2005年/日本/カラー/35㎜/1:1.66/82分/ 配給:ビターズ・エンド

2005年6月11日、新宿武蔵野館にてロードショー

公開初日 2005/06/11

配給会社名 0071

解説


守ってあげたい人がいることの喜びと幸福をやさしく描く、
ハートウォーミングな珠玉のものがたり。

ネットや携帯電話によって情報通達が簡単になったものの、心の結びつきはますます希薄になってゆく現代社会。だけどそんな世の中だからこそ、自分のことのように大切でいとおしいと思える誰かを、ほんとうは誰もが探している。親子ほど年の離れた晴男とチハルが出会い、徐々に心を通わせてゆく過程を詩情豊かに描く本作は、人と人とのつながりの大切さ、「守ってあげたい」と思える人がいることの喜びと幸福をやさしく語る。
観終えたあとはほんのり幸せな気持ちになれる——そんな珠玉の作品が誕生した。

2年ぶりの主演となる西島秀俊と、2年ぶりに復帰した片岡礼子が夢の共演!

2004年夏から2005年にかけての出演作が10本を超えるなど、今や日本映画に欠かせない俳優となった西島秀俊。北野武監督作『Dolls(ドールズ)』以来2年ぶりの主演作となる本作では、主人公・晴男を持ち前の透明な存在感と確かな演技力で好演。“大人になりきれない大人”晴男を、情けなくもいとおしい存在として魅力的に演じきった。
深雪を演じるのは、『ハッシュ!』で2001年度キネマ旬報主演女優賞と第45回ブルーリボン賞主演女優賞を受賞した片岡礼子。2002年1月に脳出血で倒れたが無事快復、本作で2年ぶりの復帰をはたした。晴男のかつての恋人である深雪を、謎めいた魅力たっぷりにシングルマザーの焦りと不安を垣間見せつつ熱演、2年のブランクをまったく感じさせない完全復活ぶりをアピールした。
それぞれ数多くの日本映画に出演している二人が初めて顔を合わせた本作では、息のあったコンビぶりを披露している。
そのほか吉行和子、高橋長英、光石研らベテランの演技派が脇を固めるほか、『ニワトリはハダシだ』で注目された子役・守山玲愛が愛くるしい表情と演技で観る者の心をなごませる。

俊英・萩生田宏治と優秀なスタッフが夢の結集

監督は『楽園』(98)で芸術祭テレビドラマ部門優秀賞を受賞し、TV「私立探偵濱マイク」シリーズ(02・NTV)の一編(第3話『どこまでも遠くへ』)を演出するなど、映画・TV・脚本と幅広く活躍する俊英・萩生田宏治。監督第3作目となる本作は2004年東京国際映画祭日本映画・ある視点部門に正式出品されたのをはじめ、フランスのナント三大陸映画祭、イランのファジル国際映画祭、韓国の全州映画祭といった海外の映画祭にも招待されており、彼独特の心に静かな余韻を残す繊細な演出力が国内外ですでに大きな注目を集めている。
萩生田監督と脚本を共同執筆し、プロデューサーも兼ねたのは『BeRLiN』『クロエ』などで監督を務め、俳優としても活躍中の利重剛。そのほか、撮影と照明を兼任する“映像”に伊藤寛(『カクト』)、録音に日本映画界屈指のベテラン技師・久保田幸雄(『父と暮せば』)、整音効果に菊池信之(『EUREKA』)、美術に吉田悦子(『MOON CHILD』)、音楽に今野登茂子(『クロエ』)と、実力派のスタッフが結集し、夢のコラボレーションをはたした。

ストーリー

再婚する母親の結婚式に出席するため帰省した晴男は、かつての恋人・深雪と偶然再会した。数年前に故郷を離れた彼女は、離婚して小学生になる娘を連れて戻ってきていた。かつて愛した女性・深雪のことをずっと忘れられずにいた晴男は、久々の再会に心を躍らせる。

「娘のチハルをあなたに会わせるから、明日うちに来て」と深雪に誘われ、翌日晴男がアパートを訪れるとそこに深雪の姿はなく、現れたのはランドセルを背負ったちいさな女の子・チハル。

ふたりで帰りを待つものの、深雪は一向に帰ってこない。晴男とチハル、ふたりのあいだに気まずい空気が流れるなか、家に置き忘れられた深雪の携帯電話のベルが鳴った。どうやら深雪は勤め先のスーパーを休んでいるらしい。深雪が突然いなくなった! 

晴男にはひとつ気がかりなことがあった。前の晩、別れ間際に深雪が「娘の名前はチハル。晴男くんの”ハル”。目元なんかそっくりよ」と言ったのだ。……まさか、ひょっとして、オレの子?

何がなんだか分からないけれどとにかく深雪を探そうと、晴男とチハルは二人でちいさな旅に出る。幼い子どもとどう付き合えばいいかはじめは戸惑う晴男だったが、いつしか二人は親子のような絆で結ばれてゆく——。

スタッフ

監督:萩生田宏治
共同脚本・プロデューサー:利重剛
撮影・照明:伊藤寛
録音:久保田幸雄
整音効果:菊池信之
美術:吉田悦子
音楽:今野登茂子

キャスト

西島秀俊
守山玲愛
片岡礼子
吉行和子
高橋長英
光石研

LINK

□公式サイト
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す