2004年/韓国/ビスタビジョン/上映時間:1時間42分/提供:アミューズメントメディア総合学院、フルメディア/配給:AMGエンタテインメント、東京テアトル

2006年08月25日よりDVDリリース 2005年12月3日より銀座テアトルシネマにてレイトショー公開(順次全国公開)

公開初日 2005/12/03

配給会社名 0644

解説


2004年9月に韓国で公開、オープニング興行ランキング第3位を獲得し、その後も3週連続トップ10入りをした『非日常的な彼女』。この映画で一番驚かされるのは、清純派女優・チェ・ミンソの変身ぶりだ。“80年代の美人女優にあった清楚で柔和なイメージを併せ持っている”点で、主人公のボクサーを支える妻役を獲得した彼女は、新人離れした演技を披露した『チャンピオン』で映画デビューした。その後も気品ある清楚な役をTVドラマで続けていたが、もともとチャレンジ精神が強く、スポーツも得意(趣味はインラインスケート、合気道は3段の腕前)な彼女は、『非日常的な彼女』で破天荒な女子高生役に挑戦。見事なイメージ転換を図った。後半で見せる母性豊かな母親ぶりもこれまでになかった彼女の一面を見せている。続く『亡国のイージス』では、紅一点の対日工作員を獲得。撮影前のハードなトレーニングのほか、減量を含め役柄に合わせた体作りを自主的にこなした。そして、今秋公開の大ヒット・ホラー『かつら』では、役柄にあわせスキンヘッドになり、女優魂をみせつけている。

 そのチェ・ミンソの息子チョウォンを演じているのが、『おばあちゃんの家』の天才子役のユ・スンホ。子役が陥りやすいわざとらしさが全くない天性の演技力は、『非日常的な彼女』でも前面に押し出されている。特に後半は彼につられて思わずもらい泣きしてしまう人も多いはずだ。
 そしてユ・スンホとコミカルで温かな父子愛を奏でているのが、中堅演技派男優のチョン・ウンイン。基本的にスターシステムを敷いている韓国映画界では、主演のスター俳優を支える名脇役が多くいるが、彼もそのひとり。この映画でも情感豊かな演技のみならず、ステージでの見事な歌唱、ドラッグ・クィーン姿まで披露し、作品をもりたてている。

 多彩なジャンルをもつ韓国映画には、ハン・ソッキュの映画デビュー作『ドクター・ポン』をはじめ父子愛を描いたヒューマンドラマの秀作も多い。『非日常的な彼女』は近年のその筆頭にあげられる作品といえるだろう。また人気ミュージシャン、ピが主演した高視聴率TVドラマ「サンドゥ学校に行こう」や同名のベストセラー小説をもとにしたTVドラマ「カシコギ」に匹敵する、父子の深い絆が描かれている点にも注目したい。

ストーリー


 高校生のチョルスは、クラブで女子高生のエランに一目惚れする。ちょっかいを出すチンピラを、舌にタバコを押しつけてビビらせ、鮮やかな蹴りで片付けてしまう彼女に、チョルスは、ますます惹かれていき、酔ったはずみで関係をもってしまう。
 学校のトイレで男の子を出産したエランは、授業中のチョルスのもとにその子を宅配する。驚いたチョルスは、エランに連絡を取ろうとするが、彼女は保守的な両親に米国に留学させられていた。
一瞬にしてシングル・ファザーになってしまったチョルスは退学になり、身寄りのない彼は、一人で子供を育てるため、三流クラブのMCで生計をたてることにする。

 8年後。二人が一夜を過ごしたモーテルの名前をつけられたチョウォンは、クラブの歌手やドラッグ・クィーンに囲まれながら、皆に愛される賢い子に育っていた。だらしない自分を甲斐甲斐しく世話をし、腑甲斐ない自分にも怒ることもしない、明るく素直なチョウォンは、チョルスにとって、このうえない宝物だった。
 そんなある日、チョルスは、高校時代の友人ジョルグと再会する。ランジェリー・デザイナーになったジョルグは、米国の支店長だという女性をチョルスの店に連れてくる。その女性こそが、エランだった。思いもよらない再会にショックと怒りを隠せないチョルスは、エランにチョウォンに会うことも母親だと名乗ることもしないでほしいと言う。だが、深い後悔の念と母性に苛まれるエランは、下校途中のチョウォンに会いにいく。
チョウォンは、他人とは思えないエランに親近感を覚えるが、彼女が死んだと聞かされていた母親だと知り、ショックを受ける。父チョルスの思いをよくわかっている彼は、引き止めるエランを泣いて振り切り、チョルスと一緒にソウルを出る。

 チョルスは、地方でオカマダンサーの職を得、最愛のチョウォンと二人きりの生活を始める。だがチョウォンを傷つられたことで、キレたチョルスは、ボスに反撃。逆襲された彼は、危篤状態になってしまう。涙がとまらないチョウォンが電話をかけた先は、米国に向かう先のエランだった…。

スタッフ

監督:イ・サンフン

キャスト

チェ・ミンソ(エラン役)
ユ・スンホ(チョウォン役)
チョン・ウンイン(パパ/チョルス役)
イム・ホ(ドラッグ・クィーンのリス役)

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