原題:pink ribbon

2004年/日本/カラー/118分/DVCAM 配給:アップリンク

2005年09月22日よりDVDリリース 2005年5月14日よりUPLINK Xにてロードショー

公開初日 2005/05/14

配給会社名 0009

解説


藤井謙二郎が監督・編集・撮影した『ピンクリボン』は、かつての日本映画界の「縮図」といわれるピンク映画の世界を、監督、プロデューサー、俳優、配給、興行関係者たちへの丹念なインタビューを通して描き、日本映画を支えるシステムとピンク映画の現在を白日のもとに表したドキュメンタリーである。
冒頭、黒澤清監督がかつて高橋伴明監督の紹介を受けて、デビュー作の『神田川淫乱戦争』を撮ったことを語るシーンがあるが、若松孝二、渡辺護、井筒和幸監督らが語るピンク映画の歴史は、まさに現代日本映画史の裏側といっても過言ではない。
小林悟監督の『肉体の市場』(1962年)に始まるといわれるピンク映画の歴史は、2005年には生誕43周年を迎える。数百万という低予算、平均3日程度の撮影日数、しかも35ミリフィルムによる撮影という過酷な状況で製作されるピンク映画は、日活ロマンポルノの誕生から衰退、ピンク映画最大の脅威であるアダルトビデオの普及を横目に見ながら、たくましく生き延びている。現在も年間90本もの新作を製作・公開し、日本映画の製作本数の約3分の1を占めるその存在は、驚異的と言うほかはない。今でも都市の一角に、ピンク映画上映館はしっかり存在しているのである。
プロデューサー、配給、興行関係者など、この映画では監督だけではなく、ピンク映画を支えてきた多くの人々の姿と、彼らの映画への「知恵と情熱」が記録されている。また気鋭のピンク映画の監督である女池充監督や池島ゆたか監督の撮影現場に密着し。その製作過程を丹念に迫っている。そこには、ピンク映画の「現在」の姿が生々しく映し出されている。
『≒森山大道』(2001年)でデビューした藤井謙二郎監督は、これまでの作品と同様に、丹念な取材と撮影によって、ピンク映画の隠れた歴史と現在の姿をクールに伝えながら、日本映画の構造を明快に浮かび上がらせている。

※作品タイトルは、ブルーリボン賞に対抗して1980年に設立され現在はもうない、ピンク映画に与えられる賞「ピンクリボン賞」に由来する。

ストーリー

スタッフ

監督・撮影・編集:藤井謙二郎

キャスト

黒沢清
高橋伴明
井筒和幸
女池充
池島ゆたか
吉行由実
若松孝二
渡辺護
足立正生
田尻裕司
林田義行
森章

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