原題:SHAKESPEARE IN LOVE

不朽のラブストーリー誕生の陰に存在した本物の恋。天才劇作家シェイクスピアが 今、歴史の壁をくぐり抜け、ひとりの“恋する男”になる…。

第71回アカデミー賞13部門ノミネート

1998年度作品/2時間3分/ユニヴァーサル映画/配給:UIP

2010年12月02日よりDVDリリース 2009年07月08日よりDVDリリース 2008年03月13日よりDVDリリース 1999年11月26日よりビデオレンタル開始 1999年5月1日より、日劇プラザ他、全国東宝洋画系にてロードショー

公開初日 1999/05/01

配給会社名 0081

解説

まなざしが絡む。心が躍る。言葉が流れる。くちびるが重なる…。芝居熱が過熱する16世紀終わりのロンドンで、新進気鋭の劇作家シェイクスピアが恋におちた。一人の女性を愛して、愛して、愛して_その狂おしさから、あの華麗なる悲劇“ロミオとジュリエット”は生まれた…。
第71回アカデミー賞の13部門(作品・監督・脚本・主演女優・助演男優・助演女優賞など)にノミネートされると共に、ゴールデン・グローブ賞の3部門(作品・主演女優・脚本賞)に輝いた秀作ラブ・ロマンス『恋におちたシェークスピア』。史実と虚構、現実と劇中劇が複雑に絡み合いながら、絢欄な一編の愛のドラマを綾なし、軽快な展開、精働な構成、層になって折り重なるストーリー。それらすべてが充実した作品なのです。
創作上の転機となったこの時期に、シェイクスピアに何が起きたのか?16世紀、エリザベス朝で狂い咲いた恋の陶酔が、架空の物語として現代に甦り、スクリーンを自由自在にかけめぐります。舞台は1593年のロンドン。人生最大のスランプに陥っていたシェイクスピアの前に、美しい女性ヴァイオラが現れる。女性が舞台に立つことが許されなかったこの時代に、ひたすら女優を夢見たヴァイオラは、男装で登場。たちまちシェイクスピアの心を奪う。だが彼女には、女王も認めたフィアンセがいた。求め合いながら、許されない二人の愛。その苦しさを、シェイクスピアは新作“ロミオとジュリエット”として昇華させる。現実の恋と同時進行で、芝居小屋では“ロミオどジュリエット”の稽古が進む。甘く切ない愛の言葉は、台詞なのか誠なのか。そして、その恋に行きづまった時、シェイクスピアは、喜劇として書き始めたその芝居の結末を、かつてないほどの悲劇に導こうとしていた……。
若き日のシェイクスピアに扮しているのは、『魅せられて』のジョセフ・ファインズ。射すくめるような瞳で、シェイクスピアの才気と情熱を強烈に演じています。一方、運命の女性ヴァイオラには、『エマ』『スライディング・ドア』で魅力全開のグウィネス・パルトロウ。劇中劇では青年に扮して愛のソネットを謳い、ベッドでは可憐な恋人となる。現代的な美貌が、新解釈のシェイクスピア物語にマッチ。本作でアカデミー賞に初ノミネートを飾りました。監督はイギリス演劇界出身『QueenVictoria/至上の恋』で成功を収めたジョン・マッデン。前作では重厚な背景の中にある種ストイックな恋情を描きましたが、今回は恋する者たちの歓喜と苦悩を開放的に表現しました。

ストーリー

1593年。芝居熱が過熱するエリザベス朝のロンドン。町の北部には、当代きっての花形役者リチャード・バーベッジ(マーチン・クラネス)のカーテン座があり、テムズ河の南岸にはフィリップ・ヘンズロ一(ジェフリー・ラッシュ)の所有するローズ座があった。だが、疫病が流行して劇場が閉鎖に追い込まれた上、ヘンズローは金貸しのフェニマン(トム・ウィルキンソン)から容赦なく借金返済を迫られていた。頼みの綱は、人気作家ウィリアム・シェイクスピア(ジェフリー・ファインズ)が執筆中のコメディだけだ。だが、当のシェイクスピアは大スランプ。妻子を故郷に残し、単身、ロンドンヘ来たものの、創作意欲も色恋もさっぱりだった。そんなある日、シェイクスピアは、客席の片すみで詩を口ずさむ美しい女性ヴァイオラ(グウィネス・パルトロウ)に目を留める。ライバル作家マーロ一(ルパート・エヴェレット)の言葉がヒントになって、新作コメディは、苦しいながらも少しずつ形になり始めた。そんな時、オーディションを受けに来たトマス・ケントと名乗る青年を追って、シェイクスピアはある裕福な商人の邸にたどりつく。そして、その邸の夜会で、シェイクスビアはあの日の美しい女性ヴァイオラとめぐりあう。輪舞にまぎれて手と手を合わせた二人は、その瞬間、運命的な恋に落ちた。しかし、ヴェイオラには親が決めた婚約者ウェセックス卿(コンリン・ファース)がいた。ウェセックス卿にその場を追われたシェイクスピアが、去りがたい思いで庭に身を隠していると、バルコニーにヴァイオラが姿を現した。彼は、「愛するお方……」と呼びかける。その日から、シェイクスピアのペンは、流れるように愛の物語を生み出した。巡業に出ていた花形ネッド・アレン(ベン・アフレック)も帰り、新しいスター、トマス・ケントを主役のロミオ役に迎え、“ロ一ズ座”がにわかに活気を取り戻した。ある日、トマス・ケントがヴァイオラからの手紙を持って来た。気が進まないとは言え、ウェセックス卿と結婚してアメリカヘ行かなければならない。それは別れの手紙だった。納得できないシェイクスビアは、トマス・ケントと共にヴァイオラの邸へ向かう。そこで、彼は、舟漕ぎの男の一言から、重大な真実を知る。トマス・ケントこそ、青隼に姿を変えたヴァイオラだったのだ。その夜、シェイクスピアとヴァイオラは、互いの心のままに熱く結ばれる。乳母(イメルダ・スタントン)の計らいで、シェイクスピアとヴァイオラはしのび逢いを続けた。「与えられるほど、愛は増すのです」…ベッドで囁くシェイクスピアの愛の言葉は、そのまま芝居の台詞となって、稽古場でロミオ役を演じるヴァイオラの口から語られた。芝居は、劇場主ヘンズローの意志に反して、海賊コメディから悲恋物語に変わっていったが、役者ネッドも金貸しのフェニマンも、今ではすっかりこの作品に魅了されていた。そして、外題は“ロミオとジュリエット”に決まった。日曜になった。今日は、ウェセックス卿がエリザベス女王(ジュディ・デンチ)に、婚約者のヴァイオラを伴って謁見する日だ。グリニッジ宮でのお目見えの際、共に芝居好きの女王とヴァイオラは、「芝居は真実の恋を描けるか」という諭争になる。その時、女王は、ヴァイオラがウェセックス卿以外の男を愛していることを、鋭く見抜いていた。その頃、シェイクスピアの新作にツバをつけていたカーテン座のリチャード・バーベッジは、約束に反して新作がヘンズロ一に渡ったことを知り、怒ってロ一ズ座へ乗り込んだ。双方入り乱れた大乱闘の末、ロ一ズ座の勝利。しかし、祝杯を挙げる酒場で、ヴァイオラはシェイクスピアに妻がいることを知る。ショックを受け、その場を走り去るヴァイオラ。そこへ、マーローの訃報が届く。シェイクスピアは、ウェセックス卿が自分と間違えてマーローを殺したのだと思いこむ。実際、ウェセックス卿は、シェイクスピアをマーローという名だと思っていた。そんな誤解が誤解を呼んで、ヴァイオラはシェイクスピアが死んだと告げられ、悲嘆に暮れる。だが、まもなく、マーロ一は酒場の喧嘩で死んだことがわかり、誤解も解けて、シェイクスピアとヴァイオラは暮びの再会を果たす。しかし、ヴァイオラがウェセックス卿に嫁ぐ日は、もう間近に迫っていた。一方、ロ一ズ座では稽古も大詰めで、誰もが期待に胸をふくらませ、初演の日を待つばかりだった。だが、そこへ突然、役人がものものしく踏み込んでくる。ロミオ役のトマス・ケントが、実は女性だったことが役人に知れたのだ。女性が舞台に立つなど、風紀上、許されない。“ロミオとジュリエット”の世紀の初演を目前にロ一ズ座は、即刻、閉鎖を言い渡される…。

スタッフ

監督: ジョン・マッデン
プロデューサー: デビッド・パーフィット、ドナ・ジグリオッティ、
         エドワード・ズウィック
脚本: マーク・ノーマン、トム・ストッパード
プロダクション・デザイン: マーチン・チャイルズ
ヘア&メイク: リサ・ウエストコット
撮影: リチャード・グレートレックス
衣装デザイン: サンディ・パウエル

キャスト

ヴィオラ: グウィネス・パルトロー
シェークスピア: ジョセフ・ファインズ
ウェセックス卿: コリン・ファース
ヘンズロー  : ジェフリー・ラッシュ
エリザベス女王: ジュディ・デンチ
ネッド・アレン: ベン・アフレック
高利貸しフェニマン: トム・ウィルキンソン
乳母     : イメルダ・スタントン
クリストファー・マーロー: ルパート・エヴェレット

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