原題:SIN QUERER

地の果ての村、サン=ムレンソ。一人の旅人の訪れが村に陰謀と殺人をまきおこす_。

☆1996年「シネマ100・サンダンス国際賞」ヨーロッパ部門最優秀脚本賞受賞作晶 ☆1998年サンダンス映画祭特別上映作品

1997年ドイツ、スイス、アルゼンチン合同映画/制作支援:NHK シネマスコープ/ドルビーステレオ/95分/配給:日本ヘラルド映画 主催:NHK、NHKエンタープライズ21、西友、キネマ句報、サンダンス・インスティチュート

1999年6月12日より、恵比寿ガーデンプレイスにて都内独占ロードショー

公開初日 1999/06/12

配給会社名 0058

解説

砂漠を舞台に、小さな村特有の単調さをこれほど感情豊かにとらえてみせた作品は、ピーター・ボグダノヴィッチの『ラスト・ショー』以来の秀作!”とドイツで絶賛され、1996年のシネマ100・サンダンス国際賞のヨーロッパ部門最優秀脚本賞を受賞したのがシーロ・カペラッリ監督の本作『フラミンゴの季節』です。
シーロ・カペラッリ監督はベルリン映画アカデミーを卒業し、撮影監督を務めた短編『無免許運転手』で1994年の米・アカデミー賞を受賞しました。監督としてはその後、ドキュメンタリーを製作し、数々の賞を受賞。本作のロケ地となったインヘニエロ・アコバッチはカペラッリ監督自身が少年時代を過ごした、アルゼンチンのパタゴニア地方の村である。本作は監督自身が“少年時代に感じた村そのもの”を描いた作品といえるでしょう。美しきヒロイン、グロリアにはブニュエル監督『欲望のあいまいな対象』で知られる、スペインの代表的女優、アンヘラ・モリーナ。村に騒動を起こすきっかけをつくった技師マリオには、アルゼンチンの若手俳優、ダニエル・クスニエスカ。行方不明の父を捜すインディオ、ロサには、小数種族の市民権獲得に尽くしてきた女優、詩人、歌手でもある、ルイサ・カルクーミ。村の最年長の貴婦人オノリーナにはアルゼンチンの演劇・映画界の“貴族人”として、あらゆる国境を越えた名声を築いているチナ・ソリーリャ。その他、アメゼンチンの俳優達がカペラッリ監督の長篇テビュー作に集いました。本作の瑞々しい南米の村を撮影したのは、ファスビンダー、クッケルマン、ヴェンダースらの名監督作品についたユルゲン・ユルゲンス。『フラミンゴの季節』はパタゴニアの印象的な風景を舞台装置とする詩的な作品であり、そこで描かれるのは人里離れた世界で暮らす人々の物語。そして一人の旅人の訪問が静かな村に住む人々を陰謀と殺人に巻き込む物語です。

ストーリー

フラミンゴが渡ってくる夏、南米、パタゴニア砂漠の人里離れたサン=ロレソンの村。誰もこの村を愛する物はいなかった。この村から出た事のなく、地下鉄も知らない13歳のメイド、ファニータ。彼女は主人バサンに犯され結婚を強要される。資産家の陰謀で行方不明になった父を捜すインディオの娘、ロサ。村には不釣り合いなほど美しいグロリア、しかし彼女は政略結婚でこの村に嫁ぎ、夫の目を盗み、誰とでも寝る女だと噂されている。渓谷が大量の金を含んでいることを知り、インディオを殺しても儲けようとしている中年の資産家バビエル・バザン。日がな一日村を望遠鏡で覗き見し、日曜日には教会で最前列に座る権利を持つ最年長の貴婦人、オテリーナ。ただ惰性で生活するだけの日々。やがて世界の果てかと思えるようなこの地に、若き技師が橋の建設調査のためにやってくる。だが、彼の訪問は運命から見放されたかのような村に住む人々にとって、経済の向上を求める男たちの陰謀と殺人を巻き起こして行く…。

スタッフ

製作: アルベルト・キツラー
脚本: グラシエラ・マリエ、シーロ・カペラッリ、オスバルド・バイエル
監督: シーロ・カペラッリ
撮影監督: ユルゲン・ユルゲンス
衣装: ペペ・ウリア
編集: タニア・シュテックリン
音楽: グスタボ・ベイテルマン
録音:ハンス・キュンツィ
ライン・ブロデューサー: イシドロ・ミゲル
製作: アルベルト・キツラー
プロダクション: トランス・フィルム
共同プロダクション: ヴィデアル、ポイエ・ブック、シネ・マニュファクチュア
           C.P.A.、アレフ・プロフィルムス、スイス国営DRS放送局
制作: トランス・フィルム、ヴィデアル、ポイエ・ブック(ドイツ)
    シネ・マニファクチュア(スイス)、C.P.A.(スペイン)
    アレフ・プロフィルム(アルゼンチン)

キャスト

グロリア: アンヘラ・モリーナ
アマード・パサン: パトリシオ・コントレーラス
マリオ・ロハス: ダニエル・クスニエスカ
マルドナド: ノルマン・ブリスキ
ロサ: ルイサ・カルクーミ
オノリーナ: チナ・ソリーリャ
ハビエル: ホセ・ファビオ・サンチネット
ファニータ: ジェシカ・カルドーソ

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