原題:Tarnation

僕から母レニーへ、魂の告白(ラブレター)。

サンダンス映画祭正式出品 カンヌ映画祭正式出品 東京国際映画祭正式出品

2004年10月8日全米公開

2003年/アメリカ/カラー/ドルビーSR/88分/ 配給:日本ヘラルド映画

2006年05月26日よりDVDリリース 2005年8月6日 渋谷シネ・アミューズほかロードショー

公開初日 2005/08/06

配給会社名 0058

解説


カンヌが熱狂 サンダンスが絶賛
アメリカ映画評論家支持率92%
100を超える全米映画評論家が2004年ベスト10に選んだ衝撃作

【僕から母レニーへ魂の告白(ラブレター)】
ターネーション=天罰・破滅…。これは31歳になるまでジョナサンが辿ってきた人生の軌跡。母の愛情と精神病の板挟みに合い、ゲイであるセクシャリティと愛情、アメリカの家族のあり方、蓄積してきた自身のカルチャー史の集大成にして、息子から母親への苦悩を超えたラブレター。真実のドキュメンタリーはどんなフィクションよりも強く心を動かす。

【家族の断絶、深い絆—切っても切れない家族の繋がり】
ここまで赤裸々な告白がかつてあっただろうか。限りなくパーソナルなこの映画は、極度の精神分裂的症状の治療やドラッグに苦しむ母親レニー・ルブランと、そんな激烈な家庭環境で育った息子ジョナサンの身を削るような愛の物語だ。壮絶に苦しみながらも、なお家族という深い絆で結ばれている二人を見ていると、もう一度、家族、血の繋がりというものについて考えさせられる。その生い立ちは、ドラッグ常用者の実母に翻弄されて育った作家JT・リロイの母親との愛憎関係とも重なるようで、新たなカルチャー・アイコンの誕生を告げている。

「エレファント」「マイ・プライベート・アイダホ」のガス・ヴァン・サントと、「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」のジョン・キャメロン・ミッチェルが発掘した新たな伝説

【超強力サポーターに、ジョン・キャメロン・ミッチェル、ガス・ヴァン・サント!】
ジョン・キャメロン・ミッチェルの新作映画の俳優オーディション用に送ったビデオからジョン・キャメロン・ミッチェル、そしてガス・ヴァン・サントに見出され、映画完成に至ったというアメリカン・ドリームを果たしたジョナサン・カウエット。この掟破りなシンデレラ・ストーリーは名だたる映画人たちの、映画製作への初期衝動を揺さぶるに違いない。

【伝説の制作費$218.32!新たなカルチャー・アイコンの登場】
映画制作に新時代がやってきた!編集にiMovieを用い、218ドルという超低予算でありながら、そこに込められた魂の叫びは観る者の胸を激しく打つ。個人の家庭用ツールでここまでできるようになった時代を象徴する作品であり、今後の若い作家たちへの希望をなるだろう。

2大監督による発掘、映画祭の熱狂、全米での大ヒット
無名の作品が手にした“アメリカの成功”

【「ターネーション」旋風到来!!新しいシネマ・スタイルにアメリカ騒然!サンダンス、カンヌ、世界の映画祭が震撼!】
新鋭ジョナサン・カウエットの「ターネーション」は、「華氏911」「スーパーサイズ・ミー」をしのぐ、ドキュメンタリー映画の最新型と、世界中で大絶賛され、アメリカでスマッシュ大ヒットを生んだ。それは自身の過去、現在、未来、また血と細胞と涙を編集したハイパー・ホーム・ムービーの誕生を告げ、観客を感動させ、一躍マスコミの寵児となった。

ストーリー


僕から母レニーへ魂の告白(ラブレター)

11歳から撮りためた膨大なフィルムと写真、あらゆる素材で描く壮絶な自分史。
「華氏911」「スーパーサイズ・ミー」をしのぐドキュメンタリーの最新型

【ジョナサン前史】
ジョナサンの人生は彼が生まれる前からすでに始まっていた。1951年に結婚し、テキサス州南東部に位置するヒューストン郊外で、いわゆる中産階級の暮らしを謳歌していた彼の祖父母アドルフとローズマリーは、一人娘レニーを授かる。レニーはその美しさ、愛らしさから近所ばかりかたまたまその地に訪れていたフォトグラファーに見出され、モデルとして活躍する。そしてジョナサンの父親との運命的な出会いにより二人は結婚。しかし、いつの間にか、精神病という暗い影が彼女に忍び寄る。身体的な麻痺と精神分裂病と診断され、2年間に及ぶショック療法が症状を更に悪化させ、彼女の人生を変えてしまう。だが彼女の唯一の救いは息子ジョナサンを授かったこと。楽しかった家庭は崩れ去り、父は母に暴力をふるうようになり、家族を去った。

【母親の愛と自らの精神バランス】
誰にも侵す事の出来ないレニーとの強すぎる絆は、時として子供の心を傷つけ、やがてジョナサンもその“個”を喪失するに至る。診断名、離人症。精神病院への入退院を繰り返す母、里親から受ける身体的虐待、子育て放棄に遭遇し、ジョナサン自身も、心と体の分裂という苦悩を味わうようになるのだった。体と精神のバランスまで失いながらも、ゲイの仲間と出会い、音楽や映画という創造の世界へ現実逃避することでしか折り合いを付けられなくなるジョナサン。こうして彼は、次第に地元のアンダーグラウンド。ムービーの世界や、舞台ミュージカル、更にはオルタナティヴ・ゲイ・カルチャーの世界に没頭していく。全ては循環し、自分に還ってくるというが、ジョナサンは家族の呪縛を断ち切れるのだろうか。

【夢の街、ニューヨークへ脱出】
自分の身を守るために、母親と距離をおくべく、ジョナサンは映画やミュージカルで憧れたニューヨークへ逃げるように移り住む。そこでボーイフレンドのデヴィットと安住の地を築き、B級ホラー、ミュージカル、ゲイ・カルチャーに夢中になりながら、心の自由を獲得する。それはジョナサンにとって初めての喜びだった。
その頃、リチウムの過剰摂取により症状が悪化した母。レニーとの絆は、離れて暮らすもののさらに深まっていき、ジョナサンは、あらゆる犠牲、哀れみを強いられる。

【テキサスへの期間、母親の呪縛と昇華】
ある日、ジョナサンは母親が精神病治療に使われるリチウムの中毒に陥ったという報せを受け、ニューヨークからテキサスへ帰還する。BFとの穏やかな日々を捨て、母親を引き取ることにした瞬間から、愛しくも忌まわしい記憶へ再び戻ることに。かつてモデルとして写真におさめられた美しい面影は消え去り、精神バランスを崩し一時も目を離すことができない母親に付きっきりの日々。そんな中で、梅雨の季節の突然の陽光のように訪れる平穏な時間と続く苦悩、そして献身的に支えるBFの痛ましいまでの愛が重なり合い、母と息子は互いに傷つきあい、すれ違いながらも前進する。

【未来への希望】
悪い日もあれば、いい日も…。ジョナサンとその家族は、不幸こそ経験したが、そこには常に愛情があったことを再確認する。母と息子の、そして今なお安らぐことのないアメリカの魂の、未来への希望がふりそそいでいるのだ。

スタッフ

監督・脚本・編集:ジョナサン・カウエット
エグゼクティブ・プロデューサー:
ガス・ヴァン・サント、ジョン・キャメロン・ミッチェル

キャスト

ジョナサン・カウエット
レニー・ルブラン
デヴィット・サニン・パス
ローズマリー・デイヴィス
アドルフ・デイヴィス

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