MOVIE STORM 日本映画界に"嵐"が吹き荒れる! 5人の監督による5色のセクシャルストーリー! シリーズ第3弾作品

1999年/カラー/ヴィスタサイズ/ステレオ/72分 配給:ギャガ・コミュニケーションズ

2000年7月7日よりビデオレンタル開始 2000年5月20日より ”MOVIE STORM”第3弾、BOX東中野にてレイトショー決定! 2000年6月24日より ”MOVIE STORM”第3弾、大阪・シネ・ヌーヴォにてレイトショー決定!

公開初日 2000/05/20

配給会社名 0025

解説

日本映画界がミレニアム、新たなる千年紀に向けて発進する新レーベル”MOVIE STORM”。
”エロス”という同一テーマのもとに、個性豊かな日本映画界の異才監督たちがその手腕を競う、ヴィジュアル新世紀のアナーキーなプロジェクトだ。
全5作品のシリーズ中、既に望月六郎監督『通貨と金髪』、中原俊監督『歯科医』が公開され、各方面に大きな話題を呼んだばかりである。
第3弾に放つのは、不思護な能力を持つ女性のエロスを追求した『透視する女』で、メガホンをとるのはこのプロジェクトのエグゼクティブ・プロデューサーである伊藤秀裕監督、満を持しての登場だ。
かつて師事した鬼才・神代辰巳監督の死後、彼があたためていた企画『男たちのかいた絵』(’96)を監督。神代の遺志を継いだ佳作として、また豊川悦司の新たな魅力を引き出した話題作として高く評価されたのは記憶に新しい。山崎洋子原作の官能サスペンス『柘榴館』(’97)では,清水美砂の妖しい美しさを一皮むいてみせた手腕も評判を呼んだ。
近年は、監督としてももちろんの事、制作会社エクセレント・フィルムのプロデューサーとして、一般映画やオリジナル・ビデオを多数製作するなかで、今を時めく世界の三池崇史監督や、望月六郎監督ら若手にチャンスを与え、新しい日本映画を担う才能を次々と育成していることで名をはせている。今作はそうした若手の才能に刺激されたかのごとく、男たちが抱いた妄想を赤裸々に暴くべく、斬新でシュールなエロスに挑むのだ。
美しく、聡明な女性、山岸和美はごく平凡なOLだったが、他人にはない不思議な感覚、奇妙な能力を持ち、時としてそれに悩まされていた。ふいに他人の視線を感じるとき、自分に向けられた他人の淫らな欲望と妄想を透視してしまうのだ。電車に乗れば痴漢される自分の姿を見、ピザのデリバリーを注文すれば配達員にレイプされる痴態を見る。公園に行けぱおだやかそうな老人さえSM調教の淫妄を見、同僚のOLの妄想にも自分とのレスを透視してしまうのだ。何故、他人の妄執にさらされなくてはならないのか!?それとも究極の自意織過剰なのか!?だが、最近、和美はとある病院の前を通るたびに、誰の妄執とも知れぬ強烈なヴィジョンを見てしまう。それは白い肌が斬り裂かれ、内臓がむさぼられ_。はたして、それは私なのか一。見えぬ相手の邪な心を読んでしまった和美が死の淵へと追いつめられる。
一方的に他人の欲望と向きあわされるヒロインは被害者なのか。いや、無防備な欲望を覗いてしまうヒロインが加害者なのか。老若男女、あくことなき、あらゆる性的妄想がスパークする赤裸々な世界。性的妄想の行き着く先は死の恍惚。彼女には他人には見えないものを見ることができる、シックス・センスを超えた“セックス・センス・エロス”!
主演は、”少女隊”のメンバーから女優に転身、「蘇る金狼」(’98)などの安原麗子が、大人のエロティシズムに挑戦。妄想を通じて多様なセクシャリティに体当たりする。
共演は、和美の恐怖心をいやす情熱の男に「さわこの恋」(’90)、「ジゴロ」(’91)などの池田政典、初々しい後輩OLに、グラビアで活躍中の新人・美崎涼香。また、和美を追いつめる謎の男に、「ワイルド・ゼロ」(’99)での怪演で話題を集めたスキンヘッドの怪人・稲宮誠が演じる。
脚本は伊藤秀裕監督自らが手掛ける入れこみぶりで、周防正行や水谷俊之に次ぐユニット・ファイブ最後の隠れた大物といわれる米田彰と共作。撮影は渡辺武、音楽は「DEAD OR ALIVE」の遠藤浩二があたった。

ストーリー

美しく聡明なOLの山岸和美(安原麗子)は、いつものように足早に駅へと向かった。とある病院の前を通りかかる和美。サングラスの車イスの男(稲宮誠)が病院の窓に浮かぶ。和美は一瞬、女体の乳首にメスがはう幻影を見た気がした。
平凡なOLだが、和美には他人にない奇妙な能力があり、長い間それに悩まされていた。不意に自分に向けられた他人の淫らな欲望と妄想を透視してしまうのだ。会社に行げば自分とやりたがっている上司の妄想を覗き視てうんざりし、電車に乗れば回りの男たちに痴漢される自分を見てしまう。帰宅後も気は休まらない。ピザを注文すれば配達員のレイプ妄想にさいなまれる始末。
そんな和美も、出入りの営業マン・山岸静夫(池国政典)の存在には癒された。山川の視線からは、いまわしい妄想を透視する事はなかったのだ。
今日もまた、出勤途上、病院の前で女の白い肉体が斬りきざまれるヴィジョンを感じた。これは誰の視線!?この女は私なの!?和美にも解からない幻影だった。
会社の昼休み。後輩OL・石原由梨(美崎涼香)との昼食では彼女のレズ願望がうっとうしく、夜の飲み会ではカウンターの男のSM視姦がわずらわしい。
翌日出勤する和美を、またしてもあの幻影が襲う。今度は確かに自分の内臓が抉られるのを視た和美は倒れこみ、その病院にかつぎ込まれた。
医師の淫らな欲望にさらされ意識が戻る。廊下を、看護婦に押された車イスの男がよぎったが、その後姿からはまったく“気配”が感じられなかった。公園で散歩する老人さえ、私をボンテージで縛り上げたいと夢想しているのに、あの生気のなさは何なの!?夜毎、和美はうなされるのだった。
ある目、和美のアパートに小包がとどく。包みを開けた和美の顔が恐怖でひきつった。中身は病院の中庭にいた兎の血まみれの足だった。和美は山川に救いを求めた。“山川さんが声をかけてくれなかけれぱ、いつまでもここを動けなかった”“自分の世界に入りこみすぎるんですね”“いいえ、他人の世界から逃れるためだわ…私を抱いて”。車の中で求めあい、山川の情熱に身をゆだね、和美はのぼりつめていく。
一方、病院では巡回の看護婦が何者かに殺されバスタブに浮いていた。あの車イスに乗った男の仕業なのか、それとも。
夜道を急ぐ和美は、何かの気配を感じ、体が動かなくなった。“何かが近づいてくる、まさか…。”その時、和美の“透視”は怖るべき現実となって襲いかかってきた

スタッフ

監督:伊藤秀裕
脚本:伊藤秀裕・米田彰
音楽:遠藤浩二
撮影:渡辺武
照明:岩崎豊
録音:小林徹哉
編集:矢船陽介

エグゼクティブプロデューサー:伊藤秀裕
プロデューサー:佐藤敏宏、板谷健一、林正樹
制作:エクセレントフィルム
製作・配給:GAGA㈱ギャガ・コミュニケーションズ
配給協力・宣伝:LIBERO

キャスト

山岸和美:安原麗子
山川静夫:池田政典
石原由梨:美崎涼香
謎の男:稲宮誠

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