海を見る

原題：Regarde la mer

フランス映画界のイメージを覆す衝撃の新星フランソワ・オゾン

☆1997年ロカルノ国際映画祭オープニング作品 ☆1997年アヌシー映画祭出品 ☆1997年パンタン映画祭プレス・グランプリ ☆1997年トリノ映画祭出品 ☆1998年MoMA“ニュー・ディレクターズ・ニュー・フィルムズ”選出 ☆1998年ニューヨーク映画祭出品 ☆1998年ニューヨーク・ゲイ&レズビアン映画祭最優秀作品賞受賞 ☆1998年ロッテルダム映画祭出品

1997年／フランス映画／カラー／35ミリ／52分／ヴィスタサイズ 日本語字幕＝寺尾次郎／配給：ユーロスペース

1999年4月3日よりユーロスペースにてロードショウ！

公開初日　199/04/03

配給会社名 0131

解説

ストーリー

砂浜に波が打ち寄せ、高く伸びた青い草が風にそよぐ。空はぬけるように青い。ここはフランス西部、大西洋上に浮かぶユー島。小高い丘に立つ、白壁に赤茶色の屋根をのせた一軒家から、かすかに赤ん坊の泣き声が聞こえる。泣き声がつづく家のなか。まだ別室のベッドでまどろんでいるサーシャ(サーシャ・ヘイルズ)が英語で言う「今行くわ!」。Ｔシャツを１枚はおったままの格好で、泣きやまない赤ん坊を抱き上げ、サーシャはまだ眠そうにあくびをしながらミルクを温める。赤ん坊にミルクを飲ませながら庭へ出る。あたたかな陽差しがふりそそぐ。赤ん坊が寝てしまうと、サーシャはソファーに座ってぼんやりしている。夫に電話をかけるが、また、つながらない。苛立ったように受話器を置くサーシャ。
サーシャは赤ん坊を連れて海へ行くことにした。誰もいない砂浜に降りる。サーシャは赤ん坊を寝かしつけ、自分も横になる。そんなふたりの姿を崖のうえから見つめている人影があった。家に帰り、赤ん坊をお風呂に入れていると、突然バックパッカーのタチアナ（マリナ・ド・ヴァン)が訪ねてきた。サーシャは尋ねられて、夫はパリにおり、赤ん坊と二人だけで暮らしていることを話した。結局、サーシャはタチアナが庭にテントを張るのを承諾する。部屋から様子を伺っていたサーシャは、その夜、この訪問者を夕食に招いた。ベビーシッターをしていたというタチアナは独りでずっと旅をしているという。
翌朝。目覚めたサーシャは裸のまま力一テンを開け、赤いサマードレスを身に着けた。朝食を庭のテーブルに運ぶ。テントに声をかけたが、誰もいなかった。タチアナはその頃、スーパーにいた。陳列された真っ赤な肉。やがてベビー用品の前で彼女は立ち止まる。戻ってきたタチアナに、サーシャは風呂を勧めた。タチアナは便器にまたがり用をだし、バスタブに顔を沈める。左手にはギリギリまで喫った煙草、石鹸を持った右手は股間を愛撫する。風呂からあがると、便器に残した便に歯ブラシを擦りつけた。
外出するサーシャに頼まれて赤ん坊をあやすタチアナ。その舌は、大きなピアスに貫かれている。サーシャは、自転軍を走らせて街へ行き、束の間の自由を満喫する。３人は海へ行った。黙って遠くを眺めていたタチアナは、「林でセックスしてる」と言い残して帰っていく。残されたサーシャと赤ん坊。やがて、ぐっすり眠っている赤ん坊を砂浜に残し、サーシャは林へ入っていく。サーシャは行きずりの男と快楽に溺れる。
やがて突然電話が鳴る。サーシャの夫からだった。サーシャの話し声を、背中で聞くタチアナ。明朝夫が戻るまでには立ち去ると言うタチアナを、サーシャは家の中で寝るよう誘う。皆が寝静まったころ、クチアナは静かに階下へと降りていく。ベビー・ヘッドが空なのを知り、サーシャの寝室のドアを開ける。そこには、静かな寝息をたてるあどけない赤ん坊と、寄り添うように深い眠りについた全裸のサーシャがいた。ふたりをじっと見つめていたクチアナの目から涙があふれる。そしてタチアナは服を脱ぎ始めた。翌朝。タクシーがサーシャの家の前に停まる。帰ってきた夫は、次々とドアを開けていくが、誰もいない。サーシャのベッドはきちんと整えられている。庭にテントがあるのを見つけた彼は、テントに近づいていく。そこで彼が見たのは…。

スタッフ

監督・脚本：　フランソワ・オゾン
撮影：　ヨリック・ルソー
録音：　ダニエル・ソブリノ
編集：　ジャンヌ・ムタール
音楽：　エリック・ヌヴー
プロデューサー：　オリヴィエ・デルポスク、マルク・ミソニエ、ニコラ・ブレヴィエール
製作：　フィデリテ・プロダクション、ローカル・フイルムズ

キャスト

サーシャ：　サーシャ・ヘイルズ
タチアナ：　マリナ・ド・ヴァン

LINK

□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す