原題:REQUIEM of DARKNESS

僕の街には映画館があった……。 映画館は暗闇だった。 幼い頃、何を観たのか覚えてないけど、 漠然と暗闇があり、その中に雑多な人間が集まっていた。 片隅でゆらぐタバコの煙、密かに漏れる話し声、後方から差し込む一条の光。

1999年度作品/日本/カラー104分/モノラル/ビスタサイズ

2000年10月27日よりビデオ発売・レンタル開始 2000年3月25日〜4月14日まで中野武蔵野ホールにて公開

公開初日 2000/03/25

配給会社名 0040

解説

あの映画館は、もう、なくなってしまった。
でも今も何処かに、僕の映画館はあるのだと信じたい。

奇想天外摩訶不思議ムービー誕生。黒澤明監督『酔いどれ天使』へのオマージュ!

 『REQUIEM of DARKNESS 〜クラヤミノレクイエム〜』は、『新・悲しきヒットマン』『鬼火』『極道戦国志 不動』『チンピラ』などの脚本家・森岡利行の監督デビュー作品であり、森岡が主宰する劇団“STRAYDOG”で1994年初演以来、再演を重ねる人気代表作の映画化である。小さな街の廃館間近の映画館を舞台に森岡独特の濃密な人間ドラマが繰り広げられる。撮影は数年前廃館になった映画館「中野光座」で行われ、切なくなるほどの臨場感を醸し出している。
 キャスティングは、舞台・映像・一般からのオーディションで厳選され、魅力的な顔ぶれになった。また、撮影に『皆月』『クレープ』(三浦賞受賞)の石井浩一、音楽にARB、シーナ&ザ・ロケッツの野島健太郎を迎え個性的な作品が完成した。

ストーリー

 小さな街の名画座“中野光座”。館主の黒沢木と娘の芽以は映画と映画館をこよなく愛する親子だったが、時代の波の中、閉鎖を余儀なくされていた。
 だが今日もこの映画館にやってくる人々がいた。しがないサラリーマンの多和は、古い映画のポスターに惹かれ立ち寄ってみた。そこへヤクザの垂木と舎弟の端角、条堺、差兼、御舞らがブツを持ち逃げした功郎を探しに乗り込んできた。彼らの暴力の前にひれ伏し、自己嫌悪に落ち込む多和。

 そんな彼に芽以は映画監督になることが夢だと語りかける。彼の心が揺れる。常連のヘルス嬢・恵梨香も多和を気に掛け、映画を一緒に観る。一方館内では、功郎の妹で看護婦の幸子が院長のドラ息子・酒巻の執拗なセクハラにあっていた。そこへ功郎が現れ彼女を救う。彼は病魔に冒されていた。妹が幸せになれるよう、ブツを現金に換えようとしていたのだ。

 誰もいない映画館のロビーで彼は死んだ恋人・ケイの夢を見る……。再びヤクザ達が舞い戻って来た。多和に助けを求める芽以。必死で抵抗する芽以と恵梨香を守るため、そして自分の為に闘う決心をする多和。芽以の機転でヤクザは去り、傷ついた多和は芽以に、自分があきらめてしまった夢を語る。“アキラメズニガンバレ!〜Don’t Lose Heart〜”と励ます芽以。

 三度ヤクザ達が戻ってきた。映画館のロビーが戦いの場と化し、やがて暗闇にレクイエムが鳴り響く……。

スタッフ

エグゼクティブプロデューサー:梶俊吾
プロデューサー:櫻井雅章
脚本・監督:森岡利行
音楽:野島健太郎
撮影:石井浩一
照明:白石成一
美術:佐々木博崇
録音:鴇田満男
編集:金子尚樹
助監督:玉利祐助
製作:クラヤミノレクイエム製作委員会
(ストレイドッグ・ホットエンターテイメント・ヴァリス)
企画制作・配給:“STRAYDOG”(株)ストレイドッグ
配給協力:株式会社ゼアリズエンタープライズ

キャスト

功郎:相澤一成
幸子:小島可奈子
恵梨香:栗林知美
メイ:黒川芽以
ケイ:川端良香
樽木:那波隆史
多和不二満:鈴木 真
黒沢木明:塩山義高
酒巻健太郎:酒井健太郎
端角:土平ドンペイ
若頭:木下ほうか
組長:菅田俊

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