原題:STILL CRAZY

めちゃくちゃ面白くて、鳥肌の立つ感動。 これがロック版フルモンティだ!

☆ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2000出展作品

1998年/コロンビア映画/ソニー・ピクチャーズエンターテインメント配給/ ビスタ/全6巻/2,618m/SDD、SRD、ドルビーSR/字幕翻訳:石田康子/上映時間1時間35分

2000年9月8日よりDVD発売 2000年9月8日よりビデオレンタル開始 2000年4月22日よりお台場・シネマ・メディアージュにてオープニングロードショー公開 2000年4月29日より日比谷シャンテ・シネにて公開

公開初日 2000/04/29

配給会社名 0042

解説

 続々と話題作をくり出す活気満々のイギリス映画界から、またまた新しいコメディが発信された。グラムロックとロンドンブーツ全盛の時代から、以後まったく音信不通だった連中が20年ぶりに再会、再ぴステージに上がるまでの過程を、辛辣に笑いのめしつつ温かいまなざしで追ったこの映画は、ロック版「フル・モンティ」だ。重苦しい挫折感の底にどっこい埋もれてた”まだやってやるぜ”精神…”体は中年でも少年の心を持った”男たちのなりふりかまわぬ奮闘ぶりは、あらゆる世代の共感を呼ぶだろう。ぶざまだったり悲惨だったりもする現実をしっかり見すえたうえで貫かれている前向きなメッセージは、70年代風ロックにのって流れてくるが、2000年を前にしたわれわれを元気にしてくれる。
 監督は、「陪審員」やティナ・夕一ナー、ショセフィン・ベイカーの伝記映画など、音楽ものには定評のあるブライアン・ギブソン。脚本を書いたのは、イギリスきってのコメディライター、デイック・クレメント&イアン・ラ・フレネ。テレビで数々のすぐれたコメディを生んできたこのコンビは、アラン・パー力ー監督の「ザ・コミットメンツ」で、すでに音楽業界の内幕ものを扱っている。美術は「フル・モンティ」のマックス・ゴッドリープ、編集は「ポストマン」のピーター・ボイル、衣装は「世にも憂麓なハムレットたち」のキャロライン・ハリス。
 主人公はロックグループ、そしてロック・ミュージックそのものだ。70年代ロックに捧げられたオマージュの数々もファンには見逃せないが、ここに使われている曲はすべて”ストレンジ・フルーツ”のオリジナル。イギリス音楽シーンの一流メンバーたちが結集し、郷愁を感じさせる新しいロックをつくりあげた。核となるナンバーを作曲したのは(クラッシュの)ミック・ジョーンズ、作詞は(スクィーズの)クリス・ディフォード。プロデュースは、エルビス・コステロ、デイビッド・ボウイ等々過去20年を代表するアーティストの作品を手がけてきた神様的コンビ、クライブ・ランガーとアラン・ウィンスタンリー、ランガーは映画全体の音楽も担当している。演奏には一流のセッション・アーティストを集めているが、リードボーカル、レイ役のビル・ナイ、べ一スギタリスト、レス役のジミー・ネイルが自ら歌っている。また、元スパンドー・バレエのメンバーで俳優に転じたゲーリー・ケンプがアドバイザーとして参加、キャストにロックスターのしぐさや癖などをコーチした。
 イギリス映画の大きな魅力は俳優の多彩さ。この映画にもベテラン俳優が味のある顔をそろえている。「クライング・ゲーム」などニール・ジョーダン監督作品の常連、スティーブン・レイ、イギリス随一のコミック芸人であるビル・コノリー、「エビータ」のジミー・ネイル、「秘密と嘘」のティモシー・スポール、「フェアリーテイル」のビル・ナイ、「鯨の中のヨナ」のジュリエット・オーブリー、スウェーデンのトップ女優、ヘレナ・ベルクストロームらが主演。「キリング・フィールド」の脚本でアカデミー賞候補となったプルース・ロビンソンが、伝説のギターの名手、ブライアンに扮し久々にスクリーンに登場している。
 この映画は1998年の初めに,ロンドン周辺、スペイン、オランダでロケーショフ撮影された。

ストーリー

1977年、いまでは伝説となっているウィズベックの野外ロック・コンサートで、ストレンジ・フルーツは燃えつきた。70年代初めに一世を風靡したものの、花形だったボーカルのキースがロッカーお定まりの酒とドラッグで命を落とし、その兄でギターの天才とうたわれたブライアンも薬づけ。キースの後釜にレイが入ってからはがたがたになり、時代の風に欧き払われるように解散したのだ。
 あれから20年、キーボード奏者だったトニー(スティーブン・レイ)は、イビサ島てしがないコンドームのセールスマンをしている。ある日、ウィズベックのプロモーターだった人物の息子という男に声をかけられ、再結成してウィズベック20周年記念フェスティバルに出てみないかと誘われる。トニーはバンドのマネージャーをしていたカレン(ジュリエット・オープリー)を訪ね、いっしょに昔の仲間を勧誘してくれないかと頼む。かつてブライアンを愛していたカレンは、人並みに結婚、出産、離婚を経験、いまは退屈なホテルづとめの毎日。トニーの出現で一大決心をして、ふたりで仲間探しを始める。べースギターのレス(ジミー・ネイル)は、いまは堅気の屋根職人。当時からの妻との仲も続いていて、まずは平穏な毎日を送っている。ドラマーのビーニー(ティモシー・スポール)はトレイラー住まい、いまも税務署に追われるやばい生活を送っている。最後の2年間ボーカルだったレイ(ビル・ナイ)だけは、何とか音楽業界に引っかかっている。しかしスウェーデン美人のアストリッド(ヘレナ・ベルクストローム)と豪邸暮しはしていても実は文無しのアル中、身も心もぼろぼろだ。何とかこれだけのメンバーが集まったものの、カリスマ的なリードギタリストのブライアンは、死んだという噂。カレンが穴埋めに若いギタリスト、ルーク(ハンス・マシソン)を連れてきて、ローディだったヒューイ(ビリー・コノリー)も一駆けつける。一同は再結成在めざし、カレンの娘クレア(レイチェル・スターリング)も伴って、まずはヨーロッバ・ツアーに出発!
 ツアーといっても田舎のドサ回りだ。音楽的な勘もとり戻せず。女の子たちがなびくのは若いルークばかり。メンバーはすっかり自信を失い、エゴを傷つけられる。おまけに昔の恨みつらみだけはすぐによみがえってきて、いまにも噴出しかねない勢い。とりわけレイは、キースとブライアンの音楽をなつかしむメンバーたちに、かっこばかりつけやがってと敬遠され、ひとり浮いてる。それでも何とかツアーは続き、ステージにも慣れてきたある日、インタビューで「ブライアンとキースのいないおれたちはただの抜け殻」といったビーノの発言に、必死でがんばってきたレイがキれ、去ってしまう。
 これまでの努力も水の泡。ライブもやっと盛りあがるようになり、復刻版のCDも出たのに…キースの墓参りをしたカレンは、ブライアンの花が捧げられているのに気づく。彼は生きていた。ローディのヒューイは、精神を病んでいたブライアンをかばって隠していたのだ。レイを説得できるのはブライアンしかいない。カレンはトニーと、ブライアンに会いにいく。そこには少ししわが増えたけれど、昔のままの繊細さを残したブライアン(ブルース・ロビンソン)がいた…
 さてウィズベック’98に、メンバー全員が集結できるのか?ストレンジ・フルーツは生まれ変われるのか?昔のようにロックできるのか?

スタッフ

監督:ブライアン・ギブソン
脚本・製作総指揮:ディック・クレメント、イアン・ラ・フレネ
撮影:アシュリー・ロー
美術:マックス・ゴットリーブ
編集:ピーター・ボイル
衣装:キャロライン・ハリス

キャスト

監督:ブライアン・ギブソン
脚本・製作総指揮:ディック・クレメント、イアン・ラ・フレネ
撮影:アシュリー・ロー
美術:マックス・ゴットリーブ
編集:ピーター・ボイル
衣装:キャロライン・ハリス

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