原題:The Real Blonde

きっと明日も迷ってる_。 クセのある男たちとクセになりそうなおんなたちがおりなす、せつなくておかしなラブストーリー。

1997年/アメリカ映画/1時間45分/アメリカンビスタ/ドルビーSRD/カラー/日本語字幕:松浦美奈 提供:KAZUIエンタープライズ、パイオニアLDC、株式会社ゲオ/配給:KAZUIエンタープライズ 配給協力:KAZUIエンタープライズ、パイオニアLDC

2000年4月25日よりDVD発売 2000年4月25日よりビデオレンタル開始 1999年9月11日よりシネヴィヴァン六本木にて公開

公開初日 1999/09/11

配給会社名 0030

解説

『リアル・ブロンド』は、マンハッタンのエンターテイメント業界、ファッション業界を舞台に、恋人たちの仕事と恋とセックス、その現実と理想のギャップや気持ちのすれ違いを鮮やかに浮かび上がらせた、ちょっと苦くてすこし優しい物語。ビリー・ワイルダーにニ一ル・サイモンにウディ・アレン、大人のための艮質なコメディは数あれど、そう、これは30歳前後、「ちょっとオトナ」たちのためのコメディなのです。クセのある男たちとクセになりそうな女たちがおりなす、せつなくておかし甘ラブストーリー。『リアル・ブロンド』は、そんな映画なのです。
監督・脚本は『ジョニー・スウェード』(ブラッド・ピット主演)でデビューしたトム・ディチロ。『リビング・イン・オプリビオン悪夢の撮影日記』『Box of Moonlight』と、夢見がちな人々のなんとも情けない姿を、決して重くなることなく、しかし観る者が思わず身につまされてしまう独特のコメディスタイルで描いてきた。第4作目となる本作ではそのセンスが今まで以上に発揮され、主人公たち、そして彼らを取り巻く多数の人々のおかしな姿を優しく、ときに辛辣に切り取っていきます。ここに登場する男たちは、理想ばかり高くてさっばり売れない役者、本物のブロンド女(リアル・ブロンド)に執着するキザな2枚目俳優、紳士風ながら男好きなレストランのオーナー、自分の教えた護身術で女にねじ伏せられるインストラクター、女性患者の告白に実は欲情していたカウンセラーなどなど。また女たちも、男とセックスに嫌悪感を抱いてし、るメイクアップ・アーティスト、自分を捨てた男が忘れられないモデル、スキ者の昼メロ女優、マドンナの「吹き替え」担当の女優の卵、写真のためなら手段を選ばない女流カメラマン…。要するに風変わりな連中ばかり。しかし、一見華やかなショウビジネスの世界を舞台にしながらも、その片隅で理想と現実にもがき、そもそもその理想は本当に自分が求めているものなのかもわからず、迷子のようにさまよう彼らの情けない姿に、観る者は最初は笑っていても、ふと気づくとそんな登場人物の誰かにシンクロして「そうそう、そうなんだよ」と頷くことしきり。脚本・演出俳優のアンサンプルがとにかく巧みです。主演のジョーを演じるのは、キュープリック、アルトマン、アラン・パー力一ら巨匠監督たちの作品出演が多いマシュー・モディン。その恋人メアリーには、トム・ディチロの全作品に出演しているキャサリン・キーナー。2人それぞれの友人ボプとサハラには、本作でブレイクしたマックスウェル・コールフィールドとブリジット・ウィルソン。脇を固めるのも『スプラッシュ』のダリル・ハンナ、『ショーガール』のエリザベス・バークレー、『バック・トゥ・ザ・フユーチャー』のドクことクリストファー・ロイド、『シリアル・ママ』のキャスリン・ターナー、数々の賞に輝くベテラン舞台女優のマーロ・トーマス、『卒業』『誘う女』の脚本家としても有名なバック・ヘンリーとクセ者ぞろい。そして最強のクセ者、『リビング・イン・オブリビオン』でしがない映画監督を演じたスティーブ・プシェーミも特別出演、出世したのか(?)マドンナのプロモビデオの監督役で登場します。

ストーリー

近所の老婆が散歩中、愛犬を泥棒にさらわれてしまうなんてことが起きる、そんな日。35歳になるジョー(マシュー・モディン)はアルバイトでウェイターをしてる失業中の役者。ジョーと同居する恋人メアリー(キャサリン・キーナー)はメイクアップ・アーティスト。2人はつきあって6年になるが、最近セックスもこ無沙汰だ。今も、ゴムをつけるかつけないかなんてことでモメてしまい、結局久しぶりのお楽しみはお預け。同じ売れてない役者でも、ポブ(マックスウェル・コールフィールド)はナンパしたモデルのサハラ(ブリジット・ウィルソン)と一夜を過ごしていた。毎日のように路上でヒワイな言葉をかける中年男をやりすごし、仕事場のスタジオヘ向かうメアリー。今日の撮影のモデルはサハラだ。アルバイトに向かったジョーが、ふとカフェを覗くと、そこにはなんとも言えぬいい女が。思わずその女・ティナ(エリザベス・バークレー)の前に座り、「どこかで会った?」と常套句を切り出すジョー。すると彼女は「いますぐフェラしてあげたい」とジョーの目を見つめ…なんてことが起こるはずもなく、ジョーは妄想を振り払ってバイトに急いだ。バイト先のレストランでは、同僚のボブから、昼メロの主演が決まったなんてことを聞かされ、ジョーは羨ましくってしょうがない。おまけに、ぼんやりしていたらオーナーのアーネスト(クリストファー・ロイド)に怒られる始末。しかし、仕事帰りにエ一ジェントに出向き、ディディ(キャスリン・タ一ナー)の面接を受けるとマドンナのクリップ出演が決まる。しかしその夜、ジョーとメアリーはまたゴムをつけるかつけないかでケンカしてしまう。
2週間後、その朝、メアリーは仕事に向かう途中、またいつもの下品男に出会った。堪忍袋の緒が切れ、男をキッと睨みつけると男は股間をおさえて苦み出した。そう、実は彼女は超能力者だった…なんてことはあのはずもなく、ためいきをひとつついて早足で過ぎ去るメアリー。サハラにすっかり飽きていたボブは、昼メロの共演女優ケリー(ダリル・ハンナ)に控室で口説かれる。ドラマの視聴率はうなぎ上りだし、ボブはブロンドが好きだしで言うことなしの絶好調。仕事帰りにカウンセラーの先生に勧められた護身術の教室へ向かうメアリー。インストラクターに筋がいいと褒められ上機嫌で、帰るとめずらしくジョーをベッドに誘う。が、そんなと劃こ限ってジョーは明日の撮影が気になって気もそぞろ。またまた険悪なムードになってしまう2人。
翌日。クリップの撮影現場に行ってみると、そこにはジョーと同じように海パン姿の男たちがウヨウヨいた。ほとんどエキストラみたいなものだ。監督(スティーブ・ブシェーミ)から、どんどん目立たない位置に追いやられていくジョー。休憩時間、マドンナに思い切って声をかけると、彼女は「吹替え」だった。名前はティナ。しかしその後、ジョーは助監督にたて突いてしまい、追い出されてしまう。
ボブに捨てられたサハラは仕事にも来ないで泣いている。しかし、実はボブもケリーが相手だとまったく「ダメ」なのだった。ケリーにバカにされ落ち込んだポブは、ふらふらとサハラの家にやってくる。ふてくされて帰宅したジョーは、追い打ちをかけるようにインストラクターのBMWから降りてくるメアリーを目撃してしまう。またまた、険悪な雰囲気になってしまう2人。
1週聞後。今日はイタリア系男性モデル・ルビオとサハラの撮影だが、いざというときにルビオはオナラをブッ、恥ずかしさのあまり泣きだしてしまう。そんなルビオを、サハラは母のようにゆっくりと抱きしめる。そして、その瞬間に撮られた写真はポスターとなって街中に貼り出されるのだった。カウンセリングに訪れたメアリーは、男性嫌悪を相談していたのに、こともあろうに先生からもヒワイな想像をしたと告白されてしまう。怒り心頭で飛び出したメアリーは、護身術の教室で1週聞前クルマの中でキスされそうになったインストラクターを思いっきりけっ飛ばす。ジョーはアルバイトの帰りにオーディション会場へ向かった。相手役を務めるのは偶然にもティナ。このところのうっぷんを晴らすかのように、台詞に思いを込め迫真の演技をするジョー。ディディは驚き、さっそくジョーを映画に抜擢する。祝杯をあげようとジョーとティナはクラブにやってきた。酔っ払いながらいい雰囲気の2人。しかし、ティナと思わずそうなりかけた瞬閤、ジョーは最後の理性をフル稼働して家へと戻った。そしで、メアリーと2か月ぶりに抱きあい、今まではない激しいセックスをするのだった。ゴムなしで。そのころ、サハラは結婚することが決まったボブに、本当の自分になるために染めていたブロンドを元に戻すわと告げた。その日は、ずっと行方不明だった愛犬が飼い主の老婆の元に帰ってくるなんてことが起こる、そんな朝だった。

スタッフ

製作: マーカス・ヴィシディ、トム・ローゼンバーグ
監督・脚本: トム・ディチロ
美術監督: クリストファー・ノワーク
撮影監督: フランク・プリンジ
編集: カミーラ・トニオロ
衣裳デザイン: ジェニファー・ヴォン・メイラウザー
音楽: ジム・ファーマー

キャスト

マシュー・モディン、ダリル・ハンナ、ブリジッド・ウィルソン、マーロ・トーマス、クリストファー・ロイド、
キャサリン・キーナー、エリザベス・バークレー、マックスウェル・コールフィールド、
キャスリン・ターナー、スティーブ・ブシェーミ

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