原題:the Bachelor

24時聞以内に結婚式を挙げれば1億ドルをケットできる!? しかし、最愛の人は世界でたった一人しかいない

1999年/アメリカ映画/ニューライン・シネマ製作/カラー/ビスタサイズ/ ドルビーデジタル・DTS・SDDS/1時間42分/日本語字幕:栗原とみ子

2000年9月22日よりビデオ発売・レンタル開始 2000年5月27日より丸の内ピカデリー2ほか、全国松竹・東急系にて公開 2000年9月22日よりDVD発売開始

公開初日 2000/05/27

配給会社名 0025

解説

いまどきの「なかなか結婚しない」カップルに贈る、結婚パニックコメディ。

 「彼は私を愛しているはず、なのになかなかプロポーズしてくれない」疑問と不安で混乱する女心を抱えている女性は、案外多いはず。それを男心に聞いてみれぱ、「結婚したらもう他の女性と恋愛できないし、彼女は愛しているけれど、残りの一生を一人に捧げろなんて酷だっ!」ということになりそう。自由を愛し、束縛を恐れるそんな独身男の一人が、主人公ジミー・シャノン(クリス・オドネル)。恋愛時代は楽しいのに、彼女が“二人の未来”を話題にしたとたん、愛が急速冷却されてしまう典型的《結婚恐怖症》なのだ。
 こんな態度を見せられたら、彼女だって意地になる。「女の子は子供の頃から幸福な花嫁を夢見ているのよ!100パーセント望まれない結婚なんて願い下げだわ!」でな具合。ひざまずけとは言わないまでも、一生に一度のプロポーズくらいヒロイン気分を味わいたいのだ。というわけで、結婚恐怖症男×意地っ張り女というカップル、結婚までの道のりは遠いのである。
 とはいえ、そんなジミー・シャノンも今の恋人アン(レニ・ゼルウィガー)には、これまでとは違う運命を感じている。アンこそ、本当に心から愛せる理想の女性にちがいないのだ。それなのにそれなのに、3年間つきあい、愛しているのに、やっぱりどうしてもプロポーズに踏み切れない。彼女は失いたくない、でも結婚はちょっと…なんとかプロポーズしたものの、本心からではないのがみえみえ、史上最悪のプロポーズにアンは激怒してしまう。アンだって望まれて幸せな結婚をしたいのだ。ジミーを愛していても、プロポーズも満足にできない彼は、結婚に向いていないのかもしれない、不幸な結婚の犠牲なんてお断り!
 アンに振られたジミーが落ち込む暇もなく、お祖父さんの遺言が追い打ちをかけてくる。遺言で30歳の誕生日までに、つまりあと24時間で花嫁を調達しなければ遺産はパアになる!果たしてジミーは、アンの愛を取り戻し、億万長者になるという超難問をクリアできるのか??
 この結婚パニックコメディーで主役を演じるのは『バットマン&ロビン』『ラブアンドウォー』のクリス・オドネル。これまでのシリアスな二枚目イメージから抜け出し、遺言に翻弄され、パニックにおちいる等身大の青年ジミーに扮し、コメディにも才能を発揮している。本作では演技だけではなく、製作総指揮も担う彼は「これは独身生活を心から満喫している男の心理をコミカルに描いたラブコメディなんだ。主人公は理想の女性と出会ったのに、結婚したら自由を奪われる、という恐怖にさいなまれてしまう。愛があっても、男が結婚に踏み切るには大変な決心が必要なんだよ。」と独身男の気持ちを力説、この作品には彼自身の気持ちがかなり反映されている、ということだろう。
 ジミーの理想の女性アンには、『ザ・エージェント』で注目され、最近では『母の眠り』でしなやかな印象を残すレニー・ゼルウィガー。優柔不断なジミーになんとか人生のハードルを越えさせる、魅力的な女性をチャーミンクにいきいきと演じている。
 ジミーの元彼女役で、マライア・キャリーやブルック・シールズなど豪華なスターが出演しているのも見逃せない。それぞれにキョーレツな個性の彼女たちの登場で、主人公のとんでもない女性遍歴が暴かれ、笑いのエッセンスになっている。
 その他、『ベイブ』で注目され、数々の話題作でパイプレーヤーとして活躍するジェームズ・クロムウェルなど、芸も人生もベテランの演技人が脇を固めているのも、古くて新しい大問題「結婚」というテーマにふさわしい。

ストーリー

 男の幸福はムスタング(野生馬)のように野原を駆け回り、自由と若さを謳歌すること。ジミー・シャノン(クリス・オドネル)が最も恐れていたのは、その自由と若さを奪う罠、【結婚】の二文字。つきあっている彼女のベクトルが結婚に向かったとたん、ジミーは恐怖のあまり相手から逃げ出してしまうのだ。女はすぐに結婚を連想させる“二人の未来”という言葉をちらつかせる。独身でいることはまるでサバイバルだ。かくして、独身男はどんどん減少し、今や絶滅に瀕している。
 そんな独身主義者のジミーは、3年前アン(レニー・ゼルウィガー)に出会った。彼女はきれいで賢い。彼女といるとりラックスできて、今までにないような理想的な関係でいられる。ようやく心から愛せる女性に出会ったという感じなのだ。幸い彼女は、まだ“二人の未来”を話題にしないでいる。周囲では、哀れな友人達が次々と女たちの計略にはまり【結婚】にからめとられてゆく。しかしアンとの関係にもついに運命の時がやってきてしまう。なんと彼女は、ジミーの親友マルコ(アーディー・ラング)の結婚式で、花嫁の投げたブーケを取ってしまったのだ!こうなった以上プロポーズしなければ、彼女を失うかもしれない。
 ロマンチックなレストランを予約して、エンゲージリングをたずさえて行ったものの、および腰のジミーは失言の嵐。当然、心から結婚したいと思っていない本心を彼女に見透かされ、プロポーズを、ぶち壊しにしてしまう。アンにフラれて意気消沈の矢先、唯一の身内、お祖父さんが死んだ。そのお祖父さんには一億ドルもの遺産があった。日頃から「結婚しろ!」「子孫を残せ!」とジミーをせっついていたお祖父さんが、周到にも遺言ビデオに残した遺産の相続条件は「30歳の誕生日の午後6時までに結婚していること」というのだ。そしてジミーの30歳の誕生日は…なんと明日ではないか!弁護士グルックマン(エドワード・アスナー)や株式仲買人のオデール(ハル・ホルブルック)のアドバイスで、慌てて手配した司祭(ジェームズ・クロムウェル)を引き連れ、ともかくアンに2度目のプロポーズ。しかし、またしても誠意のなさを見透かされ、フラれてしまう。フッた方のアンも悩んでいる。彼女も心から彼を愛しているのだ。しかし心の準備ができていない男と結婚する気にはどうしてもなれない。結婚に踏み切れないような男の愛を信じられるのだろうか?結局今のジミーには、結婚して家庭をもつことの幸福がまったくわかっていないのだ。
 アンにフラられても落ち込んでいる暇はない、遺産相続のタイムリミットまであと一日しかない。どうしても結婚しなくてはならないジミーは、元彼女の中から必死で結婚相手をリストアップする。上流階級出身のバックリー(ブルック・シールズ)、オペラ歌手のイレーナ(マライア・キャリー)などなど…ジミーは、タキシード姿でリムジンに乗り込み、プロポーズ用のバラの花と指輪を手に、司祭まで持参で、次から次とプロポーズしまくる。
 一方状況を見かねた親友のマルコは、新聞に花嫁募集広告を出してしまう。サンフランシスコ中の独身女性がそれを見て、大騒ぎ。「今日の6時までに結婚できたら1億ドル」の新聞記事に、集合場所の教会には純白のドレスに身をつつんだ1,000人の花嫁が殺到。ハンサムな花婿と遺産目当てに町は花嫁であふれかえる。教会を揺るがす前代未聞なパニックの中、ジミーの心はアンヘの想いで一杯だった。彼にはようやく心から愛せる生涯の伴侶に出会った幸運、結婚の真の価値がはっきりとわかったのだがアンはいない…。

スタッフ

製作総指揮:クリス・オドネル、マイケル・デルーカ、ドナ・ラングレイ
製作:ロイド・セーガン、ビング・ハウエンスタイン
監督:ケイリー・シニョール
脚本:スティーブ・コーエン
美術:グレイグ・スターンズ
衣裳:テリー・ドレスバック

製作:ニューライン・シネマ、キャガ・ピューマックス共同配給

キャスト

ジミー・シャノン:クリス・オドネル
アン:レニー・ゼルウイガー
イレーナ:マライア・キャリー
バックリー:ブルック・シールズ
司祭:ジェームズ・クロムウェル

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