原題:Modigliani

2004年/フランス・イギリス・イタリア合作/2時間6分 配給・宣伝:アルバトロス・フィルム

2006年01月07日よりDVDリリース 2005年7月9日から、シャンテシネ他にて全国拡大ロードショー

公開初日 2005/07/09

配給会社名 0012

解説


パリ、モンパルナス−カフェ“ラ・ロトンド”に集った若き芸術家たち。
これはすぐれた才能と高慢さ、情熱ゆえにお互いへの羨望と賛美を募らせた若き芸術家たちの知られざる青春物語であるとともに、悲劇的な最期を遂げた天才画家モディリアーニとその妻ジャンヌの、美術史上最も情熱的で壮大な愛の物語である。

長い首の独特のフォルム。どこか淋しげな面差しに、印象的な瞳。モディリアーニの描く絵画の中の女性たちは、悲しんでいるようにも微笑んでいるようにも見える。この映画の舞台は1919年のパリ、モンパルナス。カフェ“ラ・ロトンド”には天才芸術家たちが一同に会していた。パブロ・ピカソ、ディエゴ・リベラ、ガートルード・スタイン、ジャン・コクトー、ハイム・スーチン、モーリス・ユトリロ、モイーズ・キスリング・・・そしてアメデオ・モディリアーニ。彼らはその才能、情熱、傲慢さをぶつけ合いながらも互いを崇めあい、後世に語り継がれる奥深い芸術文化を築いていた。酒と麻薬に明け暮れたボヘミアンの天才画家モディリアーニは、貧困にあえぎながらも自分の芸術を忠実に完成させようと、もがき苦しんでいた。そんな彼を献身的に愛し、最期まで寄り添っていたのがジャンヌ・エビュテルヌである。彼女はモディリアーニの死の翌々日、お腹の中に新しい命を宿したまま投身自殺を図ったのだった。この2人の愛の結末は、美術史上もっとも衝撃的で、哀しい物語となった。

エコール・ド・パリを彩る豪華キャストの競演

悲運の天才画家モディリアーニを繊細かつダイナミックに演じるのは、『ゴッド・ファーザーPARTⅢ』でアカデミー助演男優賞にノミネートされた演技派アンディ・ガルシア。『ロルカ、暗殺の丘』では天才詩人フェデリコ・ガルシア・ロルカを演じた彼が今度は伝説の画家アメデオ・モディリアーニに挑戦し、その渾身の演技はカンヌ映画祭をはじめ各国で大絶賛を浴びた。企画段階より出演を即決したアンディはエグゼクティブ・プロデューサーとしても名を連ねている。そしてモディリアーニの最愛の女性であり、最期の伴侶として短い生涯を終えたジャンヌ・エビュテルヌを演じるのはフランスの実力派女優エルザ・ジルベルスタイン。まるでモディリアーニの絵から抜け出てきたかのような脆さ、哀しさ、美しさをその瞳にたたえ、愛に生きる献身的な女性を熱演した。モディリアーニのライバルであり、尊大なる成功者であるパブロ・ピカソ役にはイギリスで成功をおさめたイラン人俳優オミッド・ジャリリが扮し、その妻オルガにはチェコから彗星のごとく現れ、数々の雑誌のカバーを飾るスーパー・モデル、エヴァ・ヘルツィゴヴァが抜擢された。パリのデカダンスをスタイリッシュに体現し、物語に華やかさを添えている。貧しくも共に夢を追い続けた芸術家ユトリロには『イヴォンヌの香り』のフランス人俳優イポリット・ジラルド、そしてドイツ生まれの個性派俳優ウド・キアがモディリアーニの良き理解者であり友人でもあった詩人マックス・ジャコブを演じるなど、グローバルで多彩なキャストが脇を固める。監督は脚本家として数多くの作品に携わってきたスコットランド出身のミック・デイヴィス。幼い頃から興味があったというモディリアーニの生涯を、10年以上あたためて脚本を書いた。今後はライアン・フィリップがドリアン役を演じる“Dorian Gray”、18世紀のバイオリン奏者ニコロ・パガニーニの生涯を描いた“Paganini”などの監督作品が控えている。

ストーリー


第一次世界大戦後の1919年パリ、モンパルナス。カフェ“ラ・ロトンド”には新しい芸術を生み出そうとするエネルギーが溢れ、画家、小説家、詩人そして女たちが毎夜集まり、酒を飲み煙草をくゆらせ議論をたたかわせていた。即興で描いた1枚のデッサンでカフェの客に酒を振舞う“成功者”ピカソと、絵の全く売れない“異端児”モディリアーニの姿もそこにあった。折しもパリの芸術家たちは年に一度の美術コンテスト“Salon des Artistes”の出品準備に追われていた。優勝者には多額の賞金と保障されたキャリアが与えられる。画商たちは今をときめくパリのアーティストたちの競演、特にライバル心をむき出しにするモディリアーニとピカソの一騎打ちを期待するが、当人たちはそれまでコンテストに出品したことはなかった。なぜならピカソは“ピカソ”であり、モディリアーニもまた“モディリアーニ”だったからだ。

数年前——。モディリアーニは美術学校でデッサンを学ぶ女学生のジャンヌ・エビュテルヌと出会い、恋に落ちる。モディリアーニはジャンヌをモデルに絵を描くが、完成したジャンヌの肖像に瞳は描かれていない。「本当の君が見えたら、瞳を描こう」と誓うモディリアーニ。ほどなくしてアトリエで一緒に暮らし始めた彼らの間に娘(彼女の名もまたジャンヌ)が生まれる。敬虔なカトリックであるジャンヌの父親はユダヤ人であるモディリアーニとの結婚に猛反対し、生まれた赤ん坊を彼らの手の届かない修道院に預けてしまう。精神的に打ちのめされ、経済的にも困窮する2人。追い詰められたモディリアーニにガートルード・スタインはコンテストへの参加を促す。

幼い頃から肺を患い、その健康状態が日に日に悪化していたモディリアーニは南仏ニースでの静養後、友人の手助けを得て生涯でただ一度の個展をベルト・ヴェイユ画廊で開く。華やかな場所で幸せそうに微笑むジャンヌ。しかし、喜びもつかの間、画廊の窓に飾った裸婦画がスキャンダルとなり、警察に撤去を命じられてしまう。さらに、会場にやってきたピカソに「君の絵を潰して、その上に自分の絵を描いた」と侮辱され、モディリアーニはライバルであるピカソに打ち勝つため、そして自分自身とジャンヌのためにコンテストへの出品を決意する。泥酔し雨に濡れたモディリアーニはラ・ロトンドになだれ込み、ピカソたちが見ている前でコンテストの参加者リストに自分の名前を書き込んだ。続いてピカソも立ち上がり睨み合いながら署名すると、固唾をのんで見守っていたカフェの客たちから大きな歓声が上がった。出品者リストに書き込まれた名前は、スーチン、リベラ、キスリング、ユトリロ、ピカソ、そしてモディリアーニ。パリは熱狂の渦に包まれた——。彼らの運命を左右するコンテストが始まる・・・。モディリアーニは白いキャンバスの前に立ち、最愛のジャンヌを描こうとしていた。今度こそ、その瞳を描くために・・・。

スタッフ

監督・脚本:ミック・デイヴィス
プロデューサー:ステファニー・マルチネス=カンポー、フィリップ・マルチネス、アンドレ・ジャウィ、アラン・レイサム
製作総指揮:アンディ・ガルシア
撮影:エマニュエル・カドッシュ
美術:ジャンティート・ブルキエラーロ
音楽:ガイ・ファーレイ
編集:エマ・E・ヒッコックス
衣裳:パム・ドーン
製作:バウアー・マルチネス・スタジオ、UKFSプロダクション

キャスト

アメデオ・モディリアーニ:アンディ・ガルシア
ジャンヌ・エビュテルヌ:エルザ・ジルベルスタイン
パブロ・ピカソ:オミッド・ジャリリ
オルガ(ピカソの妻):エヴァ・ヘルツィゴヴァ
マックス・ジャコブ:ウド・キア
モーリス・ユトリロ:イポリット・ジラルド

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