原題:the Apple

全世界で人気、不思議なりんごの夢のメルヘン。 その日、マスメとザーラは生まれて初めて家を出て夢の世界への冒険に出発した。 実話から美しいメルヘンが誕生。18才、イランの天才少女監督サミラの第1作

☆1998年カンヌ映画祭<ある視点>正式選出作品 ☆1998年ニューヨーク映画祭招待作品 ☆東京国際映画祭正式出品 ☆ロンドン映画祭招待作品

1998年イラン・フランス・オランダ合作/イラン映画(ペルシャ語) 1時間26分/フランス映画社配給パウ・シリーズ作品/ 製作:MAKHMALBAF PRODUCTIONS、MK2 PRODUCTIONS 製作協力:HUBERT BALS FUND(ROTTERDAM INTERNATIONAL FILM FESTIVAL)

1998年1月30日より日比谷東宝映画街シャンテシネ2で独占ロードショー

公開初日 1998/01/30

配給会社名 0094

解説

『りんご』はイランのサミラ・マフマルバフの長篇第1作。テレビのニュースが伝えた一つの事件に衝撃を受け、自分の目で確かめようと事件の人々に会いに行って心をうたれ、撮影しているうちにドキュメンタリーがメルヘンに飛翔し、現実と夢とがとけあう、みずみずしい魅力に溢れた映画が誕生しました。事件とは12才の双子の少女が父親に監禁され生まれてから一度も外に出してもらえず、隣人たちが署名運動を起して社会福祉事務所が二人を救済したというもので、テレビも新聞も、少女二人を憐れみ両親を非難していました。イランを代表する監督モフセン・マフマルバフの長女サミラ・マフマルバフが事件を知った頃は助監督として父の新作を準備中でしたが、ナデリー一家に会って、これこそ自分が映画にすべきだと確信。父の新作用のフィルムと機材を借りて撮影に入りました。しかし準備した脚本などなく、撮影しては翌日のプロットを立てて行くスタイルで撮り続け、ナデリー家の父と話すことがストーリーの柱となりました。撮影は延べでわずか11日。父モフセンは撮影現場に一切立ち会わず、サミラは撮影した膨大なフィルムを、半年かけてモフセンと編集し、完成した『リンゴ』は98年カンヌ映画祭<ある視点>正式出品作に選ばれました。カンヌ映画祭史上最年少の長篇映画監督の誕生です。わずか18才、可愛い美貌で世界の脚光を浴びている元気いっぱいの新人監督が現れました。

ストーリー

97年夏のテヘラン。ナデリー家の父母は、2度と家に鍵をかけて娘たちを閉じ込めない約束として12才の双子の娘マスメとザーラを返してもらう。が、父親は鍵をかけて外出することをやめない。約束と違うとソーシャルワーカーが父親を責めるが、母親は目が不自由で、鍵をかけぬわけにはいかない事情がある。ソーシャルワーカーは娘たちを遊びに出してやり、鍵を奪って父親を家に閉じ込める。二人の少女に、外の世界が夢のように訪れる…。

スタッフ

監督: サミラ・マフマルバフ
脚本・編集: モフセン・マフマルバフ
撮影: エブラヒム・ガブリ、モハマド・アーマディ、スチル=メイサム・マフマルバフ
助監督: マルジエ・メシキニ、アクバル・メシキニ
音楽: イラン伝承音楽、エグゼキュティヴ・プロデュサー=イラジュ・サルバス
製作: マリーン・カルミッツ、ヴェロニーク・ケイラ

キャスト

娘マスメ、娘ザーラ、父ゴルバナリ、母ソグラほか

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