原題:A History of Violence

本国アメリカにて、2005年9月30日公開

2005/アメリカ・カナダ/カラー 配給:ムービーアイ

2006年09月08日よりDVDリリース 2006年3月11日、東劇にてロードショー公開

(c) 2005 New Line Cinema. All Rights Reserved.

公開初日 2006/03/11

配給会社名 0366

解説



全米、カンヌ映画祭大絶賛! 本年度アカデミー賞最有力!

 2005年カンヌ映画祭コンペティション部門に正式出品された本作『ヒストリー・オブ・バイオレンス』は、批評家そして観客の心を強く掴み、大きな賞賛を浴びた。そして、2005年秋の全米公開では限定公開ながら1館あたりの興行収入が$36,856という同週公開作品の中で圧倒的な数字をたたきだし、拡大公開後も好成績を収めた。依然として全米での賞賛は鳴り止まず、年末からの賞レース、そしてアカデミー賞の複数部門にてのノミネートが有力との声があがっている。

幸せな現在の愛、そして過去の暴力と罪。対立の間で揺れる妻の愛は究極の選択を迫られる。

 本作を手がけるデイヴィッド・クローネンバーグは、その独特の描写によって世界中の多くのファンを魅了してやまない天才的な映画作家の一人である。今回、彼の最新作は、アメリカ中西部を舞台とした幸せに暮らす一家に起こった出来事を題材に取上げ、クローネンバーグ監督のなかでも新境地ともいうべき重厚な物語に仕上がっている。幸せで静かな暮らしのはずだったのに、夫がヒーローとなってしまったことで、一家の穏やかな生活が危機にさらされていく。変化してしまった現実と葛藤しながら、自分たちの関係と結果的に表面化する分裂という問題に否応なしに直面させられることになる。
 愛に満ちた今の暮らしと、隠された夫の過去の暴力と罪の間で揺れる妻は、彼の人生のすべてを受け入れられるだろうか・・・。幸福と暴力の対立と、究極の愛の選択を描くサスペンスミステリーの傑作である。

実力派俳優たちによる完璧な競演

 この物語の主軸ストール家の夫妻を演じたのは、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズで正義の勇者アラゴルンを演じ世界中の注目を浴びたヴィゴ・モーテンセンと、『シークレット・ウィンドウ』の出演などで知られる実力派女優マリア・ベロ。この夫婦を作り上げることができたことが、本作の成功の大きな一因であったとクローネンバーグは語っている。彼は、ヴィゴの持つカリスマ性と複雑な役を演じる深さを高く評価し、物事が紐解かれていくにつれて深い変化を経験し、自分自身の隠された側面を発見していくという妻の役を見事に演じたマリア・ベロを絶賛した。そして、家族に大きな変化があらわれ、後半になるにつれて深く暗くなる物語をエド・ハリス、ウィリアム・ハートといったオスカー常連のベテラン俳優の演技が支えている。

人気グラフィック・ノベル、待望の映画化

 原作は「バットマン」シリーズで知られるDCコミックスのヴァーティゴ(VERTIGO)レーベルから刊行されているグラフィック・ノベル「A History of Violence」で、同レーベルの『フロム・ヘル』『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』『ロード・トゥ・パーディション』に次いでの人気グラフィック・ノベルの映画化が実現した。そして、この原作をもとに脚本を手がけたのが、ハリウッドでの映画化が決定した日本の人気漫画「MONSTER」(作者:浦沢直樹)の脚本を担当するジョシュ・オルソンである。スリラーなどで実績のある彼の手により、本作はよりサスペンスフルで濃厚な物語に仕上がっている。

ストーリー







“私の愛する夫、私の愛する家族・・・。あなたは私の最高の人。”

 アメリカ、インディアナ州ミルブルックの小さな町の田舎町で、トム・ストール(ヴィゴ・モーテンセン)と弁護士の妻エディ(マリア・ベロ)は、2人の子供たちと一緒に幸せで静かな生活を送っていた。夫は”STALL’S DINER”という自身のお店を経営し、妻ともいまだに仲むつまじく、愛に満ちた幸せな暮らしであった。だが、ある夜、夫のダイナーが二人組の強盗に襲われることからすべては始まった。閉店間際に店に入ってきた男二人は、閉店を伝えるトムに対して強い口調で注文し、銃を突きつけた。危険を察知したトムは強盗の一瞬の隙をついて銃を奪い取り、起死回生の正当防衛で、店の客や友人たちを救うのだった。

“幸せに静かに暮らしていたはずだった。夫がヒーローになる前は・・・”

 人々を救い、ヒーローとして歓迎されたトムの生活は一夜にして変わり、国内のメディアの注目を浴びてしまう。その騒ぎに居心地の悪さを感じるトムだったが、妻や家族は彼のとった行動を誇りに思っていた。そして、またいつも通りの家族の静かな生活に戻るはずだった。
 数日後、ニュースの影響で大繁盛の店に、威圧的な男たちが現れた。その一人、目がえぐれたフォガティ(エド・ハリス)は、昔の知人であるかのように夫に話しかけ始めた。トムのことをジョーイと呼んで・・・。

“夫はあなたのことなんか知らない、家族に近寄らないで”

 夫は否定し、フォガティを店から追い返したが、夫の過去を知ると言う突然の謎めいた訪問者の出現で、不安にかられる妻エディ。その日から、男たちは家族に執拗に付きまとい始めた。家族に迫る脅威に怯えるエディはフォガティに家族から離れるように言うが、夫の過去を知っていると繰り返すフォガティは彼女に言い放つ。”オレは奴を知っている。なぜ、あんなにも人を殺すのがうまいのか、ジョーイに聞いてみろ”。

“お願い、真実を話して・・・”

 心から夫を愛し、信頼はしているものの、信頼と不安の間で揺れ始める妻。ついに家族に危険が迫ったとき、愛と信頼に満ちた幸せな暮らしが、徐々に壊れ始めていく・・・。幸福と暴力が対立し、妻の愛は究極の選択を迫られていく・・・。

“あなたは私が愛したトムではないの? あなたは本当に今まで何人もの人を殺してきたの?”

スタッフ

監督:デイヴィッド・クローネンバーグ

脚本:ジョシュ・オルソン
製作:クリス・ベンダー/JC・スピンク
製作総指揮:ジャスティス・グリーン
      ロジャー・E・カス、ジョシュ・ブラウン
音楽:ハワード・ショア
撮影:ピーター・サシツキー
美術:キャロル・スピア
編集:ロナルド・サンダース
衣装:デニーズ・クローネンバーグ
原作グラフィックノベル:ジョン・ワグナー/ヴィンス・ロック

キャスト

ヴィゴ・モーテンセン
マリア・ベロ
エド・ハリス
ウィリアム・ハー
アシュトン・ホームズ
ハイディ・ヘイズ
スティーヴン・マクハティ
グレッグ・ブリック
ピーター・マクニール

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