原題:THE THOMAS CROWN AFFAIR

この恋、時価1億ドル! 誰にも心を許さない男と女_ 運命を賭けた駆け引きが始まった…

1999年度作品/シネマスコープ/DTS/SRD/SDDS MGM映画提供/UIP提供/1時間53分/翻訳:戸田奈津子

2010年05月21日よりDVDリリース 2007年09月21日よりDVDリリース 2007年07月27日よりDVDリリース 2005年04月28日よりDVDリリース 2000年5月1日よりDVD発売 2000年4月28日よりDVDレンタル開始 2000年4月28日よりビデオレンタル開始 1999年11月13日より日比谷映画ほか全国東宝洋画系にて公開

公開初日 1999/11/13

配給会社名 0081

解説

犯罪にしては華麗すぎる。ゲームにしては危険すぎる…。ゴージャスな頭脳ゲームに賭ける男の魅力が、敵対すべき女の心を溶かす。スリルも愛も、すべてがリッチ。大人の遊び心を溝たすラグジュアリー・サスペンス!
全米屈指の大富豪が、世界に名だたる美術館から、1億ドルの絵画を盗む。人を傷つけず、汗を流さず、確実に獲物を狙う。その男は、トーマス・クラウン。彼が次に狙いをつけたのは、事件解決に乗り込んだ女性調査員の濡れた唇と、その渇いたハートだった。
事業に成功し、うなるほどの金を持ち、空も海も自家用機で制覇する。マンハッタンの豪邸には高価な美術品のコレクション。欲しいもののすべてを実力で手にしてきた男、人生の勝者、それがトーマス・クラウンという男。なのに、彼は、名画を盗む。まるでショーのように洒落た手口で、スリルそのものを楽しむように。彼には、チャレンジだけが人生の目的だ。一方、賞金目当てに彼に接近した、保険会社の敏腕調査員キャサリンは、いつしか、ゲットする側からされる側へと変わっていく。彼女は、トーマスが仕掛けたゲームに乗った。とてつもなくエレガントな大泥棒と、女豹のような調査員。二人が賭けるものは、賞金なのか、愛なのか。世界中の賛沢が集中する大都会マンハッタンを舞台に、時価1億ドルのモネの名画をめぐり、男と女の、挑発的な駆け引きが繰り広げられる…。
主人公トーマス・クラウンに粉するのは、『007』シリーズの“ニュー・ボンド”ビアース・ブロスナン。甘いマスク・クールなセリフ、あざやかな身のこなしと魅カ全開で今回の役柄に挑んでいます。さらにこの役では、大実業家としての華麗さと、反面、満たされることのない心の渇望感をかいま見せます。対する女性調査員キャサリン・バニングには『リーサル・ウェポン3』のレネ・ルッソ。セリーヌのドレスに見をつつみ、艶やかで知的な“いい女”ぶりを最大限に発揮します。キャサリンの魅力に引かれながら仕事最優先の堅物警部マイケル・マッキャンには『ウワサの真相』などのデニス・レアリー。その相棒のパレッティ刑事には、『羊たちの沈黙』で監守を演じたフランキー・ファイソン。トーマスの身辺に出没する謎の美女アンナ役で、DKNYをはじめ、世界のトップブランドのスーパーモデル、エスター・カニャーダスが、スクリーン・デビューを飾ります。またトーマスの精神分析医に扮し、『ネットワーク』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したフェイ・ダナウェイが登場します。
監督は『ダイ・ハード』『レッド・オクトーバーを追え!』で成功を納めたジョン・マクティアナン。これまでのアクション路線を保ちながら、今回は洒落さにこだわった演出で新境地を見せます。製作は『ルビー・カイロ』の製作に関わったボー・セント・クレア。製作総指揮は『ダイ・ハード3』のマイケル・タドロス。共同プロデューサーの一人には、主演のピアース・ブロスナンが名を連ねます。脚本は『ミセス・ダウト』などのコメディを得意とするレスリー・ディクソンと、SFサスペンス『スフィア』の脚色を担当したカート・ウィマーが共同執筆。原案は、アラン・R・トラスマン。かつて、弁護士から転身して『華麗なる賭け』の脚本を執筆し、一躍、脚光を浴びた人物です。撮影は、『ディープ・インパクト』で、セカンドユニットの撮影監督を務めたトム・プリーストリー。躍動感あふれるアクションの間に、ムーディーなシーンを溶け込ませ、あか抜けたカメラワークを見せます。プロダクション・デザインは、『ディアボロス/悪魔の扉』のブルーノ・ルベオカ担当しています。彼は、物語の中心となるマンハッタン、トーマスがグライダーやカタマラン(双胴船)を楽しむコネチカット州ウエストチェスター・カウンティ、隠れ家のあるカリブ海のマルチニック島などのロケ地をアレンジしました。また、この映画のもう一つの主人公は、ターゲットとなる印象派クロード・モネの絵画“San Giorgio Maggiore So1ei Couchant(サンジョルジョ大聖堂の落日)”をはじめとする美術品の数々。これらは、パリに本拠地を置く美術品複製専門の芸術集団、トゥルベツコイ・ペインティング・リミテッドが本物そっくりに作り出しました。音楽は『ライトスタッフ』でアカデミー賞作曲賞を受賞した他、『ロッキー』シリーズや『O07/ユア・アイズ・オンリー』でも知られるビル・コンティが担当しています。都会的な音楽が全編を彩る中、『華麗なるなる賭け』の主題歌としてアカデミー賞を受賞“風のささやき”を本作のテーマ曲としてスティングが歌っています。衣裳を担当したの“ヴァニティ・フェア誌”のファッション・デザイナーを務めていたケイト・ハリントン。レネ・ルッソが着こなすセリーヌのブルガリなどの一流ファッションが、観客の目を楽しませてくれます。

ストーリー

世界中から、選りすぐりの贅沢と、果てしない欲望が集まる街、ニューヨーク。トーマス・クラウン(ピアース・ブロスナン)は、この街にそびえる“クラウン・タワー”を根城に、投資会社を切り回す。頭脳一つでのし上がった彼は、他人を信じない。精神分析医(フェイ・ダナウェイ)は、信頼、それも女性との信頼関係が今の彼の課題だと語る。暑い夏の日、ニューヨークの美術館で異変が起きていた。4人組の男が機械室に侵入。館内のエアコンを切った。さらに、男たちは、係員に変装して館内へ侵入、クラウンが美術館を訪れた時、時価1億ドルというモネの絵のあるギャラリーは、定刻前なのに閉鎖寸前だった。屋上には、ヘリコブターの影。この異変に、支配人が非常シャッターを降ろした。警官が駆けつけ、館内は大混乱だ。その時、クラウンは身を翻し、閉まりかけたシャッターをくぐり抜け、あっという間にモネの絵をブリーフケースに入れて持ち去った。実行犯は4人とも捕まえたのに、モネの絵は盗まれた。NY署のマッキャン警部(デニス・レアリー)は頭を抱えた。そこに、絵に掛けた保険の会社から派遣された調査員、キャサリン・バニング(レネ・ルッソ)が現れる。彼女はエアコンを切り、サーモセンサーを動かなくさせた真犯人の手口をたちまち見破った。また男たちの口を割らせ、4人がまったくのかき集めで、彼ら自身でさえ雇い主を知らないことをつきとめる。キャサリンは、この犯行が金目当てではないと推理する。そして、モネ愛好家のリストにあるトーマス・クラウンの名に目をつけた。大金持ちの彼が、買おうと思えば買える物を、なぜ、わざわざ盗むのか。マッキャン警部は、そんな彼女の推理に、すぐには頷けなかった。美術館の寄付金集めのパーティーが開かれた。クラウンは、盗まれたモネの絵が掛かっていたスペースにぴったりのピサロの絵を、白分のコレクションから貸し出すことにしていた。パーティー会場で、キャサリンは大胆にクラウンに近づいた。彼女は、自分が調査員であることを名乗り、犯人はクラウンだと指摘した。初めから挑発する作戦だ。一瞬、息をのむクラウン。しかし、次の瞬間、彼は、この挑発を受けて立とうとしていた。とてつもないスリルと、黒いドレスの似合うキャサリンが、彼の心を据えたから。

そんなキャサリンの行動を、マッキャン警部は捜査妨害だと非難する。そして、クラウン邸へ家宅捜索に向かうが、法的根拠に乏しく、追い返されてしまう。今度はキャサリンの番だ。彼女は、クラウンとのデート中に家の鍵を手に入れ、合い鍵を作って難なく邸に侵入した。彼の家は、それ自体が美術館のように華麗な芸術作品で埋めつくされていた。そして、キャサリンは、あのモネの絵をゲット。意気揚々と、マッキャン警部に絵を突き出した。しかし、それはただの贋作だった。してやられたのだ。怒ったキャサリンは、クラウンを追った。社交界のパーティーで、クラウンは、若く美しいアンナ(エスター・カニャーダス)と踊っていた。二人の間に割り込んだキャサリンは、クラウンと向き合い、惰熱的なリズムに身をくねらせる。その夜、二人は初めて、お互いの体を求めあった。謎めいた言葉のかけ引き、白家用グライダーでのフライト、カリブ海に浮かぶ島の別荘…。それは、一見、この上もなく豪華な、男と女の恋だった。だが、そんな時、クラウンがいつかの美女アンナと頻繁に会っていることが発覚する。キャサリンは裏切られたのか。そして、その猜疑の気持ちが、キャサリンに、プロフェッショナルとしての血を甦らせた。クラウンは、不動産を売って逃亡しようとしている。
彼は、「一緒に逃げよう」とキャサリンを誘う。だが、モネ盗難事件も大詰めだった。彼女は迷った。クラウンの家から持ち出した絵の贋作ルートがわかれば、事件解決の手がかりになる。プロとしての意識と、クラウンを愛する気持ちが、キャサリンの中で激しく交錯していた。そんなキャサリンに、クラウンは予告する。「明日の午後、美術館に盗んだモネの絵を返す」と。そして、彼は、その後で一緒に逃亡しようとつけ加えた。それは、まぎれもなく、警察への挑戦だった。と同時に、キャサリンの愛と信頼に対する、トーマス・クラウンの人生最大の賭けだった……。

スタッフ

監督: ジョン・マクティアナン
製作: ピアーズ・ブロスナン、ボー・セント・クレア
製作総指揮: マイケル・タドロス
共同製作: ロジャー・パラディソ
脚本: レスリー・ディクソン、カート・ウィマー
ストーリー: アラン・R・トラストマン
撮影: トム・プリーストリー
編集: ジョン・ライト
音楽: ビル・コンティ
衣裳: ケイト・ハリントン
プロダクション・デザイナー: ブルーノ・ルベオ

キャスト

トーマス・クラウン: ピアーズ・ブロスナン
キャサリン・バニング: レネ・ルッソ
マイケル・マッキャン: デニス・レアリー
アンドリュー・ウォレス: ベン・ギャザラ
アンナ: エスター・カニャーダス
精神分析医: フェイ・ダナウェイ

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