おかしな二人2
原題:The Odd Couple II
やっぱりおかしな、でも素敵な二人組。 いくつになっても、恋のときめきを…!
1998年度作品/提供:パラマウント映画/配給:UIP配給/シネマスコープ 翻訳:杉田朋子/1時間36分
1999年2月20日よりスバル座にて公開
公開初日 1999/02/20
配給会社名 0081
解説
コメディ史上最強にして最高人気コンビのフィリックスとオスカー。あの『おかしな二人』が30年ぶりに再びコンビを組んだのが、この『おかしな二人2』です。神経貫で几帳面で潔癖なフィリックス・アンガー(ジャック・レモン)と、いい加減で乱雑でずぼらなオスカー・マジソン(ウォルター・マッソー)が、ニューヨークのアパートを舞台に、にぎやかな騒動を繰り広げる『おかしな二人』(68)は都会派コメディの名手二一ル・サイモンの傑作。もとは、マイク・ニコルズが演出したブロード・ウェイの大ヒット舞台劇です。
この有名なコンビが、まさか30年後に再会することになるなんて。前作を知る観客には二倍の喜びを、コンビと初対面の観客には新鮮な楽しみをもたらしたのが、この『おかしな二人2』なのです。もっとも、『おかしな二人』のフィリックスと才スカーの当人たちは戸惑ったに違いない。なにしろ、かつて二人は大げんかをし、いまやフィリックスは30年前と同じニューヨークに、オスカーはフロリダのサラソタで引退生活をしていたのだから。二人の子供たちが結婚することになるなどとは思ってもみませんでした。
とはいえ、前作に続いて30歳老いたフィリックスとオスカーを演じたジャック・レモンとウォルター・マッソーは、役との再会と共演者との再会の両方を喜んでいる。レモンは「故郷に帰って来た感じだ。二人とも波長が合って、コメディに対する考え方が同じだから」と言い、マッソーは「レモンと俺とがこんなにうま<いくのは全く正反対だからさ。奴は背が低くて顔も悪い。俺は長身で見栄えもする」と笑う。ともあれ、この二人が俳優としても役の上でもコメディ映画史上に輝く名コンビなのは間違いありません。
撮影は97年6月にロサンゼルスで始まり、カリフォルニア南部や中部の農業地帯など広範囲でロケが行われました。ちなみに、映画のなかで主人公たちが目指す町サンマリーノは架空の町です。主人公たちに降りかかる最大の災難のタネとなるテルマとホリーは『おかしな二人』に登場するピジョン姉妹のいわゆる裏ヴァージョン。テルマ役のクリスティン・バランスキーは、サイモン作品『ルーモアース』でトニー賞を受賞しています。さらには、ブルース役のジョナサン・ジルバーマンとハンナ役のリザ・ウェルチはともに『ブライトン・ビーチ・メモアール』の舞台を踏んでいるように、キャストには二一ル・サイモン・ファミリーともいうべき演技派俳優がそろい、画面に温かさを醸し質を高めています
ストーリー
フィリックス・アンガー(ジャック・レモン)とオスカー・マジソン(ウォルター・マッソー)。この二人が、それぞれの妻に離婚され奇妙な共同生活を送ったのは、30年前のニューヨークでのこと。几帳面で潔癖症のフィリックスと、万事に大雑把でだらしないオスカーとが共に心安らかに暮らせるわけもなく、大騒動といがみ合いを練り返したのだった。まあ、ハタから見れば大いに笑える「おかしな二人」ではあった。いま、フィリックスは相変わらずニューヨークに住み、オスカーはニューヨークを離れてサラソタで仲間とポーカーに興じる日々を送っている。
もう2度と会うはずもない「おかしな二人」が、なんという運命のいたずらか、17年ぶりに再会した。フィリックスの娘ハンナ(リズ・ウォルツ)とオスカーの息子(ジョナサン・シルバーマン)がロサンゼルスで出逢い、結婚することになったからだ。サンマリーノという小さな町で挙げられる子供たちの結婚式に出席すべく、フィリックスとオスカーはロサンゼルスの空港で落ち合う。そこからはレンタカーでサンマリーノに向かう計画だ。オスカーの運転で意気揚々と出発したまでは良かったが、高速道路で迷ったあげく、フィリックスのスーツケースをレンタカー事務所に置き忘れたことからケンカを始めた二人は、はずみで車を岸から落とし壊してしまう。仕方なくヒッチハイクをする二人がようやくキャッチしたのは人の良さそうなメキシコ人が運転する青果トラック、荷台には青果ならぬ不法入国者を満載していたのだった。警察の検問に引っかかり、それが分かったときには運転手はとっくに姿をくらました後で、フィリックスとオスカーは逮捕されてしまう。すぐに無罪と分かり釈放された二人は、その夜は小さなまちのホテルに泊まることにした。ところが、オスカーがバーでテルマ(クリスティーン・バランスキー)とホリー(ジーン・スマート)という二人の女性をナンパしようとしたことから、さらなる災難が始まる。
翌朝、フィリックスとオスカーは親切な申し出をしてくれたボーモント(バーナード・ヒューズ)の車に乗せてもらうことにした。彼が運転してきたのは、なんとも優雅なロールス・ロイスだ。ただし、このロールス、走りっぷりまで優雅で、自転草やハイカーにまで抜かれたうえ、とうとう止まってしまった。それも当然、ボーモントは安らかに天に召されていたのだった。
通りかかったパトカーに見とがめられたフィリックスとオスカーは再び警察に連れて行かれる。ニ度も続けて連行された男二人に、署長はウンザリ頭でサンマリーノ行きのバスに乗るよう勧めた。ところが、フィリックスとオスカーが乗ったバスに偶然乗り込んできたのが、かのテルマとホリー。しかも、彼女たちの夫が追って来て銃で脅し、テルマとホリー、それに彼女たちの連れだと思い込んだフィリックスとオスカーをバスから引きずり下ろす。あわや、というところを駆け付けた警察に救われたものの、再び警察署に連行されてきたおかしな二人に署長はウンザリの上にもウンザリ。とうとう飛行場まで送ってやるから飛行機でサンマリーノに行くように、と言うのだった。
一方、式当日だというのに花嫁と花婿の父親がまだ到着していないサンマリーノ。親戚一同が集まってフィリックスとオスカーの心配をしながらも、式の準伽で賑わっている。そんな華やかな雰囲気をよそに、ブルースは突然のマリッジ・ブルーに襲われていた。果たして、フィリックスとオスカーは無事に式場にたどり着けるのか。はたまた、子供たちの結婚式は挙げられるのだろうか。おかしな二人の行<ところ、トラブルは絶えない。
スタッフ
監督: ハワード・ドイッチ
脚本: ニール・サイモン
製作: 二一ル・サイモン、ロバート・W・コート、デビッド・マッデン
撮影: ジェイミー・アンダーソン
プロダクション・デザイナー: ダン・ビショップ
編集: セス・フラウム
衣装: リサ・ジャンセン
音楽: アラン・シルベストリ
キャスト
フィリックス: ジャンク・レモン
オスカ: ウォルター・マッソー
ブルース: ジョナサン・シルバーマン
ハンナ: リザ・ウォルツ
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