2004/日本映画/103分/DTSステレオ/ 配給:ファントム・フィルム、プログレッシブピクチャーズ

2005年11月23日よりデラックス版DVDリリース 2005年5月14日、シネクイントにてロードショー

(C)2004タナカヒロシのすべて製作委員会

公開初日 2005/05/14

配給会社名 0442/0508

解説


タナカヒロシとは…かつら工場に勤める32歳独身。会社では同僚や上司との付き合いもすこぶる悪く、プライベートでも無趣味。でもどこか憎めなく、実は意外とモテたりする。でも彼女はいない。一見すれば退屈な毎日を淡々と過ごしているが、彼の一番の望みはまさに誰にも干渉されず平々凡々と暮らすこと。ところが父親の急死を境に、彼の人生はジェットコースターのごとく急直下する。次々とツイてない出来事が彼の身に降りかかり、散々な毎日を過ごすハメに。しかしある出来事をきっかけに、今までの不運を振り払うべく、生まれてはじめて自らの意志である行動にでる。果たして彼の運命は…。

全てにおいて不器用な主人公タナカヒロシを演じたのは、その異様な風貌、過激な発言で世の中を挑発し続ける異能芸人、鳥肌実。本作品が初主演映画となるが、今までのイメージとは180度違うキャラクターを見事に演じ役者としてのその才能を見せつける。共演にはユンソナ、宮迫博之、高橋克実といったTV等でも活躍する人気者のほか、加賀まり子が久々にスクリーンに登場するのも見もの。また伊武雅刀、市川実和子、小島聖他各シーンで登場する豪華カメオ陣も見所の一つとなっている。

監督はこれが初監督作となり自ら脚本も手がけた田中誠。今の世相をユーモアを交えながら皮肉たっぷりに、どこか変な今の世の中を絶妙に描いている。

音楽はムーンライダースの白井良明が担当するほか、”コーヒー・ルンバ””これぞ恋”等の往年の昭和歌謡やクレイジーケンバンドの「シャリマール」がエンディング・テーマに、さらに大正九年やゴメス・ザ・ヒットマン挿入曲に起用されるなど、実にバラエティに富んだ選曲となっている。

ストーリー



 田中宏(鳥肌実)は32歳、カツラ工場に勤めるサラリーマン。会社では同僚や上司(高橋克実)との付き合いも断り、趣味も無く、恋人もいない。いつもお昼を買っているお弁当売り場の娘(ユンソナ)に笑顔で話し掛けられても無反応。また最近は会社の経営が悪化しており、給料もカットされてしまった。家に帰っても、両親から結婚しろといわれたり、愚痴をいわれてばかりで血尿まででる始末と、良いことが何一つ無い毎日を送っていた。しかし、宏はそんなことを気にすることもなく暮らしている。
 そんなある日、病気がちだった父親(上田耕一)が急死。この日から宏の人生は急転直下する。葬式に来た父親の会社の人事担当からは、父親の退職金は既に前払いで全額支払済みだといわれる。ローンの残る家を売り払い、新しい家を買った。
 新しい家の近所を散策していた宏は、道端で怪しい男(伊武雅刀)と出会う。そして男の主催する“テルミンと俳句の会”という怪しいサークルに参加するようになる。そこで宏は、同じサークル二酸化する飯島(市川実和子)という女性と仲良くなる。それを機に、それまで無趣味だった宏は、俳句に興味を持ち始める。
 そんな中、日頃から「うちは癌の家系だから」と口にしていた母親(加賀まり子)が、癌であることが発覚。医者からは全身に転移しているため治療は不可能と告げられる。
 やがて、母親も亡くなり、家族のいなくなってしまった宏。その上、“テルミンと俳句の会”の飯島といい感じになったのも束の間、彼女がレズビアンであることが発覚。また付け刃の俳句の知識も災いして、宏は振られてしまった。
 そこへ追い討ちをかけるように、屋根修理やシロアリ駆除の詐欺にカモにされてしまい、財政難に見舞われる。会社の税理士に相談すると、このままで行けば、宏の家計は3年で破綻すると宣告される。仕方が無いので、父親が唯一残してくれた財産である家を売り、賃貸のアパートに引っ越すことに。そこで母親の可愛がっていた猫のミヤコと暮らしていこうとした矢先、今度はミヤコが病気になってしまう。これ以上家族を失いたくない宏は必至で動物病院に走った。診察の結果、腎臓病と分かり、ミヤコを入院させることになった。帰り道、いてもたってもいられない宏は、動物病院に戻り、自分も泊まると言い出した。翌朝、どうにか持ち直したミヤコを病院に預け、宏が会社に電話すると、上司から会社が倒産したと聞かされる。宏が途方にくれていると、いつも通っていた弁当売りの娘とばったり出会う。
 お互いの身の上話をしながら歩いていた宏と弁当売りの娘。二人がビルの建設現場に差し掛かったとき、急に頭上から鉄鋼が落下してきた。果たして不幸続きの宏はどうなってしまうのか?

スタッフ

脚本・監督:田中 誠
プロデューサー:小椋悟・小澤俊晴
音楽:白井良明
挿入曲:「コーヒー・ルンバ」(西田佐和子)/「これぞ恋」(アイ・ジョージ)/
    「come Sta?メグロガワ」(さいたまんぞう)/「蘇州夜曲」(日吉ミミ)/
    「新開地から」(大正九年)/「RGB」(ゴメス・ザ・ヒットマン)
エンディング・テーマ「シャリマール」(クレイジーケンバンド)
製作:プログレッシブピクチャーズ・
   ジェネオンエンタテインメント・
   ヒューマックスコミュニケーションズ・
   バップ・ネルケプランニング・アリア・小椋事務所
企画・制作:小椋事務所・プログレッシブピクチャーズ 
オリジナルサウンドトラック:バップ  

キャスト

鳥肌実
ユンソナ
宮迫博之
高橋克実
市川実和子
小島聖
西田尚美
矢沢心 
南州太郎
日吉ミミ
宮崎彩子
島田珠代
小倉一郎
清水審大
芦川誠
手塚とおる 
昭和のいる・こいる
みのすけ
三宅弘城
榊英雄
鈴木みのる
寺島進
伊武雅刀
上田耕一
加賀まりこ

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