原題:IL CICLONE

人生はある日突然、魔法のように輝き始める。 イタリア中が恋したおかしくも切ないラブ・ストーリー。

1998年イタリア/カラー/ビスタサイズ/1時間38分 日本語字幕:稲田嵯裕里/配給:ブエナビスタ インターナショナル(ジャパン)

2000年4月25日よりDVD発売 1999年7月17日より日比谷シャンテシネにてロードショー!!

公開初日 1999/07/17

配給会社名 0069

解説

『ニューシネマ・パラダイス』『イル・ポスティーノ』を生んだイタリア映画界からまたひとつ、限りなき人生への讃歌が届けられました_『踊れトスカーナ!』。スペインからきたフラメンコ・ダンサーに一目惚れした会計士レバンテの恋の行方を軸に、のどかな田舎町の個性豊かな住人たちの人間模様が鮮やかに浮き彫りにされていく。時にホロリとさせられ、時にユーモアたっぷりに、時にたまらないほど笑いころげて生きることの喜びが、たっぷりと詰まったハッピーなテイストは、まさにイタリア映画ならでは。ひまわり畑の向こうからフラメンコのリズムが聞こえてきたら、誰もがきっと踊り出したくなるはず。
監督・脚本・主演を兼ねるレオナルド・ピエラッチョーニは、イタリア映画界期待の新星。監督デビューを果たした前作『I Laureati』に続く本作は、イタリアで興行的・批評的な大成功を収めました。彼が描きたかったのはターニング・ポイントの物語です。「人生の行方など決まっていると思っていても、いざ嵐がやってきたら、運ばれるままに身を任せるしかない。たくさんの些細な出来事が、予想もつかない結果を生む そんな運命を私は信じている」というピエラッチョーニの言葉通り、主人公のレバンテは突然の嵐に身を任せます。その予想もつかない恋のエンディングは…もちろん、映画を観てのお楽しみ。ヒロインのカテリーナを演じるロレーナ・フォルテーザはパリやミラノで活躍する一流モデル。平凡な会計士の人生を一変させる《運命の女》にふさわしく、情熱と可憐さを併せ持つ彼女の魅力は映画にポエティックな叙情をもたらしています。ロマンティックなラブストーリーをにぎやかに彩るのは、レバンテをとりまく愛すべき田舎町の住人たち。イビキが強烈なパパは普通の農夫に見えますが、実は革命派で若い頃はマリファナを栽培していたとか。死に魅いられた弟はミョーな抽象画を描き続け、カミングアウトできずに悩むレズビアンの妹はカテリーナの仲間のダンサーに色目をつかいます。レミンテに惚れてる幼なじみのカルリーナは、気はいいけど下世話な話が大好き。自称“絶倫男”のピッポとウェイトレスのフランカの夜の情事は、翌朝にはなぜか町中の人に筒抜け…。いずれ劣らぬ個性的な彼らの悲喜こもごもの日々の営みは、高らかに謳いあげます。「それでも、人生は素晴らしい」と。
トスカーナの会計士は、スペインのフラメンコ・ダンサーと結ばれることができるのだろうか? まさか、たぶん、もしかしたら…? でも、結果なんて関係ないのだ。愛の嵐に巻き込まれたら、ただ一言、こう言えばいい「オーレ!」

ストーリー

イタリア・トスカーナ地方_フィレンツェから40kmの田舎町に、クァリー二家の農場がある。父親は一見フツーの農夫だが、子供たちにレバンテ(決起)、リーベロ(自由)、セルバジャ(野性)などという気合いのはいった名前をつけた革命派。もっとも、長男のレバンテはその勇壮な名前とは裏腹に、町の4割の店の帳簿をつける会計士として地道な生活を送っていた。愛車のペダル・バイクにまたがり、いつもの道を通って、いつもの仕事に向かい、いつもの人々と、いつもの会話を交す毎日。時にその平凡な日々にさざ波を立てるものといえば、死に魅せられた素人画家の弟・リーベロと、レズビアンであることを父親にカミングアウトできずに悩む妹・セルバジャくらいなもの。彼自身の人生に何か特別な“事件”など、起こる気配は微塵もなかった。ひまわりが輝くように咲き誇る、その6月までは…。
そして、ある日突然に“事件”は起こった! ホテルヘの標識が壊れていたために、一台のバスがクァリーニ家の農場に迷い込む。それは、スペインから公演のためにやってきたフラメンコ・ダンサーの一団だった。マネージャーのナルドーネに頼まれて一夜の宿を提供することになったクァリーニ家の面々の目は、驚くほどセクシーでキュートな5人のダンサーたちに釘付け。食卓をステージにしたフラメンコ・パーティーに一同は浮かれ騒ぎ、レバンテは黒い瞳が情熱的なカテリーナに一瞬にして心を奪われてしまう。片言のスペイン語と身ぶり手ぶりで真夜中の散歩に出る二人。伝わらない言葉を埋めてあまりある優しい微笑み。それは人生始まって以来の夢のような一時だった。

© Touchstone Pictures
翌朝、いつものように仕事に出かけたレバンテだったが、いつものでこぼこ道が今日は違って見えた。「それとも、変わったのは俺の方? 」彼は運命的な恋に落ちたのだ。レバンテの気持にお構い無しに、カテリーナたちはもう行ってしまったはず…。一瞬の甘い夢をふりはらうかのように、客の帳簿をチェックして回るレバンテ。その時、農場の方からフラメンコのメロディーが聞こえて来た。バイクにまたがり疾走するレバンテ。急げ我が家へ、カテリーナのもとへ! だが、79年から愛用のオンボロ・バイクはその猛スピードに耐えられず、レバンテを乗せたまま納屋に激突してしまう。幸い、レバンテは大事に至らなかったが、長年のパートナーだった愛車は彼の恋のために名誉の戦死。その遺体は手厚く葬られた。一方、ナルドーネ舞踊団は書類の不備のため公演の許可が降りず、帰国することになる。彼らが農場を去った夜は、折し車7万年に一度の百武すい星が地球の上を通過。夜空を見上げるレバンテにとって、カテリーナは7万年に一度の恋だったのだろうか? 
だが、一行がまだフィレンツェのホテルに滞在していると聞いて、彼はもう自分の気持ちを抑えることができなかった。ダンサーのひとりであるペネロペに未練を残す妹のバイクの背にまたがり、フィレンツェに駆けつけたレバンテは、恋人アレアンドロとの久しぶりの再会を喜ぶカテリーナの姿にショックを受ける。しかし、彼女の笑顔にはアレアンドロによって癒されることのない孤独の影がみえた。果たして、レバンテの切ない恋の運命は…?

スタッフ

監督: レオナルド・ピエラッチョーニ
脚本: ジョヴァンニ・ヴェロネージ&レオナルド・ピエラッチョーニ
製作: ヴィットリオ&リタ・チェッキ・ゴーリ
撮影: ロベルト・フォルツァ
セット・デザイン: フランチェスコ・フリジェリ
衣装: ニコレッタ・エルコレ
音楽: クラウディオ・グイデッティ
編集: ミルコ・ガッローネ

キャスト

レバンテ: レオナルド・ビエラッチョーニ
カテリーナ: ロレーナ・フォルテーザ
セルバジャ: バルバラ・エンリーキ
リーベロ: マッシモ・チュッケリーニ
オズヴァルド: セルジョ・フォルコーニ
ナルドーネ: アレッサンドロ・アーベル
ピッポ: パオロ・エンデル
カルリーナ: トスカ・ダクイーノ
ペネロペ: ナタリア・エストラーダ
フランカ: パドリツィア・コルティ
イザベラ: ベネデッタ・マッツィーニ

© Touchstone Pictures

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