原題:What Lies Beneath

ロバート・ゼメキス監督とハリソン・フォードが贈るミステリー&スリラー

2000年/アメリカ映画/シネマスコープ/ドルビーSR・SRD、DTS、SDDS 上映時間:2時間10分/字幕スーパー翻訳:戸田奈津子/配給:20世紀フォックス

2001年04月27日よりビデオ発売開始 2001年06月06日よりDVD発売開始 2000年12月16日より日本劇場ほか東宝洋画系にてロードショー公開 (全米2000年07月21日公開)

公開初日 2000/12/16

配給会社名 0057

解説

ハリウッド最高のスター、ハリソン・フォードとミシェル・ファイファーが初めて共演する。それだけでも映画界の大事件だというのに、メガホンをとったのは「フォレスト・ガンプ/一期一会」でオスカーを手にしたロバート・ゼメキス監督。
この夢のような顔合わせで出来上がったのは、最新テクノロジーとヒッチコック・タッチのスリラーが融合したスーパー・ナチュラル・スリラー。全編にサスペンスあふれるエキサイティングな作品だ。

ノーマン・スペンサー博士と元チェリストの妻クレアは、ヴァーモントの美しい湖のほとりにある瀟洒な館に住んでいる。
長年手塩にかけて育ててきた娘ケイトリンを大学に送り出したクレアの心には、今、ぽっかり穴が空いていた。
そんなとき、家の中で奇妙な出来事が起こり始める。風もないのに勝手に開くドア、突然電源が入って動き始めるコンピューターやラジオ。囁くような声が聞こえ、水には見知らぬ若い女性の顔が浮かんで見える……。
科学者の夫にはどれも妻の妄想としか思えないが、クレアは夫婦喧嘩の絶えなかった隣家の妻が消えたことで想像を膨らませていく。
やがて幽霊の正体が明らかになったとき、クレアは自分が1年前に起こした自殺未遂事件の記憶を取り戻していくのだった……。

ご存じのようにロバート・ゼメキス監督は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズや「ロジャー・ラビット」「永遠〈とわ〉に美しく…」のヒットメーカーにして、「フォレストガンプ/一期一会」のアカデミー賞監督。
1998年にスティーブ・スターキー、ジャック・ラプケとともに製作会社イメージ・ムーバーズを設立し、その記念すべき第1弾として恐ろしくてミステリアスな映画を製作したいと考えた。
しかも、ヒッチコックが生きていたら作るようなものを、今の時代の技術を駆使して。そして出来上がったのが、視覚効果の存在を全く意識させない、しかし最新鋭のテクノロジーなくしては映像化できない、スリリングなサスペンス映画だった。
映画で何よりも重要なポイントでサスペンスの中心になるのは、ノーマンとクレアのキャスティングである。
ゼメキス監督は、当初からノーマンにはハリソン・ワォードしかいないと考えていた。フォードもこの映画の現代的なプロジェクトや脚本が気に入ってすぐに出演をOK。優秀な学者の顔の下に隠された謎めいた人間の本性を垣間見せて、映画のミステリアスな雰囲気を高めている。
一方、ミシェル・ファイファーがスリラーに挑戦するのはこれが初めて。しかし彼女は、子供のころから恐ろしい映画が大好きで、ゼメキスの大ファンでもあった。
ナイーブなクレアというキャラクターも、彼女が演じると繊細さの中に内なる強さを秘めて、ぐっとリアリティを増してくる。
カメラの後ろ側には、長年にわたってゼメキスを支えてきたスタッフが再結集した。室内の鏡を効果的に使用し、カメラ・アングルを駆使してサスペンスとゾクゾクするような恐怖を作り上げた撮影監督はドン・バージェス。最初は夢のように美しかったノーマン宅が、しだいに邪悪な様相を帯びていく過程を見事にデザインしたプロダクション・デザイナーは、リック・カーターとジム・ティーガーデンのチーム。
おどろおどろしさと緊張感の交錯する深みのある音楽はアラン・シルヴェストリのスコア。彼らはみな、「フォレスト・ガンプ/一期一会」でアカデミー賞にノミネートされたゼメキス・ファミリー。
これに同作と「ロジャー・ラビット」でオスカーを手にした編集の名手アーサー・シュミットが加わって、最強のメンバーとなった。
また、視覚効果スーパーバイザーとして「タイタニック」のロバート・レガートが招かれ、”コンピューター技術は映画の物語を深めるためにある”という信念のもと、”風が吹くように自然な”視覚効果を実現させている。

ストーリー

ヴァーモントの美しい湖のほとりに建つ瀟洒な家。クレア・スペンサー(ミシェル・ファイファー)は、研究者の夫ノーマン(ハリソン・フォード)とともに幸せに暮らしていた。ただひとつ彼女を悲しませているのは、娘のケイトリンがボストンの大学に旅立ってしまうこと。
夫婦でケイトリンを大学の寮に送り届けた後、クレアは言いようのない孤独感に襲われ、涙を押さえることができなかった。
高名な数学者を父にもつノーマンは、デュポン研究所で遺伝学の教授として嘱望されているが、事あるたびに父と聞違えられることに苛立っていた。
この屋敷も父が建てたものだった。
クレアはジュリアード音楽院を出た優秀なチェロ奏者でカーネギー・ホールの舞台に立ったこともあったが、ノーマンと知り合って3ヵ月で結婚し、それ以来演奏活動をやめてしまった。
彼女はこの数年間、ケイトリンにすべてのエネルギーを注いできた。
しかし、これからはノーマンと二人だけの生活に戻るのだ。
クレアが寂しさを紛らすように庭の花の手入れに勤しんでいたある日、隣の庭から泣き声が聞こえてくる。それは数週間前にここに越してきた研究所の同僚フユーアーの妻メアリー(ミランダ・オットー)だった。
いつも夫婦ゲンカの絶えないフユーアー家。クレアが心配して尋ねると、メアリーは夫ウォレン(ジェームズ・レマー)が恐ろしいと訴える。
翌日、遅まきながら引っ越し祝いの花とワインを持ってフユーアー家を訪ねるクレア。
しかし、家に人影はなく、ポーチには血のついたサンダルがころがっている。その夜、寝つかれぬクレアは、ウォレンが暗闇に紛れるように車のトランクに大をな荷物を放り込むのを盗み見
て、最悪の事態を想像した。
その日から、家の中で奇妙な出来事が起こり始めた。風もないのにひとりでに開くドア。突然コンピューターに電源が入り、ラジオからは大音量でロックが流れ出す。
そして、囁くような声と、バスタブの湯に映る女の顔……。クレアは幽霊が自分の助けを求めているのだと思った。
そして、その幽霊はメアリーに違いないと。
研究で忙しいノーマンの帰宅は毎日遅い。クレアは研究所まで行ってノーマンにフユーアー家のことを話すが、彼はとりあおうとはしない。
しかたなくクレアは再びプレゼントをもって隣家を訪れた。何度もベルを鳴らした後、ようやくウォレンが現れ、迷惑そうな顔で応対するが、メアリーは不在だと言う。彼女の身に何か起こったに違いない。
クレアの心配はより明確な疑惑へと変わっていった。
ノーマンは、顔を合わせるたびにしっこく訴えるクレアの思い詰めた表情に、職場でフユーアー夫婦のことを尋ねてみると約束する。その夜、ノーマンはクレアとともに友人との会食に出かけた。友人の連れは偶然にもクレアの学生時代の友人エレアだった。
フユーアー家のことで頭が一杯だったクレアは、演奏家として輝いていたころの自分を思い出して感慨にとらわれる…。
家の中の心霊現象は続いていた。クレアはノーマンに言われて精神科医ドレイトン(ジョー・モートン)のもとを訪れ、女性の幽霊のことを打ち明けた。するとドレイトンは、その幽霊から事情を聞くように薦める。クレアはKマートで心霊盤を買うと、友人ジョディ(ダイアナ・スカーウィッド)を誘ってメアリーの霊を呼び出そうとする。
ジョディは半信半疑だったが、しばらくして文字盤が動き出し、ロウソクが消える。それでもまだ信じられないジョディは、クレアが1年前に起こした車の事故のショックからいまだに立ち直れないのだと思って心配する。
翌日、幽霊がメアリーだと確信したクレアは、研究所を訪れるとウォレンをつかまえて詰問する。しかし、そこヘメアリー本人が現れる。
離婚しようとして実家に帰ったメアリーを説得するため、ウォレンが彼女の荷物をトランクに詰め込んで車で追いかけたというのが、あの夜クレアが目撃した出来事の真相だった。
しかしクレアの周りでは、不思議な現象がさらにエスカレートしていった。

スタッフ

監督:ロバート・ゼメキス
脚本:クラーク・グレッグ
ストーリー:サラ・ケノシャン/クラーク・グレッグ
製作:スティーブ・スターキー/ロバート・ゼメキス/ジャック・ラプケ
製作総指揮:ジョーン・ブラッドショー/マーク・ジョンソン
撮影:ドン・バージェス、A.S.C.
プロダクション・デザイナー:リック・カーター/ジム・ティーガーデン
編集:アーサー・シュミット
音楽:アラン・シルヴェストリ
衣裳デザイナー:スージー・デサント
視覚効果スーパーバイザー:ロバート・レガート

キャスト

ノーマン・スペンサー:ハリソン・フォード
クレア・スペンサー:ミシェル・ファイファー
ジョディ:ダイアナ・スカーウィッド
ドクター・ドレイトン:ジョー・モートン
ウォレン・フユーアー:ジェームズ・レマー
メアリー・フユーアー:ミランダ・オットー
マディソン・エリザベス・フランク:アンバー・バレッタ
ケイトリン・スペンサー:キャサリーン・トーネ
ドクター・スタン・ポーウェルー:レイ・ベイカー
エレナ:ウェンディ・クルーソン

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