平和への願いを込めて今、あなたに伝えたい。

2005年/日本/カラー/ビスタサイズ/90分/ 配給:ルートピクチャーズ

2007年03月21日よりDVDリリース 2005年6月30日(木)、7月4日(月)、5日(火)、6日(水) 新宿シアターアプルにて公開 2005年7月2日(土)〜8月25日(木)まで東京都写真美術館ホールにてモーニングロードショー 2005年7月8日(金)、7月9日(土)、7月10日(日) 銀座博品館劇場にて公開 

公開初日 2005/07/02

配給会社名 0607

解説



「あした元気にな〜れ!−半分のさつまいも−」は、作家・エッセイストとして、多方面で活躍する海老香葉子さんの「半分のさつまいも」(くもん出版刊)を原作として製作された長編アニメーション映画です。戦災孤児となったかよちゃんときい兄ちゃん兄妹が、終戦直後の貧困と不安の時代に、明るくたくましく生き抜いていく姿を丁寧に描きます。
語りは吉永小百合さん、主人公かよ子の声に上戸彩さん、主題歌は、作詞に海老名香葉子さんと谷村新司さん、作曲も同じく谷村さんが担当し、若手実力派の林明日香さんが歌います。

ストーリー



かよ子の家は、東京の下町、昔の住所でいえば本所区立川にありました。家の屋号は「竿忠」といい、父は釣り竿作りの職人で、母、祖母、4人の兄弟、一家7人で暮らしていました。
戦局がきびしくなり、かよ子は沼津の静江叔母さんの家に縁故疎開をしていました。
米軍の29による本土空襲は本格的になり、昭和20年3月9日未明、後に「東京大空襲」とよばれる空襲で東京の下町一帯は火の海となりました。
家族の皆が無事でいますようにと祈っていたかよ子の元にやって来た兄の喜三郎は衝撃的な事実を伝えます。喜三郎以外の家族全員が亡くなったのです。
昭和20年8月15日終戦。
かよ子は、静江叔母さんの元を離れて東京中野の菊重伯母さんの家で新しい生活をはじめることになりました。たった一人の家族となってしまった喜三郎は、伯母夫婦と折り合いがつかず、行方知れずの状態となっていました。
かよ子にとっても中野の家は、決して居心地のよいものではありませんでした。5才のゆりちゃんの面倒をみ、家事を手伝い、時には「買出し」に行くこともありました。家にある品物をもって田舎にでかけ、農家を一軒一軒回って米や野菜などの品物と交換してくるのです。それは小さなかよ子には過酷なものでしたが、「いつか兄ちゃんと会える」という夢が、こころの大きな支えになっていました。
その頃喜三郎は、下町浅草にいました。浅草寺の瓢箪池のまわりに立ち並ぶ闇市の一角に小さな店を出して、同じ境遇の戦災孤児仲間と商売をして、生活の糧を得ていました。しかし、非力な子どもたちに対して闇市の組合は卑劣な圧力をかけてきたのです。
かよ子は必死に喜三郎を探しますが、なかなか出会うことが出来ません。いつしか家族と住んでいた立川に来ていました。かつてお客さんで賑わっていた〈竿忠〉は瓦礫の山になっていました。「ただいま、父ちゃん!ただいま、母ちゃん!」と叫びますが、返ってくる声はありません。悲しさが胸を締めつけ、涙がとどめなく頬をぬらします。しばらくするとかよ子のこころのなかで「兄ちゃんがここを継いでくれればいいんだ。ここで一緒に暮らせばいいんだ」という思いが大きくなっていました。
ところがある日、〈竿忠〉の跡地を売渡すという伯母夫婦の話を聞いてしまいます。なぜ伯母たちはそんなことを・・・そんなことになったら兄と一緒に帰る場所がなくなってしまう!かよ子は一大決心をして伯母の家を出ることにします。
喜三郎は、孤児仲間の逞しいリーダーとなって懸命に生きていました。子どもらしい気転と行動力ではじめた新商売は繁盛していましたが、あいかわらず闇市の組合からのいやがらせがつづいています。でも浅草の街の人々は、そうした喜三郎たちをあたたかく見守っていました。
ようやく再会したかよ子と喜三郎。かよ子は「土地を買い戻して〈竿忠〉を再建しようよ」と必死ですが、「今は伯母さんのところで我慢しな、きっと迎えに行く」という喜三郎。幼い兄妹の力では何も出来なかったのです。
失意のかよ子は、〈竿忠〉の跡地でうずくまっていました。どこからか母ちゃんの声がします。「かよ子は明るくて、元気な子だから・・・」「元気をだして・・かよ子」しばらくして顔をあげると目の前に一人の復員兵が立っていました。同じように家族を失った復員兵とかよ子は、互いに希望をもって生きようと励まし合うのでした。
復員兵を見送ったかよ子は、兄たちの住む街に向かって元気に走り出しました。

スタッフ

原作:海老名香葉子「半分のさつまいも」くもん出版
総指揮:綾部昌徳
企画:中田新一
製作:「あした元気にな〜れ!」製作委員会
    サクセスロード、ルートピクチャーズ
製作協力:ユナイテッド・パワー、日本パートナー会計事務所、フラワーライフ、
     ジャパンホームビデオ、東芝EMI
製作委員会会長:三宅國秀
総監督:中田新一
プロデューサー:綾部昌徳
アドバタイジングプロデューサー:櫻井五十男
宣伝デザイナー:新井剛毅
製作デスク:徳升朋子、水落大輔、ウマロフブニョード
監督:竹内啓雄
脚本:中田新一、竹内啓雄
音楽:川崎真弘
主題歌:「蓮花」(東芝EMI)
作詞:海老名香葉子、谷村新司
作曲:谷村新司
編曲:奥本亮
ピアノ:奥本亮
唄:林明日香
作画監督/キャラクターデザイン:湖川友謙
美術監督:松宮正純
美術設定:田中資幸
色彩設定:海鋒重信
撮影監督:桑良人
音響監督:田中英行
演出:矢吹勉
制作プロデューサー:浅利義美
アニメーション制作協力:スタジオケルマディック
アニメーション制作:AYCO
協賛:日本航空、TOMY
後援:日本ユネスコ協会連盟、朝日小学生新聞
推薦:日本公文教育研究会
配給:「あした元気にな〜れ!」全国配給委員会

キャスト

(語り)
吉永小百合
(声の出演)
かよ子(中根かよ子):上戸彩
きさぶろう(中根喜三郎):うえだゆうじ
島本達吉:山口勝平
かあちゃん:土井美加
父ちゃん:林家こぶ平
大兄ちゃん(忠吉):林家いっ平
竹兄ちゃん(竹次郎):林家うん平
孝ちゃん(孝之輔):林家ひらり
祖母:林家ペタ子

大沢亀蔵:橘家円太郎
大沢和重:雨蘭咲木子
大沢ゆり子:日笠山亜美

信次:陶山章央
テッチャン:加藤奈々絵
シゲオ:石川静
ノボル:高木礼子
愛子:津村まこと

組合長:小杉十郎太
男A:樫井笙人
男B:松尾まつお
男C:桐井大介

静江(沼津のおばさん):川崎恵理子
静江の夫:大黒和広
射的屋のおやじ:林家しゅう平

復員兵:森川智之

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