原題:ICHIGENSAN

京都シネメセナ第1回作品 指で感じる愛、忘れ得ぬ愛の記憶・・・

☆京都映画祭:京都シネメセナ第1回作品::http://web.kyoto-inet.or.jp/org/film-fes/index.html

1999年日本映画/カラー/ステレオ/ビスタ/122分/ 製作:スカイプランニング・ホリプロ・京都市

2008年02月20日よりDVDリリース 2000年7月26日よりDVD発売 2000年7月14日より東映ビデオよりビデオレンタル開始 2000年1月29日より公開

公開初日 2000/01/29

配給会社名 0579

解説

京都には、なじみのない初めての客に対して「いちげんさん」という独特の言い方がある。そして、この街の風土では外国人もまた、「いちげんさん」なのである。それにいらだちながらも京都を愛する外国人留学生の「僕」と、目の不自由な女性「京子」。学生の街、京都を舞台に、二人の愛を、古都の四季のうつろいを織りまぜながら描いてゆく意欲作品『いちげんさん』。原作は京都に留学体験を持つデビッド・ゾペティの同名小説で、すばる文学賞を受賞し、芥川賞候補にもなった。

主役の鈴木保奈美は、キャリア11年目にして、盲目という難役に挑んだ。もう一人の主役「僕」を演じるのは、イギリス出身のエドワード・アタートン。監督・脚本はオーストラリアで映画の演出、脚本活動を続ける森本功。プロデュースは『アンポンで何が裁かれたか』(89)出演など俳優から俳優養成、そして監督までを手掛ける塩屋俊。1999年、メルボルン国際映画祭正式出品作となり、国内では「第2回京都映画祭」が初公開となる。

ストーリー

1989年、ベルリンの壁がまだ存在していた頃、スイスで育った「僕」は京都の大学で日本文学を専攻し、京都の人からは「外国人」「いちげんさん」として冷たい目で見られていた。僕はやがて対面朗読に興味を持つようになり、目の見えない女性、京子が訪れる。「僕」は彼女の鋭い感性と想像力に出会い、驚く。やがて一緒に外出するようになると、目に映る景色を目の見えない京子に話す「僕」の言葉が輝きはじめているのが分かった。

ある日、京子が差し出したドフォルジュの「背徳の手帳」を読んだ。セクシュアルな叙述に「僕」が読み詰まると、京子は「検閲はいやなの。私だってそういうシーンをみんなとおなじくらい読みたいんだもん。」と僕の膝に頭を預けて横たわった。やがて雨が降り始め、僕はいつしか京子と一体になっている自分を知った。夏が終わる頃には、京子と僕は互いに愛し合うようになっていた。

いつしかまだ自分を「よそ者」としか受け入れない京都の街にいらだちを覚え始めると、京子に東京の会社への就職について迷っているとうち明けられる。そんなある夜、僕はベルリンの壁の崩壊をテレビのニュースで知る。フランステレビのドキュメンタリー撮影に同行した夜、仕事から帰ると、ちょうどその時、京子が就職の決心をしたことを知らされ、やがて僕も卒業を向える・・・。

スタッフ

原作:デビット・ゾペティ
企画:塩屋俊
エグゼクティブプロデューサー:本間文子(スカイプランニング)、佐々木国雄(ホリプロ)
プロデューサー:塩屋俊、鈴木基之(ホリプロ)、前田茂司
監督・脚本・編集:森本功
撮影監督:ピーター・ボロッシュ
美術監督:菊川芳江
録音:岡崎俊夫
整音:林基継
フィルム編集:藤原公司
テーマ音楽:
 「Moonlight Dream」S.E.N.S
 歌 スージー・カン

キャスト

エドワード・アタートン
鈴木保奈美
中田喜子
渡辺哲
藤田宗久
塩屋俊
蟹江敬三

©スカイプランニング・ホリプロ・京都市

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