真昼の天空にも、輝く星があるという。見えなかった真昼の星たちが、 それぞれの座標で、いまゆっくりとまたたきはじめた。

1989年/35ミリ/16ミリカラー/1時間33分/シグロ作品 映画「まひるのほし」製作委員会 日本財団補助事業/芸術文化振興基金助成映画z

1999年1月16日より公開

公開初日 1999/01/16

配給会社名 0035

解説

映画に登場するのは7人のアーティストたち。彼らは、知的障害者と呼ばれる人たちでもあります。7人の創作活動とそれを支えている暮らしの断片を見つめていると、アートの貌(かたち)がほの見えてきます。彼らのアートの活動を至近距離からねらい続けるカメラの力です。

ストーリー

ダウン症の舛次崇(しゅうじたかし)君は、武庫川すずかけ作業所の絵画教室で絵を描いている。教室の主宰者、はたよしこさんとの精神の共同作業の現場に映画は踏み込み、芸術の誕生に立ち会うことになる。シュウちゃんが描きためた絵は「幸福な植物たち」と命名され、はじめての個展が実現した。信楽青年家の伊藤喜彦さんは63才。信楽が窯業の町であったことから、ヨシヒコさんは陶器作りに携わり粘土と友達になった「ナサケナイ」が彼の口グセ。彼の耳にはかつて自分に向けて発せられたその言葉が何万回もこだましているのかもしれない。たたかれたり、ちぎれたりしながら形を変える粘土に向かって「ナサケナイ」を連発するヨシヒコさん。秋も深まったある日、野焼きの火に焼かれてヨシヒコさんのオブジェは「人間独特の顔」になった。平塚市に住む西尾繁君、通称シゲちゃんはとにかく若い女性にかまって欲しいのだ。シゲちゃんのそのくるおしいほどの想いを文字にしたため、書きためることを勧めた工房絵の関根幹司さん。「スクール水着」「シースル水着」などの文字の書かれたカードが集まり、東京原宿の画廊で作品になった。シゲちゃんの現代アートには可笑しさの中に青春の哀しさが見事に表現されている。父子二人の暮らしと湘南の海での青春の咆哮がシゲちゃんの心を伝えてくれる。すずかけ作業所の富塚くんやユキエちゃん、信楽青年家のマッちゃん、そして工房絵の川村紀子さん、7人のアーティストの世界を旅しながら、映画はゆっくりと自由になってゆく…。

スタッフ

製作: 山上徹二郎、庄幸司郎
監督: 佐藤真
撮影監督: 田島征三
撮影: 大津幸四郎
録音: 久保田幸雄
助監督: 飯塚聡
撮影助手: 藤江潔、須原秀晃、山田武典、谷中重樹
録音助手: 清家利文
録音応援: 菊池信之
プロダクションマネージャー: 佐々木正明
製作事務局: 鏑木亜樹、服部素子
タイミング: 松本末男
タイトル: 道川プロダクション
ネガ編集: フィルムクラフト
録音所: アオイスタジオ
現像所: 東映化学
フィルム: フジフイルム
挿入歌: 井上陽水
      「太陽の町」
      「We are 魚」
      「リバーサイドホテル」
製作協力:(社)日本フィランソロビー協会

キャスト

舛次崇、西尾繁、伊藤喜彦、竹村幸恵、富塚純光、川村紀子、松本孝夫

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