原題:Shinsegumi

巨匠・市川崑監督が黒鉄ヒロシの同名漫画を完全映画化!

1999年/日本映画/カラー/35mm/スタンダード/DTSステレオ/上映時間86分

2000年1月15日よりユーロスペースにて公開

公開初日 2000/01/15

解説

映像の魔術師・市川崑が生み出した新技法、「ヒューマン・グラフィック崑メーション」とは?

 映画監督生活、50年。スタイリッシュな映像美と独自のモダニズム、そして大胆な実験精神であらゆるジャンルへと挑んできた市川崑が、73本目の監督作に選んだ題材は「新撰組」。これまでに約40回にわたって映画化されてきた題材だが、この市川版「新撰組」には、なんと生身の俳優がただのひとりも登場しない!きわめつけの異色作として、ここに完成した。
 原作は、本作品で第43回文藝春秋漫画賞を受賞した黒鉄ヒロシの「新撰組」(PHP研究所版)。ナンセンス漫画の鬼才が腰を据えて執筆した大作に触発された市川崑が、シャープな黒鉄タッチの絵柄の魅力を最大限まで生かすために考案したのは、原画から抜き出した切り絵のキャラクター人形を大量に作成して、その操演で全篇を撮影する手法。アニメでもCGでもない、あ革新的な映像は、名付けて「ヒューマン・グラフィック崑メーション」。これまでの映画の常識を覆しながらも、市川作品として見事な調和を保つ三次元的立体漫画映画である。

市川組キャストが勢揃い!
まるで実写版のような豪華ボイス・タレントたち。

 市川作品としては初の「非・実写映画」にもかかわらず、声の出演者は、いつもの市川組メンバーが顔を揃えた。
 新撰組局長・近藤勇の声を演じるのは、テレビ映画『木枯し紋次郎』シリーズ(’72〜’73)や『帰って来た木枯し紋次郎』(’93)の中村敦夫。近藤の片腕となる副局長・土方歳三には、『ビルマの竪琴』(’85)以降の市川組レギュラー俳優・中井貴一。そして沖田総司に、市川作品には初参加となる原田龍二。加えて、うじきつよし、石倉三郎、石橋蓮司、石坂浩二、岸田今日子といった市川組の常連俳優が顔を揃え、萬田久子、清水美砂らが華を添える。ナレーションは、市川作品には『火の鳥』(’78)のスサノオ役以来となる江守徹。

「新撰組」それは、世紀末を駆け抜けた若き志士たち!

 文久三年(1863年)に13名で結成された「新撰組」。当時、局長の近藤勇、29歳。副局長の土方歳三、28歳。沖田総司、19歳。最盛期には300名を越える組織となったが、その歴史は慶応四年(1868年)1月の鳥羽伏見の戦いで実質的に幕を閉じる。わずか5年という短い命運に過ぎなかった。徳川幕府の守護職として、京都における尊攘派弾圧の役割を果たした彼らは、その若き命をいかに燃焼させたのか?佐幕と倒幕に揺れる激動の時代背景の中、血を流しながら懸命に生きた若者たらの群像が活写される。そう、これは明治維新の寸前という世紀末を舞台にした壮烈な青春映画なのである。

ストーリー

スタッフ

監督:市川崑
原作原画:黒鉄ヒロシ(PHP研究所版)
企画:久板順一朗
プロデューサー:松前洋一、松下千秋、鶴間和夫
脚本:佐々木守、市川崑
撮影:五十畑幸勇
美術:桜木晶
照明:下村一夫
調音:大橋鉄矢
録音:斉藤禎一
編集:長田千鶴子
助監督:手塚昌明

キャスト

近藤勇:中村敦夫
土方歳三:中井貴一
沖田総司:原田龍二
山南敬助:うじきつよし
芹沢鴨:石倉三郎
清河八郎:石橋蓮司
伊東甲子太郎:石坂浩二
お孝:萬田久子
明星:清水美砂
駒野:岸田今日子
ナレーション:江守徹

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