一編の詩からよみがえる、20年前の切ない記憶

リージョナル・フィルム・フェスティバル2004正式出品作::http://www.riff.jp/

2005年/日本/カラー/133分 配給:「聞こゆるや」制作委員会

2005年6月11日から7月8日、シネマアートン下北沢にてロードショー

公開初日 2005/06/11

公開終了日 2005/07/08

配給会社名 0618

解説



少年は、自分の瞳で世界を真っ直ぐに見ていたかった。
少女は、世界を誰かと分けあっていたかった。
ただ、それだけだったのに。
次の季節への急ぐ風に背中を押されていつのまにか手を離してしまっていた。
あの遠い夏の日に。

画面を彩る美しい熊本の風景の数々に、
オーディションで選ばれた熊本県民キャストのみずみずしい演技。
あなたの胸の奥に眠る腕時計をほんの少しだけ巻き戻して、
貴方だけの懐かしい風景とひととき出会って観てください。

ストーリー



200×年夏、熊本。
「私」は20数年ぶりに故郷に帰ってきた。高校生の時に離婚した父親の墓参りをするために。しかし、それだけではなかった。久しぶりの帰郷には、もうひとつ大きな目的があった。
 方言が心地良く耳に響く、市電が走る懐かしい風景。思わずタクシーを降りて市電に乗ってみる。デザインは変わってしまったけれど、シートに腰を沈めると、まるできのうのことのように高校時代の「私」にもどることができた。
 甘酸っぱい思い出が去来する。頭の中では走馬灯のように思い出が駆け巡る。あまりにも長い時間がたってしまっていた。しかし、どうしても忘れることが出来ないあの夏の日々に決着をつけなければ、そのために「私」は熊本に帰ってきたのだ…
 
198×年夏、熊本…。
高校3年になった慎一は、青春真っ只中にいた。サッカー部で泥と汗にまみれてボールを追う一方、詩を作る感受性も持ち合わせる、純粋でちょっとシャイなところのある少年である。
 慎一には気になる少女がいた。毎朝、自転車で通学する慎一の目を釘付けにしたのは、市電の中で見かける他校の女性とだった。男なら何とかせにゃ。慎一はありったけの勇気を振り絞り、彼女に手紙を手渡した。
 慎一の思いは通じた。2人は交際を始める。愛用の赤いブリジストン・ロードマンに彼女を乗せて疾走する慎一。青春がはじけ、希望が広がっていた。
 つかの間の幸せな時間………。
 少女両親の離婚という自分ではどうにも出来ない流れの中で悩み苦しんでいた慎一に不安な気持ちを打ち明けることで、2人の心の距離は縮まって言ったが、それとは裏腹に、少女は熊本から遥かに離れた埼玉に引っ越すことになった。
 一方、慎一も幼なじみの自殺を目の当たりにして、人生のはかなさを味わっていた。そんな時、不思議な桃売りの男剛志といろいろなことを語り合った.自分の望む未来とは何かを模索していた。
 そして、運命の花火大会の夜、慎一と剛志は、最終の市電に乗っていた.その市電の中である事件は起こった。見てみぬふりをして、何もしない大人たちそれを許せない慎一。純粋であるがゆえの行動が、慎一の未来を大きく狂わせて行く…。

スタッフ

監督・脚本・編集・プロデュース:山田 武
プロデュース・音楽:藤本恭子
クリエイティブプロデューサー:萩原朔美
製作:河津秋敏
   羽鳥 昭
企画・製作:Ryun(リュン)
撮影:山野道郎
   龍 賢治
   山田 武(撮影日程順)

照明:片岡永維
   藤田 茂
   廣瀬広幸
   稲津 武
   益田和昌(撮影日程順)

録音:臼井 勝
   相川和博(撮影日程順)

ビデオエンジニア:山本 稔
         田中千秋
         古賀康隆(撮影日程順)
美術:善養寺満
霧の彫刻:中谷芙二子
衣装:山野蕗子
特殊メイク:柄本優子(メイクアップディメンションズ)
ヘアメイク:小林真之
      山本和美(撮影日程順)
アシスタントプロデューサー:和田敏郎
              柴田悦宏

キャスト

石田えり
熊本県民キャスト
山田武
和栗由紀夫
萩原朔美
松重豊
常田富士男

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