原題:THE GENERAL'S DAUGHTER

レイプよりも恐るべき事件_。 彼女の殺人はほんの始まりに過ぎなかった…。

1999年度作品/パラマウント映画提供/ メイス・ニューフェルドANDロバート・レーメ・プロダクション,ジョナサン・D・クレサン/UIP配給/ シネマスコープ/1時間57分/翻訳:戸田奈津子

1999年11月6日より丸の内ピカデリー1ほか全国松竹東急系にて公開 2005年03月25日よりDVDリリース

サブ題名 エリザベス・キャンベル

公開初日 1999/11/06

配給会社名 0081

解説

ネルソン・デミルの全米ベストセラー小説を元に、製作に『今そこにある危機』のメイス・ニューフェルド、監督に『コン・エアー』のサイモン・ウエスト、主演に『フェイス/オフ』のジョン・トラボルタという最高のスタッフ&キャストを迎えて映画化された『将軍の娘/エリザベス・キャンベル』は、今年6月に公開されるや、観るものを震躍させる衝撃的な題材と、次々と謎が深まるドラマが話題を呼び、批評家たちが手放しで絶賛。また興行的にも大成功を収め、早くも1億ドル突破の驚異の大ヒットを記録しています。見え隠れする陰謀がサスペンスを生み、アクションの合間に複雑な犯罪心理が絡み合うこの作品は、大人の観客の心を釘付けにする第一級のミステリーです。
美人で有能、几帳面で人望もある。その上、血続書付き。そんな女性大尉エリザベス・キャンベルの全裸死は、軍内部を根底から揺るがしかねない事件だった。数多く残された指紋と足跡。だが、精液は検出されず、争った痕跡もない。犯人は、なぜ獲物を犯さなかったのか? 死体の頬を伝う涙の跡は、何を意昧するのか? 地元警察さえ踏み入れない閉鎖社会に起きた衝撃の事件。将軍は、隠蔽できる36時間以内の解決を剰牛に、陸軍のC.I.D.(犯罪捜査部)の敏腕ポール・ブレナーに調査を依頼。彼には、組織の不文律も肩章の星の数も遍用しない。出世欲は無く、軍人としてのガッツがこの男の行動を支配する。基地をいる総ての疑わしい中、エリサベスの異様な死を解明するため、彼は死の真相に挑み、嘘と偽りの数々を明らかにしていく。しかし、封印された被害者の過去に手を伸ばし、事件の核心に迫ると共に、大規模なスキャンダルが発覚していく。そして、ブレナーに立ち塞がるそれは、C.I.D.捜査官である以前に軍人である彼には乗り越えられぬ、あまりにも巨大な壁だった…。
軍の犯罪捜査官という怖いもの知らずな役を演じるのは、90年代を快調に飛ばしてきたジョン・トラボルタ。その総仕上げにふさわしい熱血漢ポール・ブレナーというハマリ役を力強く演じ、作品全体を圧倒。「まさに勲章ものの演技」と、批評家たちの賛辞を博しています。そのトラボルタと渡り合うのは、レイプ専門の女性捜査官サラ役のマデリーン・ストウ(『12モンキーズ』)。この事件でパートナーを組むことになった二人が、音の恋人同士だったことが、ドラマにさらなる深みをだしています。
さらに一流のベテラン俳優たちが脇を固め、重厚な演技でダイナミックな物語を支えます。中でも、容疑者として浮かぶムーア大佐役のジェムズ・ウッズ(『サルバドル/遥かなる日々』)は、まさに白眉。トラボルタとウッズの対決のシーンは、スリリングでウィットに富んだ、知的ゲームそのものです。また、基地の憲兵司令官ケント大佐には、『普通の人々』でアカデミー賞を受賞し、最近は『ビューティフル・ガールズ』などで活躍するティモシー・ハットン。冷徹でカリスマ的な将軍ジョー・キャンベルには『ベイプ』『ディープインパクト』『L.A.コンフィデンシャル』などで知られる演技派ジェームズ・クロムウェル。将軍の副官ファウラー大佐役を抑えた演技で熱演するのは、『シュガー・ヒル』のクラレンス・ウイリアムズ3世。そして、将重の娘というタイトル・ロール役に抜擢されたのは、『マンハッタン・ラプソディ』『フラバー』のレスリー・スティファンソン。大役はこれわ初めてとなる彼女だが、複雑なエリザベス・キャンベル役を大胆に演じた力量は注目に値します。
監督のサイモン・ウェストは、『コン・エアー』で衝撃のデビューを飾り、続く本作でも、独自のビジュアル感覚で堂々たるドラマを完成させました。この若手監督の才能を買ったのは製作のメイス・ニューフェルド。『レッド・オクトーバーを追え!』『今そこにある危機』などを世に送り出した映画界のビッグ・ネームです。製作総指揮は『ベイビー・トーク』のヒット・シリーズを生み、『民事訴訟』も手掛けたジョナサン・D・クレイン。そして、デミルの原作を洗練された大人のミステリーに仕立てあげたのは『明日に向って撃て』と『大統頷の陰謀』でアカデミー賞を受賞した、伝説的脚本家ウィリアム・ゴールドマン。今回は若手脚本家クリストファー・パートトリーニと組んでの仕事で、大御所たるゆえんを改めて認識させました。撮影は、1998年6月、ジョージア州サバナに建設された架空の陸軍基地で開始されました。プロダクション・デザイナーのデニス・ワシントン(『ザ・インターネット』)と、撮影のピーター・メンジーズJr.(『評決のとき』)が協力し、うだるような南部の熱帯夜に起きた残酷なドラマを映像化しました。さらに『ミラーズ・クロッシング』『ジャッカル』の作曲家カーター・バーウェルの音楽が、人間の心の奥を深くえぐるこの作品のテーマを暗示します。挿入曲として、オルフの“カミーラ・ブラーナ”やモーツァルトのオペラ「魔笛」から、“この聖なる神殿には”が、印象的に使用されています。

ストーリー

ジョージア州陸軍マッカラム基地。この基地に君臨するジョー・キャンベル将軍(ジェームズ・クロムウェル)は、数々の栄光を手に、来週退役する。政界への進出は確実視されていた。同じ基地の門を、陸重のC.I.D.(犯罪捜査部)の捜査官ポール・プレナー(ジョン・トラポルタ)がくぐった武器密売の捜査に向かうところだ。だが、途中で、車がパンク。立ち往生しているところを、美しい女性大尉エリザベス(レスリー・ステファンソン)に助けられる。彼女は、「人の脳をかき回す」心理作戦部の教官だと名乗った。翌日、ブレナーは、礼にかこつけてエリザベスの仕事場へ出向いたが、軽くあしらわれただけだった。そのエリザベスが殺された。基地内の市街戦訓練場に、全裸死体となってうち捨てられていたのだ。憲兵司令官のケント大佐(ティモシー・ハットン)に呼ばれたブレナーは、その時、エリザベスが将軍の娘だったことを知る。死因は窒患死。だが、首に巻かれたパンティは破れていないし、精液の跡も見えない。付近には50もの足跡。抵抗した形跡はなく、死体の頬には涙の筋が見られた。不可解な死体だった。捜査には、レイプ専門の捜査官サラ(マデリーン・ストウ)も加わった。実は、かつて、ブレナーとサラは恋人同士だった時期がある。気まずい思いを引きずりながら、二人は将軍の邸に向かった。将軍は、軍人としても女性としても、並みはずれて優れていた娘の死に大きな痛手を受けていた。そして、FBlが働き出す36時間以内に、軍内部での事件解決を心から望んでいたブレナーは、将軍に犯人逮捕を誓う。しかし、側近のフアウラー大佐(クラレンス・ウイリアムズ3世)は、「軍隊式の解決を」と、暴走しがちなブレナーに釘を刺した。さっそく、エリザベスの部屋を調査したブレナーとサラは、優秀な軍人だったエリザベスに、もう一つの顔があったことを発見する。隠し部屋に残されたビデオテープには、ベッドで男をいたぶるエリザベスの姿が写されていた。殺人現場に残されていた足跡と、彼女の認識票にあった指紋から、エリザベスの上司だったムーア大佐(ジェームズ・ウツズ)が容疑者として浮かび上がる。離婚してひとり暮らしのムーア大佐に事件当夜のアリバイはない。現場にやたらと指紋を残していることは、かえって疑問だったが、ブレナーは強引にムーア犬佐を逮捕する。一方、エリサベスに関する資料から、奇妙な事実を発見する。士官学校の2年目に、それまでトップだった彼女の成績が急に落第すれすれにまで落ちている。7年前。、士官学校で彼女に何が起きたのか? ムーア大佐を問い詰めると、彼は顔色を変えた。「レイプより恐ろしいこと」それがムーアの答えだった。
捜査は難航した。時に、サラが暴漢に襲われることもあった。だが真相究明への二人の熱意は衰えなかった。週去のいきさつから、初めはどこかぎこちなかった二人も、一つの目的に向かい、ぴったり呼吸が合ってきた。やがて、二人は、殺されたエリザベスがつき合っていたのは、ムーア大佐だけではなかったことをつきとめる。警察署長ヤードリー(ダニエル・ヴォン・バーゲン)の息子との仲が噂されていたが、それは、単なるカモフラージュ。エリザベスは、基地内のほとんどの男と寝ていたのだ。だが、そんなことで驚いている場合ではなかった。ブレナーが知らないうち重要な容疑者ムーア大佐が釈放されてしまっていた。監視していたケント大佐は、ムーアが心臓発作を起こしたため、弁護士からの釈放請求を退けることができなかったという、ブレナーはムーアの家に急ぐ。しかし、すでに遅かった。ムーアは自宅で自らの頭を撃ち抜いて死んでいた。
将軍の側近ファウラー大佐は、ムーアの死をもって、エリザベス殺人事件を終結させようとしていた。自分の犯した罪を負ってムーアは自殺したのだと。しかし、ブレナーは納得となかった。事件は、まだ終わっていない。鑑識の結果、エリサベスはレイプされていなかったこともはっきりした。ならば、なぜ? 彼女の死は、なお多くの謎が残っている。ブレナーは威圧的な態度で迫るファウラー大佐に、はっきりと対決の意志を示した。そして、この事件の鍵を握る、エリザベスの「7年前の秘密」を求め、士官学校へと飛んだ…。

スタッフ

監督: サイモン・ウエスト
製作: メイス・ニューフェルド
脚色: クリストファー・バートリー二&ウィリアム・ゴールドマン
製作総指揮: ジョナサン・D・クレイン
原作: ネルソン・デミル
撮影: ピータ・メンジーズJr.
編集: グレン・スキャントルバリー
プロダクション・デザイナー: デニス・ワシントン
衣裳: エリカ・エデル・フィリップス
音楽: カーター・バーウェル

キャスト

ポール・ブレナー: ジョン・トラボルタ
サラ・サンヒル: マデリーン・ストウ
キャンベル将軍: ジェームズ・クロムウェル
ケント大佐: ティモシー・ハットン
エリザベス・キャンベル: レスリー・ステファンソン
ヤードリー署長: ダニエル・ヴォン・バーゲン
ファウラー大佐: クラレンス・ウィリアムズ3世
ムーア大佐: ジェームズ・ウッス

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