいいのかわからなくなる。どこにも届かない願い、なす術のない悲しみ。無防備に傷つき、無力に震え、絶望に打ちひしがれてなお、人はその先へと歩を進めていく——人生は、絶望から始まるのかもしれない。

原作は、発売されるやいなや全米中の圧倒的な共感を得、世界30カ国以上で翻訳されている大ベストセラー「トラベリング・パンツ」。全米中の誰もが待ち焦がれたこのベストセラーの映画化には、「大の男が泣かされてしまう感動作」「大人でも、いや大人だからこそグッと来る」——アメリカのメディアが、ある種の驚きをもって、惜しみない称賛を贈ってやまない。それは、今まさに、自分の足で世界の片隅に立とうとする少女たちの愛おしい物語だ。誰もが通ってきた特別な夏。それが、まぶしいだけの季節ではないことを、わたしたちは知っている。だからこそ、彼女たちの痛みが、言葉もなく胸の深奥を揺らすのだ。怒りには怒りが、涙には涙が押さえようもなくこみ上げ、同じ気持ちを一緒に感じながら、彼女たちのひとりひとりに心からのエールを送らずにはいられない。

あの輝く季節、わたしたちははじめて[絶望]を知った——。

16歳の夏、4人の少女は、ひとりずつ別々の場所へと旅立った。幸せを呼ぶ一本のジーンズを友情の証とし、互いに送りあうことを約束して——。

ギリシャで初めての恋に落ち、精一杯の勇気を振り絞ろうとする内気なリーナ。

別れて暮らす父親をサウス・カロライナに訪ね、新しい家族と暮らし始めた父を見て、激しい怒りといたたまれない寂しさを覚えるカルメン。
幼い頃に自殺した母の死の影を引きずりながら、メキシコのサッカーキャンプで誰よりも陽気に振舞うブリジット。
ひとり地元のメリーランドに残り、つまらない人生を嘆くティビーは、生涯忘れることのできない小さな友と出会い、かけがえのない時間を過ごすことになる。
それぞれの場所で、自分に起こった出来事を懸命に受け止めようとする彼女たちを支えていたのは、離れ離れの間、4人ではこうと約束した一本のジーンズ。リーナからティビーへ、ティビーからカルメンへと、それぞれの思いを載せて旅をするジーンズは、別々の場所にいても、4人がいつでもつながっているという、何よりも心強い証。どんな時でも自分のことを分かってくれる人たちが確かにそこにいる。そのたったひとつの真実ゆえに、たとえ転んでも、立ち上がることができるのだ。

嘘のないまっすぐな気持ちで、自分の人生と初めて向き合った少女たちのひと夏の旅。そんなひとりひとりの物語をいとおしむように、丁寧に創りあげられた大人のためのウェルメイド・ムービー。それは、あの夏の日の、あなた自身かもしれない。誰もが同じ切なさに、人知れず流した涙がある。傷ついてなおまぶしく思う、忘れられない季節がある。だからこそ、止めることのできない心の震え。どんな説明も要らない静かな共感。気がつけば、まるであの日の自分のように、彼女たちの行方を固唾を呑んで見守り、同じ涙を流し、同じ安堵を感じている。

あなたもきっと知っているはず。痛みとともに胸に残る大切な日々を。そして、誰もが決して一人ではないことを——。

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旅するジーンズの11か条

第 1 条 ひとりが使う期間は一週間。
第 2 条 はいている時は鼻をほじらない。 掻くのはよし。 ちょっとなら。
第 3 条 すその折り返し禁止(ださいから)。

第 4 条 シャツをジーンズにインするのも禁止。
第 5 条 別の人へ発送するとき付ける手紙に、 着用時の出来事を詳しく書く。
第 6 条 そして再会した時に、 ジーンズにその出来事を記録。
第 7 条 はいている本人以外が脱がせてはいけない。
第 8 条 絶対洗わない。
第 9 条 はいている間は体型を気にしない。
第10条 ジーンズは“愛”と同じ。
第11条 緊急事態なら、順番に関係なく必要なものを優先させること。

ストーリー

その夏、わたしたちは生まれて初めて離れ離れになった—-。

母親たちが知り合ったマタニティ教室。それが4人の絆の始まり。生まれる前から同じ場所で同じ時間を過ごし、生まれてからもずっと一緒に、同じ気持ちを分かち合ってきた4人。自由奔放なブリジット、内気なリーナ、皮肉屋のティビー、情熱的なカルメン。性格はまったくバラバラでも、お互いに誰よりも分かり合っている大切な存在。つらい時も4人でいたから乗り越えてくることができた。
カルメンの父親が家を出ていった時も、10歳以上も年の離れた弟の誕生にティビーが憤慨した時も、そして、ブリジットの母親が自ら命を絶った時も……。他人には心を閉ざしてしまうリーナも、彼女たちと一緒なら自分らしくいられる。
そんな4人が初めて別々に過ごすことになった16歳の夏。
リーナは祖父母の住むギリシャへ。カルメンは別れて暮らす父親のもとへ。ブリジットはメキシコでのサッカー・キャンプに参加。ただ一人、夏休みの計画がないティビーは、地元のスーパーでバイトをしながら、人生の惨めさを綴ったドキュメンタリー映画を製作することに。
それぞれの夏休みに向けて出発する前日、4人が古着屋で見つけた一本のジーンズ。それは、性格も違えば体型も違う四人全員にぴったり合う不思議なジーンズだった。このジーンズはきっと幸運をもたらしてくれるはず!—離れ離れの夏の間、彼女たちは4人で一本のジーンズを順番に履くことに決め、それぞれの夏へと旅立った。

ギリシャ・サントリーニ島から、ジーンズとともに届いたのは、ギリシャ語がうまく話せず、ますます内気になるリーナからのあまり芳しくない近況。ジーンズのせいで溺れかけ、通りかかった青年の船に助けられたものの、ひどく居心地の悪い思いをしたリーナ—-「ジーンズの魔法なんて幻想だったかもよ」。地元に残ったティビーのもとへジーンズを届けたのは、近所に住む見知らぬ女の子。ただでさえ、スーパーの店長に文句を言われながら品出しをする惨めな日々に加え、いつの間にかドキュメンタリー映画の助手に収まってしまった、この小生意気な女の子が、ティビーの神経を逆なでする—-「この子もジーンズと一緒に送っちゃいたい」。

カルメンへ送られたジーンズは、父親の新居へ転送された。父と二人で過ごす夏を、心の底から楽しみにしていたカルメンが知らされたのは、父の再婚。すでに新しい家で、新しい家族と暮らし始めていた父は、カルメンの期待を粉々に打ち砕いた—-「ジーンズの効果は何もなかった。あんたには運をもたらすといいね」
メキシコでは、ブリジットがジーンズの到着を待ち受けていた。いつも自信に溢れ、自分の決めた道を突き進むブリジットは、サッカー・キャンプでもコーチとの恋を手に入れた—-「幸せな出来事のはずなのに、むなしいのはなぜ?」。
そして、ジーンズは再びギリシャへ。旅するジーンズが見届けるのは、リーナに訪れる苦悩、ティビーが受け止めなければならない悲しみ、カルメンの怒り、そしてブリジットの心の闇…。彼女たちの夏はまだ始まったばかり—-。

スタッフ

原作:アン・ブレイシェアズ(「トラベリング・パンツ」(理論社刊))
監督;ケン・クワーピス
製作:デブラ・マーティン・チェイス
   デニース・ディ・ノービ
   アンドリュー・A ・コソービー&ブロデリック・ジョンソン脚本:ディーリア・エフロン
   エリザベス・チャンドラー
製作総指揮:レスリー・モーゲンスタイン
      アリソン・グリーンスパン
      キアラ・デイビス
共同製作:クリスティーン・サカーニ
     スティーブン・P・ウェグナー
     メリッサ・ウィッチマン
撮影:ジョン・ベイリー、A.S.C.
編集:キャスリン・ヒモフ
美術:ゲイ・バックリー
作曲:クリフ・アイデルマン
衣装:ライザ・イェンセン 

キャスト

ティビー:アンバー・タンブリン
カルメン:アメリカ・フェレーラ
ブリジット:ブレイク・ライブリー
リーナ:アクレシス・ブレーデル
アル:ブラッドリー・ホイットフォード
リディア:ナンシー・トラビス
カルメンの母:レイチェル・ティコティン
ベイリー:ジェナ・ボイド

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