原題:I WANT YOU

ひとつの物語は終わりは、新しい物語の始まり

1998年イギリス映画/提供:ポリグラム・フィルムド・エンタテインメント/リヴォリューション・フィルムズ作品/ 1時間27分/スコープサイズ/ドルビーSRD/日本語字幕:松浦美奈/配給:アスミック

1999年1月15日よりシネスイッチ銀座 他にて公開!! 1999年7月2日よりビデオレンタル開始

公開初日 1999/01/15

配給会社名 0007

解説

近年、映画ファンの注目を一手に引き受けた感のあるイギリス映画秀作群。その中で最も進境著しい俊英監督といえば『トレインスボッティング」にダニー・ボイルとマイケル・ウィンターボトムが挙げられます。昨年『日蔭のふたり』『GO NOW』、今年になって処女作『バタフライ・キス』、最高傑作と目される『ウェルカム・トゥ・サラエボ』と立て続けに全ての作品が公開されたウィンター・ボトム。懐の広いヴァラエティに富んだモティーフ、独特なアプローチ、力強い映像と異化効果の高い音楽表現で描いた映画群で映画ファンを賛否両論の渦に巻き込んできました。そんなウィンターボトムの待望の最新作が『アイウォントユー』なのです。今迄の諸作で、人と人のコミュニケーションや色々な愛の形をテーマに描いてきたマイケル・ウィンターボトム。題材の選択や作品世界の広さから様々なイメージを持たれる彼ですが本作も今迄とは違ったアプローチとなっています。映画は決して喋らないホンダのモノローグから始まります。9年前の事件、帰って来たマーティン、レコーダーを持って走り回るホンダ、ぶつかって出会うヘレンとホンダ。…強烈で美しい映像と滑らかなモンタージュに乗って観客は異世界へと誘われていきます。やがて物語はそれぞれに傷を負った登場人物の語られていない真実が見え隠れし、方向性の違った思いは成長してひとつの決壊点を迎えますが、映画が提示する物語はむしろ映画が終わった後に続いていきます。ひとつの物語の終わりは新たな物語の始まり。この新しい愛の形を描いた美しく衝撃的な物語は、現代に生きる観客の胸に刻み込むウィンター・ボトムの新しい挑戦なのです。

ストーリー

9年ぶりに帰って来たマーティン。かつて14歳の恋人ヘレンと情交中に彼女の父親にみつかり、彼を殺害して服役していた。保護観察中の彼が忌まわしい記憶の源であるヘイヴンに帰って来たのは、ヘレンに再会するためだった。23歳となったなったヘレンは今でもヘイヴンに住み続け、自分で経営する美容院で働いていた。一方、そんな彼女を追い続けている難民の少年ホンダがいた。ホンダは母親の自殺に直面してから口を開かなくなり、姉スモーキーと一緒にヘイヴンに流れてきた。唯一の楽しみは街に溢れる様々な会話を盗聴してコラージュし、再生する事だった。そして、自転車に乗ったヘレンとぶつかって以来、憧憬の対象となったヘレンの周りの音を集めている。マーティンがヘレンの眼前に再び現れたのは、そんな時だった。

スタッフ

監督: マイケル・ウィンターボトム
脚本: ユアン・マクナミー
撮影: ステヴォミール・イジャク
音楽: エイドリアン・ジョンストン
プロダクションデザイナー: マーク・ティルデスリー
衣装: レイチェル・フレミング
編集: トレヴァー・ウェイト
製作: アンドリュー・イートン

<CAST>

キャスト

ヘレン: レイチェル・ワイズ
マーティン: アレッサンドロ・ニヴォラ
ホンダ: ルカ・ペトルシック
スモーキー: ラビナ・ミテフスカ
アンバー: カルメン・イジョゴ
ボブ: ベン・ダニエルズ
老人: グラハム・クラウデン
ソーニャ: ジェラルディン・オウラ
サム: スティーブ・J・シェパード
女性客: メアリ・マクロード
スモーキーの友人: ケニー・ドハティ
花屋の主人: デス・マカリア
ビリー: ジュリアン・リヴェット
若い女: ジュリー・スミス
タクシー・ドライヴァー: バーウィック・ケイラー

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