原題:THE BLACK HOUSE

この人間には、心がない−−−−−−− 世紀末、恐怖はあなたの間近に迫っている・・・!! 現代人の心の闇をえぐりだす リアル・サイコ・サスペンス誕生!!

第4回日本ホラー小説大賞受賞作

1999年日本映画/120分/カラー/シネマスコープ/ドルビーステレオ/ 配給:松竹

2008年09月05日よりDVDリリース 2000年4月5日よりビデオレンタル開始 1999年11月13日より、丸の内プラゼールほか松竹洋画系で公開予定。

公開初日 1999/11/13

配給会社名 0003

解説

世紀末、恐怖はあなたの間近に迫っている……!!
情報が交錯し、ものに取り憑かれたこの時代に、心を荒廃させて”何か”に変貌した存在が確かにある……そして、心がない”何か”は突然に牙をむいて襲いかかってくる!
こうした日常に潜む恐怖世界を描き続げてベストセラーを連発し、日本のホラー小説に新風を吹き込んでいる貴志祐介は、現在、映画界から熱い注目を浴ぴている。その彼の最高傑作の呼ぴ声が高い、97年日本ホラー小説大賞受賞作で、発売以来83万部を超えるベストセラー「黒い家」(角川ホラー文庫刊)。
現代日本の世相を予見したような切り口の鋭さと、緻密かつ大胆なストーリー展開から、映像化が不可能とも言われたこの傑作サイコ・サスペンスが遂に映画化される。
平凡な保険会社の社員・若槻慎二がたまたま取った一本の電話。いつもの会社での習慣から、彼は血も凍る恐怖世界に引きずり込まれる。
家が、職場が、自分の住んでいる世界が、じわじわと”何か”に侵略される怖さ。誰にでも起きかねないこのリアリティをはらんだストーリーに挑むのは、『失楽園』『39 刑法第三十九条』で社会現象を巻き起こした森田芳光監督。
時代の感性を先取りした作品を撮り続けてきた才人が、今回は深遠なる心の闇の世界に挑戦する。
脚本は前作『39 刑法第三十九条』で森田監督とコンビを組んだ大森寿美男。原作のエッセンスを汲みながら、あたらしい幕切れを用意している。この脚本をもとに、森田監督は、綿密な計算と伏線をめぐらしながら、練りに練った演出を披露、作家性と大衆性が高い次元で見事に融合したエンターテイメント大作を創り上げた。
出演者も異色の顔ぶれが並ぶ。『(ハル)』で清々しい演技をみせた内野聖陽、『鉄道員 ぽっぽや』での熱演が光った大竹しのぶに加えて、『ラヂオの時間』などコミカルな演技で人気を博した西村雅彦がシリアスな演技で不気味な役柄に挑戦。さらに田中美里、石橋蓮司、小林薫らが脇を固める。
思わず「この人間には心がない」と叫びたくなる。背筋も凍る、傑作リアル・サイコ・サスペンスが、この秋、日本中を震撼させる!!

ストーリー

日常は、たった1本の電話で、異常へと変貌した。
日本海に突き出した能登半島の根元に位置する古都・金沢。昭和生命北陸支社に勤務する若槻慎二(内野聖陽)は、保険金の請求書類に埋もれ苦闘する日々を送っていた。悲惨な事故で給付金の申請を行う例が多いが、なかには、保険金を騙し取ろうとする人々も存在する。窓口主任として請求に対処しながら、上司の葛西好夫(石橋蓮司)とともに本社の決定に従って行動するのが彼の業務。悪質なケースでは、本社のさしむける”潰し屋”三善茂(小林薫)の力を借りて契約解除にもっていくことまでしなければならなかった。そうした激務の唯一の慰めは、大学で心理学を研究する恋人・黒沢恵(田中美里)と過ごす時間だった。
ある日、若槻は”自殺でも保険金は下りるのか”という問い合わせの電話を受ける。電話の声は中年の女性で、その思いつめた声の様子に、思わず自殺を思いとどまるように諌めたが、相手は彼の名前を確認すると電話を切った。
翌日、若槻は菰田重徳(西村雅彦)と名乗る契約者から名指しのクレームを持ち込まれる。さっそく住所を訪ねた彼の前にあったのは、凶凶しくも不気味な黒い家だった。その住人である菰田の得体の知れない空ろさと異常さに慄黙とする若槻。菰田の勧めで家に上がった若槻は、そこで菰田の息子・和也の首吊り死体を発見する。通報を受けて、松井刑事(町田康)を中心とする警察が捜査をはじめるなか、若槻は家に駆け寄ってくる重徳の妻・幸子(大竹しのぶ)の姿を見た。
和也は保険に入っていた。葛西と若槻が調べていくうちに、菰田重徳は札付きの存在であることが分かる。息子殺しの疑惑がむくむくと生まれるなか、翌日には幸子が、次の日からは重徳が、保険金の請求の為、窓口に日参するようになった。重徳の態度の異常さに恐怖を覚え、その前歴を調べ上げる若槻に、恵の心理学研究室の助教授・金石克巳(桂憲一)は重徳が情性欠如者の疑いがあると言い切った。
その日を境に、若槻のまわりには不審な出来事が頻発するようになる。だが、それは究極の恐怖の序章に過ぎなかった・・…

スタッフ

製作総指揮:角川歴彦、大谷信義
エグゼクティブ・プロデューサー:原正人
監督:森田芳光
原作:貴志祐介(角川ホラー文庫刊)
脚本:大森寿美男
プロデューサー柘植靖司、三沢和子、山本勉
撮影:北信康
照明:渡辺三雄
美術:山崎秀満
録音:柿澤潔
編集:田中慎二
助監督:杉山泰一
製作担当:望月政雄、橋本靖
音楽プロデューサー:浅沼一郎
音楽:山崎哲雄
主題歌:「chronopsychology」m-flo(rhythm zone)
製作:『黒い家』製作委員会
製作プロダクション:アスミツク・エースエンタテインメント
配給:松竹

キャスト

若槻慎二……内野聖陽
菰田重徳……西村雅彦
黒沢恵……田中美里
松井刑事……町田康
金石克巳……桂憲一
三善茂……小林薫
角藤……伊藤克信
大迫外務次長……菅原大吉
木谷内務次長……佐藤恒治
橋本教諭……小林トシ江
大西光代……友里千賀子
波多野医節……鷲尾真知子
葛西好夫……石橋蓮司
菰囲幸子……大竹しのぷ

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