原題:Clara et moi

2004年6月30日フランス公開

2004年/フランス/カラー/90分/ 配給:エレファント・ピクチャー

2005年8月27日、bunkamuraル・シネマにてロードショー

公開初日 2005/08/27

配給会社名 0244

解説


ひょうひょうとパリを闊歩しているように見えるアントワーヌだが、近頃孤独の変えを隠せない。そんなある日、地下鉄でクララに出会う。美しく、自由で、寛容な女性。たちまち恋に落ちるアントワーヌ。しかし、人生はそれほど、シンプルではない。クララは不治の病に冒されていた。アントワーヌは、彼女の傷ついた心を受け止めることができるのか…あまりにも切ないラブストーリー。

電車で、恋した女性への臆病な恋愛模様をリアルに綴り社会現象になった「電車男」、人気作家江国香織が描くもてない兄弟の恋物語「問宮兄弟」。

いま、30代の男性の切ない恋心を描いた作品が注目されている。「メトロで恋して」の、主人公アントワーヌも、とても恋に臆病。それゆえ自分の恋心に素直になれない。挙旬の果てに、彼女が病気になったときにも彼女との一生を決断できない。一年後、アントワーヌは「クララを心底愛していて、彼女のすべてを受けいれたい」という自分の本当の気持ちに気づくのだが…。

パリのメトロで出会った二人の初デートの待ち合わせはオデオン広場、恋を語らうのは初秋のチュルリー公園、クララのバイト先はTGV。そしてアレクサンドル・ジャルダン「恋人たちのアパルトマン」はクララの愛読書。思わず恋したくなるシチュエーション。音楽は、今フランスでもっとも注目されせいるバンジャマン&キアラのセレブ・カップル。仲間のベノレトラン・ブルガラの楽曲をアレンジしたり、最高のフレンチポップスが楽しめる。監督・脚本は、本作でデビーを飾る新鋭アルノー・ビアール。俳優でもある彼の自伝的作品だ。アントワーヌには、繊細な魅力のジュリアン・ボワスリエ、クララには、気品と寛容さを併せもつ『君が、嘘をついた』のジュリー・ガイエ。フランスの若い才能が結集し、瑞々しい感受性で、いまを映し出した。

ストーリー

パリ、8月。メトロで、運命の恋が始まることを誰も知らない…男はアントワーヌ、32歳うれない俳優、モンパルナス在住。女はクララ、28歳、作家の卵、TGVでウエイトレスのバイト中。ふたりは、地下鉄で電撃的に出会う。

アントワーヌは思った「清楚で、綺麗で、やさしそうな微笑は、まさしく僕の理想の女性だ。しかし、ここは地下鉄だ。下手にナンパしては彼女に即嫌われるだろう…スマートに、ユーモラスに、焦っちゃダメだ。そうだノートに質問を書いて選んでもらう手はどうかな」

お茶でも?
1、具体的に
2、鏡見た?
3、誘おうと思ってたの?

彼女は、微笑みながら、彼に電話番号を教えた。ふたりにとって生涯最高の日が訪れた。ふたりのありきたりの人生に光が差し込んだかのように。彼は、33歳の誕生パーティを友人たちに開いてもらう。概婚者は子供のことを話し、独身者は恋の相手を探す。姉から、両親との仲直りをすすめられ。憂欝になる。クララに電話をかける。

彼女は、懸命に話す彼に好感を持つ。「オデオン広場でデート」を約束した。彼女は、ピンクのホノレダーネックのカットソーを上品に着こなしていた。彼は、興奮して「君にもうキスしたくなった」といきなり告白するも、彼女は、幸いにも軽く流して、歩き出す。

夜のセーヌ河岸。「踊らない?」と彼女は言う。彼女の自由さ、寛容さに、どんどん惹かれていく彼。その晩、彼のアパルトマンで、夜通し愛を交わしたのは言うまでもない。翌日から、彼女はバイト帰りの制服のまま、彼の部屋へ直行し、服を脱ぐのももどかしく、愛し合う日々が始まる。

オーディション不合格。彼はブノレーな気分のまま彼女とのデートヘ向かう。彼女はいつもどおり、本を読みながら待っている。いらだつ彼に、彼女はいつもどおり「バカね」と言い、微笑む。

その夜、ベッドで、彼女は「アントワーヌ、大好きよ」と、ストレートに告白する。彼は応じられず、話を変える。翌朝、彼は親友のBTとジョギング。「クララに、ほれてる」。BTには言えるのに。

カフェ。アントワーヌの姉は、「弟は自分の話しかしないの」とクララに話す。ややむっとするアントワーヌ。クララはいつものように、彼に寛容な微笑を与える。

BTの紹介で、彼女はテレクラのバイトをする。彼は不機嫌で、彼女に悪態をつく。その夜、ベッドで読書中の彼女の本「恋人たちのアパルトマン」を、奪い取り窓から投げ捨てる。その行為に、彼女は初めて怒りを口にした。

「顔が笑っていても、心が傷つくこともあるの」彼は、その瞬間、彼女は大切な女性だと、心底思った。

クリスマス。彼は、姉に両親と和解するつもりだと打ちあける。「ぼくが見つけた女性です」と彼女を紹介したい、と思ったのがきっかけだった。結婚に向け、健康診断を受けるふたりに、残酷な運命が待ち受けていた。彼女は再検査になり、HIVを宣告されるのだった…

スタッフ

監督・脚本:アルノー・ビアール
音楽:バンジャマン・ビオレー

キャスト

ジュリアン・ボワセリエ
ジュリー・ガイエ
ミシェル・オーモン

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