原題:The Producers

2005年12月26日全米公開

2005年/アメリカ/カラー/134分/ 配給:ソニー・ピクチャーズエンターテインメント

2007年06月22日よりDVDリリース 2006年10月04日よりDVDリリース 2006年4月8日、日劇1系ほか全国ロードショー

公開初日 2006/04/08

配給会社名 0042

解説


最低のミュージカルこそ、最高のチャンスなる!?
逆転の発想で、ツキを呼び込むプロデューサーの”最低”をプロデュースする!?それが彼らのお仕事。
一晩で大コケする史上最低なミュージカルを作り、その製作費200万ドルを持ち逃げしようと企む落ち目のプロデューサー・マックスと、小心者の会計士・レオ。ある日、マックスの帳簿を調べにやって来たレオが、<出資者から製作費を集める→1晩でショウがコケる→出資者に配当金を払わなくてすむ→プロデューサーが儲かる>という失敗作で大儲けする方法を大発見したことから彼ら利害は一致。マックスは大金を、レオはプロデューサーになる夢を実現するため「最低の脚本」「最低の演出家」「最低の出演者」を集めるが・・・。”最低”をプロデュースするため奮闘する彼らのお仕事ぶり、ショウビズ界の裏側もふんだんにちりばめ描かれる極上のエンタテインメント。

トニー賞12部門、史上最多受賞のブロードウェイ・ミュージカルが完全映画化。
あの『オペラ座の怪人』『シカゴ』ですら獲ることができなかったトニー賞12部門を、2001年に史上最多受賞したブロードウェイの最高峰に君臨する伝説のミュージカルがついに映画化。ブロードウェイで4年9カ月、ロンドンで1年2カ月のロングラン・ヒットを続けているミュージカルの真髄を、丸ごと味わせてくれる本作のオリジナルは、メル・ブルックスに、アカデミー脚本賞をもたらした1968年の傑作映画。これを、ブルックス自身の脚本と作詞・作曲でミュージカル化したブロードウェイの舞台は、2001年4月19日に開幕。たちまち半年先までチケットが完売するほどの評判を呼び、映画化の話が浮上。メル・ブルックスの熱い要望に応え、ブロードウェイの舞台版で、演出・振付を担当し、トニー賞に輝いたスーザン・ストローマンが初メガフォンをとり、舞台のライブ感をダイレクトにスクリーンに移行させ、大幅なスケールアップをはかったのが、今回の映画化作。製作、脚本、作詞・作曲は、もちろんメル・ブルックス。今回の映画化にあたって、彼は2曲の新曲を書き下ろしたが、そのうちの1曲”There’s Nothing Like a Show on Broadway”は、ゴールデン・グローブ賞の主題歌部門にノミネートされた。
ブロードウェイとハリウッドの華やかな融合により誕生した奇跡のクオリティ。
トニー賞を受賞したブロードウェイの舞台に引き続き落ち目のプロデューサー・マックスを演じ、ゴールデン・グローブ賞の主演男優賞にノミネートされたのは、ブロードウェイが誇るスーパースターのネイサン・レイン。彼のために書かれたショウ・ストッパー”Betrayed”の巧みな歌いっぷりと、ショウビズ人間のしたたかさと悲哀が同時に滲み出る演技は、「キング・オブ・ブロードウェイ」の異名をとる彼ならではのものだ。対する小心者の会計士・レオの役には、やはり舞台でレオを演じたマシュー・ブロデリックが扮し、独特の飄々とした個性を光らせる。『ステップフォード・ワイフ』などの映画スターとして知られる彼だが、実は演劇界でも「ミスター・ブロードウェイ」と呼ばれる人気者。20人のコーラス・ガールを従えた”I Wanna Be a Producer”のナンバーでは、その名に恥じない堂々とした歌とタップを披露する。脇を固める役者陣にも、最強の顔ぶれがそろった。ネイサン&マシューと同様、舞台と同じ役で出演し、息ぴったりのコンビぶりを見せるのは、ドレスの似合う演出家ロジャーに扮したゲイリー・ビーチと、アシスタントのカーメンに扮したロジャー・バート。さらに舞台オリジナルのキャストに加えて、『奥さまは魔女』のウィル・フェレルが、最低の脚本の作者フランツ役で登場。ドイツ訛りの2曲のナンバーを歌い踊る大熱演を見せ、ゴールデン・グローブ賞の助演男優部門に初ノミネートされた。もうひとり、この映画でミュージカル・スターの魅力を開花させたのが、女優志望のスウェーデン娘ウーラに扮したユマ・サーマンだ。発声の猛特訓を積んでミュージカル・シーンに挑んだという彼女は、オーディション・ナンバーの”When You Got It, Flaunt It”で、セクシーぶりを発揮。また、レオとウーラのロマンスの芽生えを物語る”That Face”のナンバーでは、マシューを相手に、アステア&ロジャースばりのうっとりするようなダンスを見せてくれる。まさにブロードウェイとハリウッドの華やかな融合が生んだ奇跡のクオリティの「芸」と「技」が贅沢に披露されている。

ストーリー



 1959年のニューヨーク。マックス・ビアリストック(ネイサン・レイン)は、かつてブロードウェイの王様と謳われた大物の演劇プロデューサー。だが、その栄光は消え去り、いまの彼は、老婦人たちから小切手をせびりとって暮らしている。新作ミュージカルの『ファニー・ボーイ』も、初日=楽日という体たらくだ(”Opening Night”)。
 そんなマックスのオフィスに、ある日、会計士のレオ・ブルーム(マシュー・ブロデリック)が、帳簿を調べにやって来る。彼がマックスの帳簿の中に発見したのは、<出資者から金を集める→ショウがコケる→出資者に配当を払わなくてすむ→プロデューサーが儲かる>という、ショウ・ビジネスの摩訶不思議なカラクリだった。それを聞いて、バーコード頭に電球がともるマックス。200万ドルの出資金を募り、失敗確実のショウを上演すれば、丸ごと200万ドルが手に入るじゃないか! 久々の儲け話にすっかり勢いづいたマックスは、その世紀のたくらみにレオを荷担させようと口説きまくる。が、安心毛布の切れ端が手放せない小心者のレオは、「ショウが成功すれば詐欺罪で刑務所行きです」と言い張り、シッポを巻いて逃げ出してしまう(”We Can Do It”)。
 しかし、職場の会計事務所に戻ったレオは、思い直す。朝から晩まで他人の金を数えて過ごす自分の人生こそが、刑務所暮らしと呼べるのではないか、と。かくしてマックスの元に舞い戻ったレオは、子供のころから憧れていた演劇プロデューサーになる夢をかなえるべく、マックスとコンビを組むことを承諾する(”I Wanna Be a Producer”)。
 さっそく史上最低のショウの準備にとりかかるふたり。第一歩は、史上最低の脚本を探すことだったが、まもなくとんでもないお宝がみつかった。ナチス信奉者のドイツ移民、フランツ・リーブキン(ウィル・フェレル)の書いた『春の日のヒトラー』が、それだ。マックスとレオは、契約を結ぶため、フランツが鳩たちと暮らす下町のアパートへ。フランツに取り入るべくヒトラー総統お気に入りの歌を合唱し、総統の魂に忠誠の誓いをたてるという、ユダヤ人にとっての屈辱的な試練に耐えたあと、ようやく契約書へのサインをモノにする(”Der Guten Tag Hop-Clop”)。
 次のステップは、史上最低の演出家と見込んだロジャー・デ・ブリー(ゲイリー・ビーチ)を口説き落とすことだった。「ショウは楽しくなきゃ」をモットーにするロジャーと、アシスタントのカルメン(ロジャー・バート)は、脚本がマジすぎる(!)と言って断るが、「トニー賞が取れるかも」というマックスの甘い囁きにのせられて陥落。さっそく演出プランを語り出したロジャーの口から、ハードゲイなドイツ兵のダンスのアイデアが飛び出すのを聞いたマックスは、「大失敗間違いなし!」と、ほくそ笑むのだった(”Keep It Gay”)。
 マックスとレオがオフィスへ戻ったところに、スウェーデン娘のウーラ(ユマ・サーマン)が現れた。カースティング(キャスティング)にやって来たという彼女は、ふたりの前でセクシーな歌とダンスを披露(”When You Got It, Flaunt It”)。思わず下半身がスタンディング・オベイションしてしまったマックスは、『春の日のヒトラー』に彼女を出演させると約束。さらに、秘書/受付係として、ウーラを雇う。
 いよいよ資金集めにとりかかる時がやって来た。一張羅の赤いスーツに身を固め、愛に飢えた老婦人たちを口説いて200万ドルをかき集めるマックス(”Along Came Bialy”)。いっぽう、オフィスでウーラとふたりきりになったレオは、思いがけず彼女といいムードになる。ウーラの胸に顔をうずめ、愛のデュエットを踊った彼に、もはや安心毛布の切れ端は必要なかった(”That Face”)。
 ヒトラー役のオーディションの日。マックスとレオは、史上最低の俳優をキャスティングしようと会場に乗り込んで行くが、なかなかピッタリの俳優がみつからない。そんなふたりのかたわらからステージに躍り出て行ったのが、脚本家のフランツだった。役者たちに手本を示そうとした彼のパフォーマンスを見たマックスは、ついに自分たちのヒトラーをみつけたと大喜びする(”Haben Sie Geh?rt Das Deutsche Band?”)。
 そして迎えた『春の日のヒトラー』の初日。劇場前に集合したロジャーたちが、ショウビズ初心者のレオに、「幸運を」と言う代わりに「脚を折れ」と言うギョーカイの常識を説明していると、楽屋入りしようとしていたフランツが階段から転落し、本当に脚を折ってしまう(”You Never Say Good Luck on Opening Night”)。
 このままではショウが中止になり、200万ドルのネコババ計画もパァになってしまう……

*は映画のオリジナル曲。

スタッフ

監督:スーザン・ストローマン
脚本:メル・ブルックス、トーマス・ミーハン
プロデューサー:メル・ブルックス、ジョナサン・サンガー
撮影:ジョン・ベイリー、チャールズ・ミンスキー
編集:スティーヴン・ワイズバーグ
美術:マーク・フリードバーグ

キャスト

ネイサン・レイン
マシュー・ブロデリック
ユマ・サーマン
ウィル・フェレル
ゲイリー・ビーチ
ロジャー・バート
アイリーン・エッセル
マイケル・マッキーン
デヴィッド・ハドゥルストン
デブラ・モンク
アンドレア・マーティン
ジョン・ロヴィッツ
ブリン・ダウリング/メグ・ギレンタイン
ケヴィン・ライゴン
レイ・ウィルス
マリリン・ソコル
ブラッド・オスカー
トリー・ロス
ブレント・バレット
ピーター・バートレット
ジム・ボーステルマン
キャシー・フィッツジェラルド
ジェイ・ロドリゲス
マイク・ジャクソン
キース・キュール
キース・ラメル・トーマス
ローランド・ルジニック
ジム・ボーステルマン
ジェイソン・アントゥーン
マデリン・ドハティ
ジョナサン・フリーマン
マイク・マッゴワン
ティモシー・ギュラン
パトリック・S・ブレイディ
ジョン・バロウマン
マイケル・マコーミック
スーザン・フレッチャー
マイケル・トーマス・ホームズ
ロン・キャロル
ルース・ウィリアムソン
ジョン・C・ヴェネマ

フレッド・アップルゲート
ジェリー・リチャードソン
ティモシー・シュー
ダニー・マストロジョルジォ
リチャード・カインド
ナオミ・カキューク
トーマス・ミーハン
ブライアン・ロガルスキ
ジミー・スマグラ
ジェームズ・バイベリ
メル・ブルックス

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