原題:Tenyting Heart

香港そして日本…どんなに離れていようともどんなに時が過ぎようとも あの夏の日、僕らの“永遠のとき”が刻まれた。

☆トロント国際映画祭正式出品作品

1999年香港映画/1時間55分/ビスタサイズ/メディア・アジア、ジャッキー・チェンand東宝東和プレゼンツ 提供:東宝東和=アスミック・エースエンタテインメント=角川書店 配給:東宝東和=アスミック・エースエンタテインメント

2000年5月1日よりDVD発売 2000年4月28日よりビデオレンタル開始 1999年11月6日より全国東宝東和系にて公開

公開初日 1999/11/06

配給会社名 0002

解説

「恋をする者にとっては一瞬一瞬が永遠。シルヴィア・チャン監督の作品にはデビューの時からいつしか出演したいと思っていた。いままで演じたことのない最高のラブ・ストーリーに出演出来て幸せ」そう語って99年、出演作をこの1本に絞り、金城武が渾身の心をこめて愛を貫く男を演じた、至上のラブ・ストーリー。それが『君がいた永遠』です。どなに遠くにいようとも、どんなに時が過ぎようとも出逢った時と、同じ気持ちで同じ深さでひとりの女性を愛し続けるラブ・ストーリーから金城武は離れているがゆえに愛の純度はより高く、その想いは無限に昇華されていくという新しい愛の神話を生み出しました。そして、この映画のラスト・シーンは今世紀の棹尾を飾るにふさわしい最高の愛の告白として記録されるでしょう。
愛がもっとも美しい形で存在するのは“トライアングルの形”であることはフランソワ・トリュフォーの「突然炎のごとく」以来、多くの監督が描いてきた事ですが、女性監督シルヴィア・チャンはここでまつたく新しいトライアングルの愛を描いて、20年の長きにわたって貫かれた愛をこの上なく美しく描くことに成功しました。
ひとりの女がいて、愛するがゆえに愛に迷う男がいて、ふたりを愛する女がいる。そんな3人の男女が奏でるデリケートな愛の協奏曲を魅力的に演じるのは今やブラッド・ピット、レオナルド・ディカプリオと肩を並べる『恋する惑星』『天使の惑星』の金城武に香港映画界が生んだトップ・アイドル、ジジ・リョンと『天使の涙』のハイテンションな演技で香港電影金像奨・最優秀助演女優賞に輝くカレン・モク。監督のシルヴィア・チャンは『恋人たちの食卓』『レッド・バイオリン』等、女優としての経験を生かして現在と過去の時間を多彩なエピソードで織り上げ、一瞬の愛が永遠の“とき”を獲得するまでを繊細に描かれています。
20年にわたる3人の男女の揺れ動く心と香港と日本の街の風景を鮮やかに映像化したのは、『フラワー・オブ・シャンハイ』など、ホウ・シャオシエン監督とのコンビで知られる撮影監督のリー・ピンビン。時代が交錯する複雑な愛の軌跡を見事に演じたのは『恋する惑星』のコン・チーリョン。イメージ・コンサルタントには『アンナ・マデリーナ』の監督で『君さえいれば 金枝玉葉』『つきせぬ想い』の美術監督でもあるハイ・チョンマン。俳優、スタッフともに香港映画界最高の人材が終結しました。映画は、98年11月、香港でクランク・イン。12月には日本でも撮影が行われました。なお、タイトルの『君のいた永遠』は映画公開を配念して公募。lO,523通の応募作の中から選ばれました。

ストーリー

1977年の香港。シューヤウ(ジジ・リョン)はまだ17歳の高校生だった。親友のチャンリー(カレン・モク)と友違の家で開かれているパーティーに出かけ、以前コンサート会場で一度だけ挨拶を交わしたことのあるホークァン(金城武)と再会する。彼はミュージシャンを夢みる19歳の受験生。シューヤウにとって彼はひと目見た時からとても気になる存在であった。パーティーでギターを弾きながら時折顔を上げ二人の方に目をやるホークァン。「また私を見たわ」とはしゃぐチャンリー。チャンリーもホークァンの事が気になっているようだ。彼の視線の先にいるのは自分のような気がして、身体を動かしてみるシューヤウ。彼女は酔った讐いでホークァンの前に進み出た。「さっき誰を見ていたの?」そう訊くつもりが、彼の前で恩い切り吐いてしまう。トイレで泣きくずれるシューヤウ…。
数日後、激しい頭痛でチャンリーが授業を早退した。「後でお見舞いに行くから」シューヤウはそう言ったが、放課後、校門を出ると、そこにはホークァンが待っていた。シューヤウはホークァンにデートに誘われ舞い上がってしまい、見舞いのことをすっかり忘れてしまう。シューヤウがチャンリーのことを思い出し雨の中、二人で彼女の家に向かった時には、もう夜になっていた。ズブヌレの二人を見て、チャンリーは二人の聞になにかが始まったのを理解した。ホークァンとシューヤウはそれから毎日のように路地裏で抱き合い、映画館の暗闇で少しずつ深いキスをした。ホークァンとシューヤウの仲が深まっていくのと反比例するように、チャンリーはシューヤウに対してよそよそしい態度をとるようになる。いつも同じ時間を共有してきた二人だったが、ホークァンと出逢ってから、ずっとシューヤウは彼の方を向いていたからだ。いつしかシューヤウとチャンリーの問には距離ができていた。
クリスマスの日、シューヤウはチャンリーの家に泊まりに行くと親に嘘をついて、ホークァンと一緒にフェリーでランタオロ島に渡り、一夜を過ごす。しかし、二人はただ抱き合ったままで朝を迎える。それでも満足な二人であった。ところが、幸せは永くは続かなかった。シューヤウの母(エレイン・チン)にその一夜の事が発覚したのだ。怒った母によって二人は無惨に引き服されてしまう。チャンリーはそんなシューヤウに「どうしてメイク・ラブはしなかったの?」ときく。二人だけの秘密の一夜をなぜかチャンリーが知っていた。そのことが原因でホークァンとシューヤウは決定的な別れを迎える。
傷心のシューヤウはチャンリーの家に泊まり、彼女の腕の中で泣き明かした。チャンリーは、そんなシューヤウをやさしく抱きとめ、慰める。その時、シューヤウは知った。チャンリーの瞳にいつも映っていたのはホークァンではなく、自分であったということを。チャンリーはシューヤウに対し親友以上の想いを心の奥に秘めていたのだ。思わぬ告白に動揺したシューヤウはチャンリーの一途で純粋な想いを理解できずに反射的に彼女の頬を叩いて逃げ帰ってしまう。シューヤウはたった一日で、恋人と親友、世界で一番大切な二人を失ってしまったのだ。ホークァンは大学受験を放棄し、新たな人生を模索して、日本へと旅立つ。シューヤウも自らの道を歩み、チャンリーは、二人の前から姿を消す。三人は自分の運命は確かに自分自身で選び取った。しかし、その運命の持つ本当の意味は、誰も知らなかった…。

1984年ファッションメーカーのバイヤーとして日本にやってきたシューヤウは台湾からの観光客のツアー・コンダクターをしていたホークァンと偶然再会をする。ホークァンは日本の旅行代理店に就職していたのだ。あの時、燃焼されなかった恋の炎は燃え上がった。シティホテルの一室で結ばれた二人。愛に始まりと終わりがあるのなら、この愛はまだ終わってはいない…そう思えた。しかし、ホークァンは「僕は結婚をしているんだ」と告白する。それから、月目は流れた。1991年。ホークァンは今度こそ本当にシューヤウを愛するために香港にやって来る。昨年、妻と別れたのだ。カフェで水の入ったグラスに指先を落とし、「グラスの水を飲み干して指輪をはめてほしい。そして結婚しよう」とプロポーズするホークァン。だが、ホークァンをいまだに愛していても、結婚していることを告げられた時の心の痛みが一瞬シューヤウを沈黙させた。シューヤウはグラスから指輸をとると左の薬指にはめた。「ありがとう。でも水は飲み干さないわ」それを見てさびしげに笑うホークァン。もうすべては終わったかのように見えた…。その後、シューヤウは結婚をした。子供もできた。充実した仕事にも恵まれた幸せな日々。日々の生活に追われ、自分の面倒をみるので精一杯。そうして、色々なものが失われていく。悔いのない人生を送っているといいきれる人などいるのだろうか…。
1999年。ホークァンからシューヤウにファックスが届く。「チャンリーが日本で脳腫瘍のために死んだ。葬儀に出てほしい」

スタッフ

監督: シルヴィア・チャン
撮影監督: リー・ピンビン
イメージ・コンサルタント: ハイ・チョンマン
美術監督: マン・リンチュン
編集: コン・リーリョン
音楽: カイ・ハン
脚本: シルヴィア・チャン、キャサリン・クァン
製作総指揮: トーマス・チャン、ウィリー・チャン
製作: ジョン・チョン、ソロン・ソー
提供: ジャッキー・チェン

キャスト

ラム・ホークァン: 金城武
シューヤウ: ジジ・リョン
チャンリー: カレン・モク
シューヤウの母: エレイン・チン
シューヤウの叔母: シェール・ヤン
40代のホークァン: タイリー・チェン
ホークァンの父: ウォン・シンゴン
ホークァンの母: キャミー・ティン
脚本家ウォーレス: ウィリアム・ソー
シェリル: シルヴィア・チャン

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