原題:PROFONDO ROSSO

ホラー映画ファンの誰もが通る作品−−−ダリオ・アルジェント 『ダリオ・アルジェント 鮮血の美学』が全国で開催!

1975年/イタリア映画/テクニカラー/テクニスコープ/123min/配給:ザジ フイルムズ/ 提供:カルチュア・パブリッシャーズ、イメージファクトリー・アイエム、ABC出版/宣伝:スローラーナー

2005年07月23日よりDVDリリース 1999年10/2(土)〜11/5(金) 各回入替制 東京、キネカ大森を皮切りに大阪、福岡、名古屋、札幌等全国順次開催予定の 『ダリオ・アルジェント 鮮血の美学』にて上映予定

公開初日 1999/10/02

公開終了日 1999/11/05

配給会社名 0089

解説

イタリアに住むイギリス人ピアニスト、マークは残酷極まりない殺人現場を目撃。
以降おどろおどろしい事件に巻き込まれていく。心霊能力。殺人現場に流れる不気味な子供の歌…。幽霊が出ると噂される屋敷…。ここでアルジェントの作品に初めてオカルト的要素が登場したのは、73年に大ヒットしたウィリアム・フリードキン監督の『エクソシスト』からの影響が大きい。
デビュー以来の謎解きトリックにますます磨きをかけ、そこに超常現象をブレンドし、かってない恐怖演出を生み出した。シッチェス国際恐怖映画祭でグランプリを受賞し、1975年にイタリアで劇場公開されるや一大旋風を巻き起こしロングランを記録、イメージを喚起する巧みなサントラ・アルバムに至っては全世界で今なおベストセラーである。特にラストの謎解きに関する描写は観客を戦慄させ、劇場に2度足を運ばせる結果となった。1978年のわが国の劇場公開時にも、2度観た観客がたくさんおり、出色のミステリーとして『サスペリア』以上のファンを獲得した。
これが単なるホラー映画に終っていない理由の一つに、アルジェントの映画作りのベースにホラー以外の要素が入っていることが挙げられよう。まず脚本家のベルナルディノ・ザッポーニの存在である。アルジェントが彼を起用したのは、フェリーに映画の脚本家だったからであった。実際、『サスペリアPART2』には『フェリーニのローマ』(72)を彷彿とさせる場面がある。アルジェントはイタリアが生んだ映画の巨星フェリーニの大ファンであり、「私がこれまで最も多く見た映画は『8 1/2』だ」と公言もしている。さらに、アルジェントが画面作りのためにアメリカの画家エドワード・ホッパーの絵を参考にしている点も忘れてはならない。殺人を目撃する広場のセットは、ホッパーの『夜更かしの人々』を元に組まれているし、バーの光景は『チョップ・スーイ』に想を得ている。
絵画から映画への移行は伝統的な映画作りの方法であり、作品に風格を与える役を担っている。主演は、アントニオーニの『欲望』の主演で注目を集めたデビッド・ヘミングスと、アルジェントの公私のパートナー、ダリア・ニコロディ。脇をガブリエレ・ラビア、クララ・カラマーイ、マーシャ・メリルらが支える。

ストーリー

ピアニストのマーク(デビッド・ヘミングス)は、ローマでジャズを教えていた。
ある夜、広場で友人のピアニスト、カルロ(ガブリエレ・ラビア)と出合った後、恐ろしい殺人現場を目撃する。悲鳴のする窓を見上げると、女が絶命する瞬間だった。しかもそこにはマークの住むアパートの階下。急いで現場に駆けつけ、警察に通報するマーク。犯人は既に逃げた後で、マークはコートの後ろ姿をちらりと見るが、犯人かどうか判らなかった。それよりも、マークは殺人現場で奇妙な感覚に襲われていた。最初に入った時と、警察が入ってきた後では、室内の様子がどこか違っている。壁に掛かっている絵の位置が変えられたような、そんな感じだった。カルロを目撃者として写真に取り、新聞に載せた男勝りの記者ジャンヌ(ダリア・ニコロディ)に、カルロは嫌悪感を示した。犠牲者の名はヘルガ・ウルマン(マーシャ・メリル)。心霊能力者で、その日、超心理学会でトランス状態に陥り、忌まわしい殺人事件の光景を見たばかりだった。ヘルガの友人のジョルダーニによると、彼女はその殺人事件の犯人が学会の聴講者の中にいたという。ジャンナは、マークに取材し、事件を追っていた。マークはジャンナを敬遠しながらも、自分とは正反対の性格の彼女にどことなく惹かれていった。マークは犯人に命を狙われる。何者かがアパートに侵入し、肩越しに脅迫の言葉を呟いて去ったのだ。その時、奇妙な子供の歌を耳にしたマークは、早速そのレコードを買い求める。その歌に何か意味があるのか?マークはまた、事件当日に感じた奇妙な感覚にもとらわれ続けていた。カルロに相談しようとするが、あいにく留守で、老いて惚けた母(クララ・カラマーイ)の相手をさせられる始末だった。
マークはヘルガの友人の博士から、子供の泣き声のする幽霊屋敷が本に載っていたと聞き、その屋敷に何かあると睨む。住所をつきとめたマークは単身乗り込むが…。

スタッフ

監督:ダリオ・アルジェント
脚本:ダリオ・アルジェント、ベルナルディ・ザッポーニ
製作:クラウディオ・アルジェント
撮影:ルイジ・キュベイラー
編集:フランコ・フラティチェッリ
音楽:ジョルジョ・ガスリーニ
演奏:ゴブリン

キャスト

デビッド・ヘミングス
ダリア・ニコロディ
ガブリエレ・ラビア
クララ・カラマーイ
マーシャ・メリル
エロス・パニ
グラコウ・マウリ

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