原題:Lolita

少女は風船ガムとダンスと冒険に恋をし、男は少女だけを見つめた。 14歳の少女ロリータと1人の男の“転がる愛”を描いたロード・ムービー。

アメリカ映画/2時間18分/カラー作品/マリオ・カサール提供 パテプロダクション、エイドリアン・ライン作品/東宝東和・ポニーキャニオン共同提供 ビスタサイズ/ドルビーSRD/ PG-12(12歳未満の方にはなるべく保護者が同伴してください)/ 字幕翻訳者:松浦美奈

2005年04月22日より〈期間限定価格〉DVDリリース 1999年5月1日より恵比寿ガーデンシネマにて陽春ロードショー公開

公開初日 1999/05/01

配給会社名 0002/0068

解説

「初恋」_それは誰もが心に秘めているとっておきの秘密。しかし成長するにつけてそれは淡い思い出へとかわってゆきます。しかし、ごく希にあまりにも激しい「初恋」は妄想となり、もはや、いかなる恋も出来ずにただ、残りの生涯を送らなければならなくことがあります。そして悲劇的な結末を迎えるのです。そう、この物語の主人公、ハンバート・ハンバートの様に_。初恋の面影を残す少女が現れた時、ハンバートにとって新しい運命の恋の物語が始まった。彼女の名はドロレス。_彼の腕に抱かれる時、彼女の名は「ロリータ」となる_。センセーショナルなテーマ選びとエロティックかつ斬新な映像で常に論議を巻き起こしてきた監督、エイドリアン・ラインが3年の沈黙を破りました。最新作に選んだテーマは『ロリータ』。1995年、ロシアの亡命作家ウラジミール・ナボコフによって書かれた小説です。このあまりにも有名な原作は「今世紀、唯一の真実味のあるラヴ・ストーリー」(“ヴァニティ・フェア”誌)と評され、今なお我々の心を捕らえて離さない名作です。今回、注目のヒロイン、ロリータを演じるのは3000人の中から選ばれた新人女優・ドミニク・スウェイン。まるで子供の様にめまぐるしく変る愛くるしい表情で“成熟した子供”ロリータを見事に演じきっています。彼女への愛に翻弄される主人公ハンバート・ハンバート役はジェレミー・アイアンズ。ヨーロッパの退廃と高い知能、脆弱かつ破滅的な「自己愛的妄想」を演じる事ができるのは、目下、彼の他にはいないでしょう。この演技で早くも今年度のアカデミー賞の呼び声も上がっています。
本作『ロリータ』は製作時期が全米を震撼させた「ジョン・ベネ事件」と重なったため、世論を恐れた配給会社が一様に尻込みし、アメリカでは実に1年半も公開が見合わされていましたが、この秋、遂に公開が実現しました。ヨーロッパではスペイン、サン・セバスチャン映画祭上映(95年)を皮切りに順次公開され、ナボコフの母国ロシアでは、エイドリアン・ラインは遺児ドミトリと共に舞台挨拶に立ちました。
監督: エイドリアン・ライン

ストーリー

ハンバート・ハンバート(ジェレミー・アイアンズ)は、豊かな才能に恵まれた人物でイギリス人とスイス人の血を引くヨーロッパ生まれの彼は、そのスマートな魅力でいつでも女性の憧れの的である。しかし、彼の心の奥底には消えることのない深い傷があった。南仏のミラナ・ホテルで過ごした少年時代のせつない恋の記憶だった。13歳の時、彼には一つ年下のアナベルという少女と激しい恋に落ちた。ところが一年後、不幸にも、二人の恋は成就する前に終わってしまう。アナベルが発疹チフスで死んでしまったからだ。この時のショックがまだ幼かったハンバートの心を苦しめた。やがて青年へと成長しても彼の心は少年でありつづけ、永遠のにアナベルの虜となっていた。ハンバートにとってアナベルとは手に入れることのできなかった楽園だったのだ。時は1947年。すっかり大人になり仏文学者となったハンバートは、教授の職を得て、異国の地アメリカに渡り、ニュー・イングランドの小さな町へとやってくる。たまたま選んだ下宿先はシャーロット・ヘイズ(メラニー・グリフィス)という未亡人の家。ひなびた田舎町で鬱蒼とした毎日を送るシャーロットによって、ハンバードの登場は、彼女の長年の夢が実現したも同然。シャーロットの心は浮き立つ。しかし、ハンバートは、シャーロットの12歳になる娘、ロリータ(ドミニク・スウェイン)の姿に釘付けになってしまう。ロリータこそが自分の夢であり、アナベルの再来だったのだ。すぐにロリータの虜になってしまったハンバート。シャーロットに言い寄られ、とりあえず結婚をし、ロリータの義父となるものの、まるで少年のように遠回しに、そして滑稽にロリータに言い寄る。やがて思わぬ展開から、ハンバートはロリータの心をつかむ。ある日、ハンバートの企みを知ったシャーロットは逆上し、自宅の前で不慮の事故死を遂げる。ハンバートは、母の死を告げるべく、サマー・キャンプに出かけていたロリータの元へ急ぐ。そして身よりの無くなったロリータを連れ、アメリカ流浪の旅に出るのだった。破局へと突き進んでいるとも知らずに_。

スタッフ

監督: エイドリアン・ライン
原作: ウラジーミル・ナボコフ
脚本: スティーブン・シフ
音楽監修: ステファン・R・ゴールドマン
音楽作曲・編曲・指揮: エンニオ・モリコーネ
衣裳デザイン: ジュディアナ・マコフスキー
編集: ジュリー・モンロー、デビッド・ブレナー
美術監督: ジョン・ハットマン
撮影監督: ハワード・アサートン/B.S.C.
製作総指揮: マリオ・カサール
脚本: スティーブン・シフ
原作: ウラジミール・ナボコフ(『ロリータ』新潮社刊)
製作: ジョエル・B・マイケルズ

キャスト

ハンバート・ハンバート: ジェレミー・アイアンズ
ロリータ: ドミニク・スウェイン
シャルロット・ヘイズ: メラニー・グリフィス
クラレ・キルティ: フランク・ランジェラ

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