原題:江湖

運命の一夜、男たちに降りそそいだ雨は、友情、陰謀、信頼だった

2004年/香港/ビスタ/カラー/原題:江湖/ 配給:日活

2006年02月10日よりDVDリリース 2005年10月8日、シネ・リーブル池袋、新宿トーア、銀座シネパトスほか全国公開

公開初日 2005/10/08

配給会社名 0006

解説


■新旧“四天王”の4大スターが超豪華競演
 香港四天王と呼ばれ、俳優としても歌手としても絶大な人気を誇るアンディ・ラウとジャッキー・チュン。そして新・四天王の呼び声も高いショーン・ユーとエディソン・チャン。4大スターが顔を揃えた2004年香港最大の話題作が、ついに日本のスクリーンに登場!
アンディ・ラウとジャッキー・チュンは、ウォン・カーワイ監督のデビュー作『いますぐ抱きしめたい』以来、16年ぶりに再び義兄弟の役で共演を果たした。『インファナル・アフェア』シリーズで世界を熱狂させたばかりのアンディは、今回はクールな大ボス役。黒社会ものへの久々の主演となったジャッキーは、16年前の当たり役に連なる弟分をさらにパワフルに熱演している。
成熟した大人の演技で魅せる両雄に対し、夢に向かって一途に突っ走る若者たちを切ないまでに美しく演じきるのがショーン・ユーとエディソン・チャン。出世作となった『インファナル・アフェア』シリーズでは同一画面に映ることのほとんどなかった二人が、初めて親友同士として共演。自分たちで一から役を作りあげ、アイドルから真のスターへの見事な脱皮を証明している。

■香港映画界を担う“第二のウォン・カーウァイ”誕生
 監督は、これが商業映画デビュー作となるウォン・ジンポー。自主製作映画で実力を培い、新世代の観客のための黒社会ものを撮れる若い監督を探していたプロデューサー・俳優、エリック・ツァンの目に留まり大抜擢された。さらに、彼の才能に惚れ込んだアンディ・ラウがアラン・タムとともに製作総指揮を引き受け、大物映画人たちの惜しみないサポートにより、新人には極めて異例の超豪華キャストが実現。男たちのドラマを新たなスタイルで鮮烈に描き、見事、香港電影金像奨の最優秀新人監督賞を獲得した。
独自の映像センスと確固たる美学を持つウォン・ジンポー監督の登場は、今やアジアを代表する世界的監督となったウォン・カーワイのデビュー当時をも彷彿させる。まさに香港映画界の期待を一身に担う大型新人である。
音楽は、ケリー・チャンやレオン・ライの音楽プロデューサーとしても名高い香港のヒットメーカー、マーク・ロイが担当。主題歌の瑞々しい歌声は、ショーン・ユーとのラブシーンも話題になった中国出身の新進女優リン・ユアン。またエンディングに流れる曲はアンディ・ラウが作詞・作曲し、友情出演のチャップマン・トウが歌っている。編集は『インファナル・アフェア』シリーズのパン・チンヘイ。

■ 男たちの悲しい宿命を鮮烈な映像美で描く、
新しい香港映画
大ボスの暗殺計画の噂が流れた夜、野心家の弟分は彼に引退を迫るとともに、配下のボスたちの粛清に乗り出す。一方、若者たちは暗殺用の拳銃を求めて夜の街を駆ける。固い絆で結ばれながら互いに疑惑を抱く二人の大物と、熱い友情で結ばれていく二人のチンピラ。性格も行動もそれぞれ対照的なコンビが二組——。彼らの運命はどのようにして交わるのか? 
ドラマはクライマックスに向けて緊迫していき、そして予想外のエンディングに胸を衝かれる。「江湖」(黒社会の意)という原題そのままに、そこに生きる男たちの悲しい宿命そのものが、衝撃的な映像美で鮮やかに浮かび上がる仕掛けだ。
雨の中のクライマックスをはじめ、壮絶にして華麗なアクションも見ごたえたっぷり。中国ではその暴力シーンなどが好まれず上映禁止となったが、逆に香港では約1,300万香港ドルの興収を記録した。

ストーリー

運命の一夜、男たちに降りそそいだ雨は、友情、陰謀、信頼だった。
レストランの厨房で働くイック(ショーン・ユー)に、暗殺者を決めるクジ引きの連絡が入った。この日を待ちわびていたイックは、チンピラ仲間のターボ(エディソン・チャン)とともに会場のディスコに駆けつける。

黒社会で尊敬を集めている大ボス、ホン(アンディ・ラウ)の暗殺計画の噂に、配下の3人のボスは戦々恐々となり、互いに腹を探りあう。ホン亡き後に彼の兄弟分の冷酷無慈悲なレフティ<左手>(ジャッキー・チュン)が台頭すれば、たちまち大混乱に陥り、自分たちの利権も脅かされることになる……。

イックと一緒に一旗揚げたいターボは、彼のために秘所にリンゴの刺青があるという当たりクジの娼婦、ヨーヨー(リン・ユアン)を探し出すが、ボスのトウ(チャップマン・トウ)がイックに渡した武器は拳銃ではなくナイフ。イックは不安と悲壮な決意を胸に、一目で惹かれていたヨーヨーを荒々しく抱く。一夜の関係で終わりたくはない。だが、ヨーヨーは多額の借金を抱える身だった。

パーティーの最中、ホンは妻エミリー(ウー・チェンリェン)が息子を出産したという報せを受け、レフティと病院へ向かう。父親になり感慨深げなホンに、レフティは「ニュージーランドへ移住しろ」と引退を勧める。思いがけない言葉にとまどうホン。黒手袋をしたレフティの右手は二人の友情の証だが、一緒に戦った日は遠い過去。果たしてレフティは、守るべきものができたホンの身を案じているだけなのか?
 それとも、彼こそが暗殺計画の黒幕なのか?

イックはボスからの謝礼を母に渡そうとするが、彼が亡き父と兄と同じ運命を辿らないことを願う母は、その金で銃を買うように言う。兄が罠にかけられたとき、無謀にも加勢しようとしたイックを必死で止めたのはターボだった。イックはターボの助けを借りて荒っぽいやり方で銃を手に入れると、金をそっくりヨーヨーに渡し、さらに手当たり次第に強盗を働いて金を作る。ヨーヨーは心を動かされ、「必ず戻ってきて」と泣きながらイックに約束させる。

ホンとレフティは、レフティが買い取った二人の思い出のレストランでテーブルにつく。ホンは敵を一家皆殺しにするレフティのやり方を批判するが、3人のボスを危険視していたレフティは彼らを一掃するべく、すでに子分たちを送り出していた。しかし、一人目のボスが家族もろとも殺された後、他の二人は間一髪でホンの子分に保護される。一人を見せしめにし、残りを許して救う。それが賢明なやり方だ。ホンはまた、レフティの母親をもエミリーのもとに保護していた。

イックとレストランで食事中に、ターボは自分たちを探す敵の姿に気づき、囮になる。右手を潰されてもイックをかばい続けるターボ。そこへ駆けつけ、発砲しまくるイック。ターボは弾の切れた銃で瀕死の敵を殴り、家族を皆殺しにするために住所を聞き出す。
ホンはレフティに言う。「妻子を守ってこそ真のボスだ。俺を殺せる者がいるとしたら、お前だけだ」と。レフティはようやく自分の間違いに気づく……。
外は雨。ホンに傘を差し掛け、一緒に歩きだすレフティ。ナイフを手に標的に向かっていくイック……。二組の男たちの運命が雨の中で交わる。

スタッフ

製作総指揮:アラン・タム
      アンディ・ラウ
製作:エリック・ツァン
監督:ウォン・ジンポー(第24回香港電影金像奨 新人監督賞)

キャスト

(ホン):アンディ・ラウ
(レフティ<左手>):ジャッキー・チュン
(イック):ショーン・ユー
(ターボ):エディソン・チャン
(エミリー):ウー・チェンリェン
(ヨーヨー):リン・ユアン
(トウ):チャップマン・トウ 

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