原題:THE BONE COLLECTOR

誘拐、監禁、残忍非道な手口の殺し。 それは、想像を絶する猟奇殺人事件。

1999年度コロンビア映画・ユニウァーサル映画作品 ソニー・ピクチャースエンタテインメント配給/原題:THE BONE COLLECTOR スコープサイス/全6巻/3,230m/SDDSドルビーSR SRD SURR.EX 字幕翻訳:戸田奈津子/上映時間11時間57分

2010年05月26日よりDVDリリース 2007年11月28日よりDVDリリース 2000年10月27日よりビデオ発売・レンタル開始 2000年4月15日より丸の内ルーブル系にて公開 (全米1999年11月5日公開) 2000年10月27日よりDVD発売開始

公開初日 2000/04/15

配給会社名 0042

解説

恐怖に震えるニューヨークで次々と発見される異形の屍。現場に残されたのは、人間の形を成さない肉の塊と複雑な謎を秘めたメッセージだけだった。悪魔のゲームを仕掛けた犯人の目的は?年代物のボルト、80年前の拳銃、有毒公害物質、光沢のある砂、毛髪の付着した木片、子牛の骨、骨の中に隠された紙切れ、紙切れに染みついた油の臭い…奇怪な暗号の謎とは一体何なのか?!
 この恐るべき難事件の次なる犯行を阻止するために必要とされる男。ズバ抜けた鑑識能力を持つ科学捜査のエキスパート、リンカーン・ライム。もはや彼の力なしでの解決は考えられない。しかし問題がただ一つ、ライムの身体は大きなハンディキャップを背負っていたのだった…。
 映画史に衝撃を残した『羊たちの沈黙』『セブン』を始め、奇犯罪を題材にしたサイコ・サスペンスか数多く製作された90年代その締めくくりとして、昨年のl1月に全米公開され興行成績初登場第1位。7週連続ベスト10入りの大ヒットを記録した戦懐のサスペンス・スリラー『ボーン・コレクター』。サイコものに新境地を開き旋風を巻き起こした人気作家、ジェフリー・ディーヴァー原作の同名ベストセラー小説を映画化した本作は、斬新な人物設定で構成され、過去のいかなるサスペンス作品をも超えるリアルかつスリリングな展開で突き進む第一級のスリラーに仕上がっている。
 明断な頭脳を働かせて捜査に挑む、ライム。彼の持つハンディキャップ、それは4年前に起こった事故で脊髄を損傷し手足の自由奪われた事だった。彼が動かすことのできるのは、両肩と一本の指のみ。突然襲い来る神経発作と闘いながら、ベッドに寝たきりの状態で犯人に立ち向かうライムと、彼の目となり足となって凄惨な犯罪現場に赴き天才的な嗅覚を生かすパトロール警官アメリアの緊迫した馴け引き。あらゆる角度から行われる現場検証、様々なハイテク機器を使い分析される物的証拠、推測される次の殺害現場とその時刻、そして捜査線上に1900年代初頭に書かれた古書が浮かび上がった−−−。
 撮影の99%がベッドに寝たきり、しかも身体を動かせないといった難役ライムに挑んだのは『マルコムX』『クリムゾン・タイド』のデンゼル・ワシントン。実際にハンディキャップを負った人々に念入りな取材をして完壁な役作りを行った。
 事件に深く入り込む美しさと気丈さを合わせ持ったパトロール警官アメリアには、過去にゴールデン・グローブ賞を2度受賞し、2000年注目の女優として高い評価を得ているアンジェリーナ・ジョリー。ライムのケアをする看護婦セルマに、女優と共にグラミー賞受賞のラッパーとしても知られる『スフィア』のクイーン・ラティファ。そして『ヘンリー』『リプレイスメント・キラー』のマイケル・ルーカーがライムの捜査を妨害する理解無きチェイニー部長に扮し、作品全体にアクセントを付ける。その他、若手刑事のソロモンを『N.Y.殺人捜査線』のマイク・マックローン、ベテラン科学捜査官エディーを『ブギーナイツ』のルイス・ガスマン、医療技師リチャードを、『プライベート・ライアン』のリーランド・オーサーが演じている。
 監督は、ハリソン・フォード主演、トム・クランシー原作によるポリティカル・アクション大作『パトリオット・ゲーム』『今そこにある危機』を手掛けたフィリップ・ノイス。手に汗握る演出の腕前はすでに証明済みなだけに身も凍る最高の原作を得た。今回は、より一層の質の高いスリルとサスペンスを提供するいくつもの伏線が張り巡らされた傑作ベストセラー小説を見事脚本化したのは『N.Y.殺人捜査線』のジェレミー・アイアコン。寝たままで動けない主人公をダイナミックに撮らえ、視覚的な躍動感を出すことに成功した撮影には『ダンス・ウィズ・ウルブズ』でアカデミー賞を獲得した名手ディーン・セムラー。製作は、『シー・オブ・ラブ』『セルピコ』のマーティン・ブレクマン、『スネーク・アイス』のルイス・A・ストローラー、マイケル・ブレクマン。オーソドックスなスコアにデジタルサウンドを盛り込んだ緊迫の音楽をクレイグ・アームズトロフグが創作し、ピーター・ガブリエル&ケイト・ブッシュのコラボレーション”Don’t Give Up”がエンド・ロールを飾っている。

ストーリー

科学捜査を専門とするニューヨーク市警の刑事、リンカーン・ライム(デンゼル・ワシントン)は、かつて全米でも有数の犯罪学者であった。多くのベストセラー本の著者でもある彼は、細部に行き届く目と、手掛かりをかぎ出す鼻の持ち主として警察内では伝説的存在である。しかし彼は4年前、職務遂行中に脊髄に致命的な損傷を負い、手足の自由そ奪われ寝たきりの身体となっていた。首から下でライムが動かせるのは両肩少しと一本の指、ただそれだけ。さらに、いつ襲い来るかわからない自律神経発作が頻繁に発生する。大きな発作が起きれば植物人間になることを知っているライムは、親友の医師に安楽死の約束も交わしていた。彼は、生きる意志をほとんどなくしてしまっていた…。

 青少年課への異動を目前に控えたパトロール警官アメリア・ドナヒー(アンジェリーナ・ジョリー)は、暗い過去を背負いながらの生活で自分を見失い、結婚を迫る恋人との関係もままなちず確かな返事ができないでいた。明日から現場を離れデスク勤務という、最後のパトロールで受けた無線連絡。一人で犯罪現場にたどり着いた彼女が発見したのは、土の中に埋められた見るも無惨な男の死体だった。現場周辺に残された意味不明な物的証拠。それらが形を崩す前に素早い対応でカメラに収めた彼女の行動は正当な評価を得る。

 ライムの同僚ホーリー・セリート刑事(エド・オニール)と彼のパートナーで新人のソロモン刑事(マイク・マックローン)は、この謎めいた事件の解明のためにライムに協力を求めるが、そのときライムの身体を神経発作が襲った。ライムをケアする看護婦セルマ(クイーン・ラティファ)かすぐに緊急措置をして何とかその場を持ちこたえるが、「君の腕が良すぎるからまた生き延びてしまった」とライムはジョーク混じりの言葉をセルマに送る。その後、捜査の指揮をとることになったライムの部屋は、物的証拠の分析に使われる様々なハイテク器が導入された科学捜査班特別対策本部と化した。証拠のファイルの中に入っていたアメリアの撮った写真を見たライムは、その的確な判断に感心する。そして、アメリアの意志に反して、ライムは自分の助手に彼女を任命した。この殺人が偶発的なものでなく、恐ろしい犯罪心をもった人間=猟奇殺人鬼の仕業だということ、しかも奴は殺しを始めたばかりだということにライムは気づく。

 第一の現場に残された有毒公害物質”アスベスト”、頭の部分が酸化したボルトで押さえられた新聞紙…数々の物的証拠から複雑なパズルを組み立てて行くライム。犯人は明らかに次の殺人の演出を施していた。だが、身体の93%が麻癖していてもライムの鋭い頭脳は健在だった。次の犯行時間と現場が解明したのだ!科学捜査班は緊急班より先に現場に着かなくてはならない。なぜなら緊急班が現場を荒らし、証拠品が意味を成さなくなるからだ。さらには、ライムに理解を示さない単細胞のチェイニー部長(マイケル・ルーカー)の存在も科学班には大きな障害となっていた。

 残忍なる見えない敵の次の忌まわしい行為を阻止するべく、ベッドから無線で指示を送るライムに従い、まだ犯人が潜んでいるかも知れない犯罪現場を探るアメリア。次の被害者の命を救うタイムリミットに間に合うかどうかというわすかな時間で、彼女は手掛かりを見つけ出し、ライムはそれを解明しなければならない懸命な捜査にもかかわらず仕掛けられた巧妙な罠が、第二、第三の異形の屍を出して行く中、アメリアは、鑑識調査の経験がない自分がなぜ捜査に加わるのか疑問を感じながらも、ライムの目、耳、足となって謎に包まれた事件に立ち向かって行く。ライムはアメリアが背負うぬぐい去れない過去、つまり拳銃自殺を計った警官=父親の死に直面した際に受けた大きな心の傷のことを知っていたが、彼女の現場をとらえる冷静な目と直感カを信じていた。

 自分を見失い、あきらめてしまっていた二人の人間は、そのとき、無くしていた意志を取り戻そうとしていた。しかしその一方で、敵はさらに難解な手掛かりを残し彼らを苦しめる。そして捜査線上に1900年代初頭に書かれた一冊の古書が浮かび上がった−−−。この本が明かす驚愕の事実とは?

スタッフ

監督:フィリップ・ノイス
脚本:シェレミー・アイアコン
製作:マーティン・プレクマン、
    ルイス・A・ストローラー、
    マイケル・フレクマン
原作:ジェフリー・ディーウァー「ホーン・コレクター」文藝春秋刊
撮影:ティーン・セムラー A.C.S.,A.S.C.
美術:ナイジェル・フェルプス
編集:ウィリアム・ホイ
製作総指揮:マイケル・クローウィッター、タン・ジンクス
製作補:ホー・ディエトル
衣裳デザイナー:オデット・ガドーリー
音楽:クレイグ・アームストロング

キャスト

リンカーン・ライム:テンセル・ワシントン
アメリア・トナヒー:アンジェリーナ・ジョリー
セルマ:クイーン・ラティファ
チェイニー部長:マイケル・ルーカー
ケニー・ソロモン刑事:マイク・マックローン
エディー・オーツ:ルイス・ガスマン
リチャード・トンプソン:リーランド・オーサー
ホーリー・セリート刑事:エ卜・オニール

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