原題:The Mystery of the Cube

☆ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2000出展作品 アジアフォーカス・福岡映画祭'99出品

1999年/韓国映画/35mm/上映時間110分/ドルビーSR/配給:

解説

 韓国では今ホラー映画のブームだという。「囁く廊下〜女校怪談」(98)、「ザ・ソウルガーディアンズ」(98)などといった作品は日本でも上映されている。本作も怪奇ホラー、サスペンスといった要素をミックスし、CGを駆使した映像とミステリアスな展開で盛り上げるエンターテインメントである。  原題は「建築無限六面角體の秘密」という。「建築無限六面角體」とは、ダダイズム、モダニズムの詩人イ・サン(1910-37)の残した詩である。イ・サンは、数字からだけからなる詩など、奇妙で意味ありげな作品を数多く残しており、韓国では今なお、学生を中心に人気がという。彼はまた建築も勉強していたが、結核により27歳の若さで東京で亡くなっている。しかし彼には生前、失踪していたといわれる空白の期間があり、本作はフィクションとして、そこに独自の解釈を付けて、イ・サンのファンを自負する現代の若者たちをその詩の謎に挑ませている。  監督は1964年生まれのジョナサン・ユーユ・サンオク。脚本家として「キムの戦争」(92)、「二人の女の物語」(94)などを手掛けた後、「絶対愛」(94)、「ピアノマン」(96)といった監督作品を発表している。今、韓国では英語名を名乗るのが流行らしく、本作品ではユ監督はジョナサン・ユーとクレジットされている。  日本の特殊部隊にいたハヤシナツオなる人物が、大都市ソウルの地下に、イ・サンの命じて金塊工場を風水によって設計させたという大胆な発想。インターネットを駆使する若者たちと悪體との戦いは、終盤のスペクタクルへと続く。主人公たちが遂に辿り着く地下建造物は、ソウルの撮影所内に組まれた大掛かりなセットである。

ストーリー

ミステリアスな詩や小説を残してきた作家イ・サンが亡くなって60年。イ・サンの詩を愛好する大学生、女性記者、ミュージシャンなどといった若者5人がインターネットで出会い、オンライン・クラブMADを結成、イ・サンをもとにした小説を、共同でネット上に連載することになった。しかし、そのメンバーたちが次々に謎の死を遂げていく。

 建築家であったイ・サンは、どうも、ソウル地下の金塊工場建設に係わっていたらしい。メンバーのひとりドッキは、パソコンで政府の機密情報の侵入した後、姿を消してしまう。残されたメンバーふたりは、国立中央博物館の工事現場から通じる秘密のトンネルを発見する。

スタッフ

監督:アンソニー・ドラザン

キャスト

ショーン・ペン
ケビン・スペイシー
メグ・ライアン
ロビン・ラント・ペン
チャズ・パンミンテリ
アンナ・パキン

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