原題:Patch Adams

暖かい笑顔は“伝染”するのです… 本年度ゴールデン・グローブ作品賞、 主演男優賞(ロビン・ウィリアムス)ノミネート! 来年度アカデミー賞、最有力作品!!

1998年度作品/ユニバーサル映画提供/UIP配給 シネマスコープ/翻訳:戸田奈津子/1時間56分

2005年05月27日より〈期間限定出荷〉DVDリリース 1999年10月22日よりビデオレンタル開始 1999年3月20日より日比谷映画ほか東宝洋画系ロードショー公開

サブ題名 トゥルー・ストーリー

公開初日 1999/03/20

配給会社名 0081

解説

あなたの顔が微笑みにやわらぐ、その一瞬が見たいから…。静寂に包まれ、消毒薬の臭いがする薄暗い病院。その中を、医学生パッチ・アダムスは、ピエロのようにおどけ、ジョークを連発しながらかっ歩する。「医者と患者は対等である」という独自の意志を貫くパッチ。病める人々のために、笑いをヒーリングに取り入れて、彼は心の医者を目指す。
本年度ゴールデン・グローブ賞の作品賞・主演男優賞にノミネートされました。この感動は、実話だからこそ価値があります。そして、この笑いは感動があるからこそ意味がある。『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』で、見事、アカデミー賞を射止めたロビン・ウィリアムスが、ユニークな療法で人々の心と体を癒す実在の精神科医パッチ・アダムスの若き日をいきいきと演じ抜きます。
当時、彼は、風変わりな持論で、医大でも病院でも異端視されていました。しかし80年代半ばになると、思いやりと献身的な態度を重視した彼の療法が、患者の不安を和らげ、治癒力を高めることがマスコミで騒がれ始めました。世間を驚かせたその治療法は93年、パッチ自ら執筆した著書で明らかにされました。笑いとやさしさの伝染力が、時に病の憂うつよりも勝ることを発見し、広めたパッチ。この映画は、そんなパッチの“葛藤する時代”を克明に描いています。自分自身が心の闇をさまよう精神科の患者であった頃、パッチは、笑わせるととの快感に目覚めました。同時に、それは、笑いが“癒し”になることの発見でもあったのです。その瞬間、進路を決めたパッチは、医師を目指し、名門医大に入学。しかし、そこに待ち受けていたのは、権威主義の校風とエリート志向の同級生たち。次々に珍事を起こすパッチは、“過度な幸福感”に浸るウツケ者のレッテルを張られてしまいます。しかし、パッチを軽蔑し、対立した人聞さえも、知らず知らずのうちに、彼の型破りな笑いの理論に巻き込まれていき、やがて、パッチは、患者と医師のユートピアを目指すことに…。
童心を抱いた大人を演じさせたら右に出る者はいない。ロビン・ウィリアムスにとってパッチ・アダムスは、実に5度目の医師役になりました。『ミセス・ダウト』のような純正コメディから、『いまを生きる』『レナードの朝』といったシリアスものまで。どんな役にも彼は、温かな人聞味を与え続けます。パッチが恋をする美しい医学生カリンには
『コン・エアー』のモニカ・ポッターが扮し、自己防衛的なカリンがパッチによって心の変化を遂げるさまを繊細に演じています。

ストーリー

1969年。その頃のハンター・アダムス(ロビン・ウィリアムス)は、人生の道を見失っていた。自殺未遂の果て、精神病院に入院。しかし、そこで、彼の人生は予期せぬ展開を見せる。リスの幻影に怯える患者ルディ(マイケル・ジェッダー)を笑わせた時、彼は「これだ!」と思った。病院を後にする彼に、富豪で天才病の患者アーサー(ハロルド・グールド)は、「人の見ようとしないものを見ろ」とアドバイスし、絆創膏で傷を“パッチ(なおす)”とニックネームをつける。
精神科医を目指したパッチは2年後、バージニア大学医学部に入学。一刻も早く患者に触れたい。しかし、学部長のウォルコット(ボブ・ガントン)は理論第一主義で、3年生になるまでは臨床を禁じる。パッチは、意気投合した同級生トルーマン(ダニエル・ロンドン)と一緒に、白衣を着て病院に潜入。実地の勉強に励んだ。そんなある日、偶然、入った小児科の病室で、病に苦しむ子供たちの顔がパッチの目に飛び込む。パッチは、とっさに洗腸用の赤いゴムボールを鼻につけ、ピエロのようにおどけ始める。痛みを忘れ、無邪気に笑い出す子供たち。その後も、パッチは、たびたび小児病棟を訪れた。
だが、そんな彼に反発する者もいた。ルームメイトのミッチ(フィリップ・セイモア・ホフマン)はバッチをバカにし、ひたすら机にかじりついた。カリン(モニカ・ポッター)も、女性が医者になるには必死なのだという。だが、試験でも成績のいいバッチに、ほんの少し興味を抱き始める。
ある夜、パッチと一緒に病室に忍び込んだカリンは、風船で作った動物と玩具の銃で「もう一度、サファリで動物狩りをしたかった」という老人の夢を叶えた。隣に寝ていた老女は「ヌードルでいっぱいのプールで泳ぎたい」と言った。パッチの笑いの療法が、次第に功を奏し始めた。笑いが鎮痛作用をもたらし、免疫性も高めるのだ。看護婦のジョレッタ(アーマ・P・ホール)は、そんな様子を温かな目で見守ってくれた。何しろ、看護婦が手を焼いた“305号室の患者”さえも、パッチは陥落していたのだから。
だが、学部長は、「ピエロになりたいならサーカスヘ行け!」と、いつも目くじらを立てた。学内で全国婦人科学会が行われた時、講堂の入口を女性の下半身の模型で飾ったパッチに、ついに学部長の怒りは頂点に達する。放校処分を申し渡されたパッチは、学長に直談判。かねてパッチの奇妙な治療方針に関心を抱いていた学長は、放校処分を撤回したばかりか、パッチに病院での臨床を許可する。

カリンに対するパッチの思いは、日に日に募った。だが、彼女は相変わらず冷淡だ。そこでパッチは、カリンの誕生日に部屋中を風船でいっぱいにしてサプライズ・パーティーを仕組んだ。風船をかき分けながら出てきたパッチは、カリンに一編の愛の詩を途中まで朗読する。続きはこの次。別れ際、カリンと初めてキスしたパッチは、ルンルン気分で病院へ。しかし、その夜、あの“305号室の患者”が、パッチに見守られて息を引き取った。
病院で過ごす時間が多くなるにつれ、パッチは病院や医療制度の理不尽さに心を悩ますようになっていた。笑いで人を癒す無料の病院を作りたい。パッチのそんな夢が叶う時が来る。かつて精神病院で、患者同士として出会った富豪のアーサーが出資してくれたのだ。緑に囲まれた丘の上の小屋が、パッチの夢の診療所に変身した。カリンも今ではすっかり彼を見直していた。自分の過去を語り始めるカリン。幼い頃から男たちに傷つけられてきた。だから、心を閉ざしてきた。でも、今、カリンは、パッチのやさしさに心を癒されていた。初めて一夜を共にした翌朝、パッチはまどろむカリンに、いつかの詩の続きを読み始める。しかし、それも、突然、入ってきたトルーマンのために中断してしまう。
その夜、カリンが死んだ。パッチの診療所に通い始めた精神病患者に殺されたのだ。葬儀が終わり、人々が去った後、パッチはひとり棺の前にたたずみ、とうとう最後まで聞かせるこどができなかったあの愛の詩を読み終える。人を信じ、人に尽くそうとしたパッチの夢は破れた。彼はトルーマンの反対を押しきり、丘の上の診療所を閉める。荷物をまとめに病院に立ち寄ったパッチに、ミッチが近づいてきた。自分の受け持つ患者が、3週間も何も食べようとしない。反目していたはずのミッチが、パッチ流のやり方を学びたいという。パッチは悩んだ。丘へ上り、今は亡きカリンに問いかける。すると、まるでカリンの化身のような美しい蝶が一匹、パッチの胸に止まり、そして、青空へと舞い上がった。
パッチに笑顔が戻った。拒食症になったのは、いつか「ヌードルでいっぱいのプールで泳ぎたい」と言っていた、あの老婆だった。もちろん、パッチは、その夢を実現して見せた。再び、パッチの笑いの診療が始まった。しかし、そんな時、一通の封書が届く。それは、 学部長の名で記されたパッチの退校通知書だった……。

スタッフ

監督: トム・シャドヤック
製作総指揮: マーシャ・ガーセス・ウィリアムス、トム・シャドヤック
脚本: スティーブ・オーデカーク
製作: バリー・ケンプ、マイク・ファレル&マービン・ミノフ、チャールズ・ニューワース
撮影: フェドン・パパマイケル
衣装: ジュディ・ラスキン・ハウエル
プロダクション・デザイン: リンダ・デシーナ
音楽: マーク・シャイン
編集: ドン・ジマーマンA.C.E.
共同製作: スティーブ・オーデカーク、デボラ・ムーズ=ハンキン
音楽: マーク・シャイキン

キャスト

パッチ・アダムス: ロビン・ウィリアムス
トルーマン: ダニエル・ロンドン
カリン: モニカ・ポッター
ミッチ: フィリップ・セイモア・ホフマン
ウォルコット学部長: ボブ・ガントン
イートン: ジョセフ・ソマー
ジョレッタ: アーマ・P・ホール
ビル: ピーター・コヨーテ

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