原題:MAN ON THE MOON

第57回ゴールデングローブ 最優秀作品賞(コメディ・ミュージカル部門) 最優秀主演男優賞(ジム・キャリー) 全米放送映画批評家協会 最優秀作品賞 ゴールデン・サテライト賞 最優秀主演男優賞(コメディ部門) ボストン映画批評家協会賞 最優秀主演男優賞(ジム・キャリー)

2000年/アメリカ/上映時間:1時間59分/スコープサイズ/ドルビーSRD/SDDS/ 日本版字幕:石田泰子/字幕協力:みのわあつお

2000年10月25日よりビデオ発売・レンタル開始 2000年6月10日より日本劇場ほか全国東宝洋画系にてロードショー 2000年10月25日DVD発売開始!

公開初日 2000/06/10

配給会社名 0589

解説

映画『マン・オン・ザ・ムーン』は、35歳でこの世を去ったアメリカの伝説の天才コメディアン”アンディ・カフマン”の生涯にまつわる物語である。そして、わずかな年月の間に、スターとしての頂点を極め挫折した早すぎた才能の軌跡を、たった一人、彼を理解し、支え億けた恋人リンのまなざしから描いた、哀しくも切ない愛の物語でもある。

 「カッコーの巣の上で」(75)「アマデウス」(84)で2度のアカデミー賞に輝くミロシュ・フォアマン監督は、「ラリー・フリント」(96)でゴールデングローブ賞を受賞した若手脚本家コンビ、スコット・アレキサンダーとラリー・カラズウスキーと組んで、コメディの天才ジム・キャリーを起用し、アンディ・カフマンがスタンダップ・コメディーで注目を集め始めた頃から、伝説の死を遂げるまでの過激なジョークと、数々の伝説に包まれた短くも類まれなる人生を見事に描き出した。

 強豪ぞろいのオーディションを勝ち抜いて見事主役の座を射止めたジム・キャリーと共演するのは、「カッコーの巣の上で」にも出演し、TVシリーズ「タクシー」ではアンディ本人とも共演しているダニー・デビート。彼は長い間苦労の絶えなかったアンディのマネージャー、ジョージ・シャピロを演じている。アンディの恋人リンには「ラリー・フリント」「200本のたばこ」(99)等で注目を集める歌手のコートニー・ラヴ。アンディと掴み合いになるプロデューサー、ジャックを演じているボブ・ズムダは、この映画のエグゼクティブ・プロデューサーの一人であり、実生活ではアンディの親友兼ネタ・ライターでもあった。映画では彼の役をポール・ジアマッティが演じている。また「サタデー・ナイト・ライブ」で共演していた当時の仲間違が、多数カメオ出演して映画を盛り上げ、ラスベガスの有名なラウンジ・シンガー、トニー・クリフトンも実名で登場する。

 加えてフォアマン監督は、製作チームに傑出したメンバーを集めた。アカデミー賞の常連で撮影・美術をこなすアナスタス・ミチョス、プロダクション・デザイナーのパトリツィア・フォン・ブランデンスタイン、編集のクリストファー・テレフセン、リンジー・クリンクマンなど、細部にわたって神経を行き届かせるフォアマン・チームとも称されるベテランを配し、本作に賭ける意気込みには、並々ならぬものが感じられる。

 また映画のメインテーマには、R.E.M。のマイケル・スタイプが、尊敬するコメディアン・アンディに捧げた”MAN ON THE MOON”が使われており、サウンドトラックもR.E.M.が初めて本格的に担当し、新曲も披露している。

 いま、もし彼が生きていれば…そんな”夢”をスクリーンの上でかなえた『マン・オン・ザ・ムーン』は、しかし、ただそれだけの映画ではない。多くの人に理解されなくても、たった一人、愛する人の支えと微笑みがあれば、いつかきっと、想いは報われる…信じることの素晴らしさ、愛の強さを静かに観客に語りかけてくる。

 劇場を後にした時、あなたはこう、つぶやくだろう…
 やっぱり、人間っていいな、と。

ストーリー

カタカタと映写俄が廻りだし、スクリーンにモノクロ映像が映し出される…。
素晴らしい、この世界−そぞろ歩こう、玉に合わせて愛する人と歩げば、笑顔も広がる
空には星が、空には星がいっぱい 川には歌が、川には歌がいっぱい
どんな人の心も感謝しよう、この温かい世界にこの温かい世界に、感謝しよう
ありがとう、やさしくて温かい世界をありがとう 「This Friendly World」より
”さよなら”
祭壇に映し出されたアンディの映像に合わせて、みんなが肩を組み歌っている…涙をいっぱい浮かべながら。リンは、アンディのすべてを愛した。短いながらも波乱に富んだ時を思い出していた。アンディがどんなに理解されなくても、笑顔を求め、月のように照らし続けた々との蜜月と離別の日々。リンだけが彼を理解し、支え、太陽のように照らし続けた。

アンディは、一風、変わっていた…。普通の子供達が大好きな、ボール遊びやフザケッコより、TVショーの物まねが好き。そして、何よりも人を笑わせるのが好き。両親に叱られても決して悪びれず、弟妹達を観客に舞台を演じ続ける。”僕の芸で、カーネギーホールの舞台に立つんだ…”アンディの夢は大きくふくらんでいった。10数年後、各地のコメディ・クラブを転々とする、アンディの姿があった。しかし、懸命に舞台を勤めても、お客にはまったく受けない。それでも彼の情熱は衰えることなく、次々と新しいネタを生み出し、しだいに観客の心を掴んでいった。そして、ついにチャンスが巡ってくる。彼のジョークとプレスリーの物まねが、有名なプロモーター、ジョージ・シャピロの目に留まったのだ。こうして1975年、アンディはシャピロのマネジメントで、人気絶頂の生コメディ・ショー、NBCの新番組「サタデー・ナイト・ライブ」に最初のゲストとしてTVデビューを果たす。まさにテレビが娯楽の王様として世界に君臨し始めた第1歩こそ、アンディのスーパー・スターとしての第1歩でもあった。時にアンディ・カフマン、26歳。長い下積みを経て握った、夢への切符だった。

彼はスターへの階段を上り始める。そして、アンディの人気を決定的にしたのが、ABCの国民的番組「Taxi」の愛すべきキャラクター、ラトカ。1978年9月から83年の7月まで放送されたこの番組が、同時に、彼の栄光と挫折も象徴することになる…。
スーパー・スターとなったアンディだったが、心の中は満たされない。ひそかにヨガの教えを学び、精神の均衡を保ってはいたが、時代が追いつけないほどに進んだ彼のパフォーマンスは、しだいに過激に、より本物らしくなり、家族や親友さえも、見分けがつかなくなって行く。分身として生み出したトニー・クリフトンの暴走が始まったのも、この頃だった。人気の絶頂で、アンディは突然、男女混合プロレスのチャンピオンを名乗り、悪役を演じ、観客を怒らせ、その早過ぎた才能は誰にも理解されなくなって行く。ただ1人、恋人のリンを除いて。それでも彼は突き進む。ついには、TVで喧嘩を仕掛け、番組を降板させられるなどの事件を起こし、アンディは誤解と中傷に包まれて、しだいに忘れ去られようとしていた。ちょうどその頃、アンディはガンに冒されていることを知った。しかし、リン以外は、家族すらも信じてくれない。深い絶望の中で、アンディは念願だったカーネギーホールの舞台に立つことを決意する。すべてを自らの手で演出した、カーネギーホールの華やかなショー。来場者全員に振舞われたミルク&クッキーのプレゼント…。死期の近いことを悟ったアンディの、最後のパフォーマンスだった。

1984年5月16圓。アンディは35歳の若さでこの世を去った…。
それから1年後−−−。場末のクラブで歌うトニー・クリフトンの姿があった。それを見つめるリンの姿も。果たして、アンディは本当に死んでしまったのだろうか?

スタッフ

製作総指揮:マイケル・ハウスマン
共同製作総指揮:ジョージ・シャピロ、ハワード・ウエスト、ボブ・ズムダ
製作:ステイシー・シェーア、ダニー・デビート、マイケル・シャンバーグ
監督:ミロシュ・フォアマン
脚本:ラリー・カラズウスキー、スコット・アレクサンダー
撮影監督:アナスタス・ミチョス
プロダクション・デザイナー:パトリツィア・フォン・ブランデンスタイン
編集:クリストファー・テレフセン、リンジー・クリングマン
キャスティング:フランシ−ヌ・メイズラー
衣装:ジェフリー・ガーランド 衣装
音楽:R.E.M.

キャスト

アンディ・カフマン:ジム・キャリー
ジョージ・シャピロ:ダニー・デビート
リン・マーグリース:コートニー・ラブ
ボブ・ズムダ:ポール・ジアマッティ
メイナード・スミス(ABC重役):ヴィンセント・スキアヴェリー
ド・ウェインバーガー:ピーター・ボナース
スタンリー・カフマン:ジェリー・ベッカー
ジャニース・カフマン:レスリー・ライルス
クラブ経営者:ジョージ・シャピロ
ジャック・バーンズ:ボブ・ズムダ

本人自身がカメオ出演
ジェリー・ローラー
J.アラン・トーマス
ランダル・カーヴァー
ジェフ・コナウェイ
バド・フリードマン
メリル・ヘナー
ジャド・ハーシュ
キャロル・ケイン
デビッド・レターマン
クリストファー・ロイド
ローン・マイケルズ
ポール・シェーファー

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