RONIN

観る者を５分刻みで欺く、先の読めないストーリー。全編に及ぶリアルな緊張感。特撮を排除し、その全てを本物で撮影した迫力溝点のカー・チェイス。遠近、場所を関らず炸裂する銃撃戦。パリ、ニース、アルルといったフランスの街並みを舞台に繰り広げられるノンストップのサスペンス。今、最高にエキサイトメントな122分が幕を開ける!!
主演は、国際的な秘密工作チームのリーダーとなるプランナーのサムに、オスカーに２度輝いた他、４本のノミネート作を持ち、現代ハリウッドの頂点に君臨し続ける名優ロバート・デ・二一口。被の役になりきる完全主義は更に磨きがかかり、この映画のリアリティを最大隈に高めた貢献者の一人となりました。一方コーディネーターのヴァンサンに扮するのは、リュック・ベッソン監督作で知られる他、フランス映画界を代表し、近年ではハリウッド進出で成功を収めたジャン・レノ。本作で彼は最高のハマリ役を得たと絶賛される熱演を見せています。また謎の女ディェドラには、インテリジェンスな魅力を漂わせ『トゥルーマン・ショー』が記憶に新しいナターシャ・マケルホーン。ハイテクのスペシャリスト、グレゴーには『アミスタッド』『グッド・ウィル・ハンティング／旅立ち』等の話題作で存在感を見せたステラン・スカルスゲールド。ウェポンに精通するスペンスには、ニュー007シリーズ『ゴールデンアイ』で悪役006を演じたショーン・ビーン。ドライブ・テクニックのプロとして活躍するラリーには『クロッカーズ』『マネートレイン』のスキップ・サダスが演じる等、役柄同様に国際色豊かなキャストたちが６人のプロフェッショナル・メンバーにそれぞれ扮しています。また『未来世紀ブラジル』を始め、『エビータ』や『トゥモロー・ネバー・ダイ』の狂ったメディア王が印象的な演技派ジョナサン・プライスと、『ジャッカルの日』の警視、『007／ムーンレイカー』の悪役ドラックス等で知られるフランスの性格俳優ミシェル・ロンダールという２人のベテラン俳優が、謎の重要キャラクターとして登場することも話題の一つです。
フランスロケを最大限に活かし、フィルム・ノワールのムードを醸し出した監督は、巨匠ジョン・フランケンハイマー。『大列車作戦』『グラン・プリ』『フレンチ・コネクション２』他、’60〜70年代にかけてダイナミックな作品を次々と発表した彼は、その後低迷するものの、本作で完全復活を果たしました。
スクリーンに張り詰めた緊張感、リアリティを追及し大掛かりで困難なシーンも本物で撮影するビジュァル・スタイル、近年稀に見る硬派な演出は、全く衰えを感じさせないぱかりか、逆にMTV世代の映像作家たちへの手本となり、影響を与えるほど見事な職人的手腕を発揮しています。
『RONIN』は映画本来のダイナミックな映像を熟知した映像作家を中心とする優れたスタッフと、リアルな演技力を伴う俳優、フランスの見事なロケーション、そしてコンピュータでは決して作り出せない“本物のアクション”だけが持つ“真の迫力”という条件が揃い、初めて実現した極めて質の高いエンターテイメント巨編なのです。