原題:JIGOKU

中川信夫監督、没後15年追悼上映 怪奇との戯れ、死の幻影

☆東京ファンタスティク映画祭'99出展作品::http://forum.nifty.com/fanta/tokyo/

1960年/日本映画/新東宝作品/新東宝スコープ/カラー/1時間41分/新東宝スコーブ、フジカラー/提供:国際放映 1960年/101min/新東宝/新東宝スコープ/カラー ※ニュープリント上映

2000年6月25日よりDVD発売 2000年5月27日よりキネカ大森にて公開決定 1960年7月30日新東宝系公開

サブ題名 ニュープリント上映

公開初日 2000/05/27

配給会社名 0290

解説

表現から脱出した、このような架空の世界を描くには、映画という表現形式の深部にさぐりを入れる、未開地に鍬をうちこむそれがあるかと思う。古いドイツ映画に『ジークフリート』があった。(中川信夫)

ゲーテの『ファウスト』を元に発想された作品。前半ではこの世で起きる凄惨なもう一つの“地獄”とも言うべき世界を描き、後半では“針の山”や“血の池地獄”の中で魂の救済という中川的テーマが打ち出される。奔放な想像力で、見る者の想像を鮮やかに裏切る怪作。

ストーリー

大学生田村が(沼田曜一)が酔漢を櫟き殺し、同乗していた学友清水四郎(天知茂)が、婚約者幸子(三ツ矢歌子)の勧めで自首しに行く。途中、二人が乗ったタクシーが追突事故に見舞われ幸子が死ぬ。
傷心の四郎が実家に帰ると、父(林寛)の友人谷口(大友純)の娘という、幸子と瓜二つのサチ子(三ツ矢歌子)がいた。サチ子に惹かれていく四郎の前に、田村か現われ四郎を悩ませる。幸子の両親、酔漢の母やすも四郎の居場所をつきとめ追ってくる。四郎の父が経営する養老施設の十周年祝いに現れたやすは、毒を盛り込んでその場にいる全員を殺し、自分も死ぬ。
四郎を始め全員が地獄に堕ち、現世の罪の責苦を受けていく。サチ子と異父兄弟であることを知らされショックを受ける四郎は、自分の子を宿した幸子と再会、炎の中で泣き叫ぶ我が子を地獄から救い出す。四郎の死に顔は穏やかな表情をたたえていた。

スタッフ

製作:大蔵茂
企画:笠根牡介
監督:中川信夫
脚本:中川信夫、宮川一郎
撮影:森田守
照明:石森浩
美術:黒沢治安
音楽:渡辺宙明
録音:中井喜八郎
助監督:土屋啓之助

キャスト

清水四郎:天知茂
田村:沼田曜一
矢島教授:中村虎彦
妻芙美:宮田文子
娘幸子:三ツ矢歌子
清水剛造:林寛
妻イトー:徳大寺君枝
妾絹子:山下明子
谷口円斎:大友純
娘サチ子:三ツ矢歌子
草間医師:大谷友彦
赤川記者:官浩一
針谷刑:新宮寺寛
志賀恭一:泉田洋志
母やす:谷津清子
情婦洋子:小野彰子

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