原題:MIA EONIOTITA KE MIA MERA

全編のー章ー章が詩として展開する、美しさ きわまりないアンゲロプロスの新たな傑作!

☆1998年カンヌ映画祭パルムドール大賞受賞

1998年/ギリシャ映画/2時間14分日本語字幕:池澤夏樹/提供:フランス映画社、日本ビクター+テレビ東京 配給:フランス映画社・バウ・シリーズ作品

2000年7月26日よりDVD発売 1999年10月22日よりビデオレンタル開始 1999年4月17日より日比谷シャンテシネ2にてGWロードショー

公開初日 1999/04/17

配給会社名 0094

解説

『永遠と一日』は、ギリシャが生んだ世界の巨匠テオ・アンゲロプロス監督の、『ユリシーズの瞳』に次ぐ最新作です。前作はハーヴェイ・カイテル主演でバルカンを縦横に旅する大作で95年カンヌ映画祭審査員特別大賞を受賞しましたが、新作『永遠と一日』は『ベルリン・天使の詩』のブルーノ・カンツが主演して、詩人で作家の主人公アレクサンドレの人生最後の一日の心の旅を、全編に情感がほとばしる映像美でつづり、98年カンヌ映画祭で、愛の回復を告げるラストシーンで圧倒的な感動を呼んで、最高賞パルムドール大賞を、審査員の満場ー教で受賞しました。
子供ごころと美しい情感が『霧の中の風景』を思わせますが、いわゆるストーリーはこびを超えたポエジ一からポエジーへの飛翔で映画そのものが展開していく純粋で大胆な作り方でアンゲロプロスのすさまじい映画パワーと新境地を示す傑作と絶賛されています。
アンゲロプロス映画には初登場ですが、名優ブルーノ・ガンツは、初対面のアンゲロプロスにそのコートも衣装にぴったりだと言われて愛用のアルマーニのコートを着たままで出演。そこにいるだけで優しさがにじみ出す得がたいキャラクターでアレクサンドレを名演して『ベルリン・天使の詩』以来の新たな代表作を生み出しました。妻アンナ役はフランス女優で映画と舞台に活躍するイザベル・ルノー。アレクサンドレと心の旅をする少年は、ほんもののアルバニア難民の少年アキレアス・スケヴィスが忘れがたい好演を見せます。
脚本はアンゲロプロスのオリジナルで、『ユリシーズの瞳』に続いてイタリアの名脚本家トニーノ・グエッラほかが協力。美しさ限りない映像に結晶させたのは、名手アルヴァニティスとシナノス。ポエジーで物語を展開するのに同様に重要な役割を果たした音楽は、『シテール島への船出』以来全作品を担当しているエレニ・カラインドルーで、優雅なメランコリーと深い情感をたたえるテーマ曲は忘れがたい美しさです。

ストーリー

詩人に訪れた最後の一日。少年との出会い、旅の始まり。よみがえる夏の日の愛…。現代、北ギリシャのテサロニキ。不治の病を自覚しているアレクサンドレは、少年の日の夢から覚めて、すべてに別れを告げる最後の一日を迎える。町中でアルバニア難民の少年と出会い、少年を国境に送り帰そうとするが、少年は彼から離れようとしない。娘のカテリーナに、3年前に死んだ妻アンナの手紙を託すが、その1通が、30年前の夏の一日の、海辺の家での、そして島での思い出を呼び起こす。その一日、自分は少年のころの記憶にふけって、彼女の激しいまでの深い愛にきづかないでいた。少年との二人の旅に、前世紀の詩人が登場し、旅はさらに展開していく…。現在から少年の日の過去へ、夏の一日へ、あるいは、前世紀の詩人ソロモスの帰郷へ、雪のアルバニア国境へ、そして、夢のように現れる<魂のバス>の旅へ、映画はイメージが飛翔するがまま、自由に縦横に展開する。

スタッフ

監督・脚本: テオ・アンゲロプロス
脚本協力: トニーノ・グエッラ、ペトロス・マルカリス、ジョルジオ・シルヴァーニ
撮影: ヨルゴス・アルヴァニティス、アンドレアス・シナノス
音楽: エレニ・カラインドルー(サントラ=ポリグラム)
録音: ニコス・パパディミトリウ
編集: ヤニス・ツィツォプロス
美術: ヨルゴス・パッツァス
衣装: ヨルゴス・ジアカス、コスタス・ティミトリアディス、
    スクリプト=マルガリータ・マンダ
制作: フィービー・エコノモプロス
製作: テオ・アンゲロプロス、エリック・ユーマン、ジョルジオ・シルヴァーニ
    アメデオ・パガ一ニ
製作: THEO ANGELOPOULOS、GREEK FlLM CENTRE,GREEK TELEVlSlON(ERT)、
    PARADlS FlLMS,lNTERMEDlAS,LA SEPT ClNEMA
製作協力: CANAL+、CLASSIC SRL,ISTITUTO LUCE,WDR/ARTE:EURlMAGES、
COUNClL OF EUROPE

キャスト

ブルーノ・ガンツ、イザベル・ルノー、アキレアス・スケウィス、
ファブリツィオ・ベンティヴォリオ

©TOHO ANGELOPOULOS 1998

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