原題:demonlover

2002年5月19日 フランス公開

2002年/フランス/120分/SR SRD/シネマスコープ/カラー/ 配給:東北新社

2005年07月22日よりDVDリリース 2005年07月22日よりビデオリリース 2005年3月12日、シアターイメージフォーラム他にてロードショー

ビデオ時に変わった場合の題名 デーモンラヴァー

公開初日 2005/03/12

配給会社名 0051

解説


フランスから、かつてないクールなスタイリッシュ・サスペンスが誕生した。監督は『イルマ・ヴェップ』のオリヴィエ・アサイヤス。独自の視点で、つねに新しい表現の可能性を探るアサイヤスの新たな挑戦が『DEMONLOVER』だ。企業社会を舞台にしたサスペンス——-ハリウッド映画なら見慣れたこの設定も、どこかアート志向の強いフランス人監督が手がけると一筋縄ではいかない作品となる。
入り乱れる人間関係、錯綜する情報、裏切りにつぐ裏切りのドラマ。時代の先端を行くビジネスマンたちの息詰まる駆け引きのなかに、やがて現代社会に生きる人間の孤独を浮かび上がらせる。たとえそこに刹那の恋が絡んでも、その孤独が癒えることはないのだ。
スレンダーなスタイルに洗練されたファッションを身にまとうパリジェンヌ。ディアーヌは一見して、一分の隙もないキャリアウーマンに見える。女性的魅力にも溢れた彼女には、しかし誰も知らない裏の顔があった。それは周囲の人問にけっして心を開かない、完壁な腕を誇る産業スパイであること。そんな彼女が世界的大企業に潜入する。日本のアニメ会社「東京アニメ」との契約を巡る熾烈な競争のただなかへと身を投じていく。日常を埋め尽くす極度の緊張感、たとえば“トーキョー”という言葉の通じない都市で感じる不安、そしてどんなときも拭い去ることのできない海の底のような孤独。ディアーヌはしだいにヴァーチャルな世界にのめり込み、現実のリアリティを失っていく…。
そんな物語をつむぐのは、国際色豊かな俳優たち。まずヒロインのディアーヌを演じるのはデンマーク出身のハリウッド女優コニー・二一ルセン。『グラディエーター』(00)、『閉ざされた森』(03)で見せたクールな佇まいだけではない。この映画の彼女はパリジェンヌらしい粋な着こなしを見せ、ラブシーンでは濃密な色香を発散して新たな魅力を開拓することに成功している。そんなディアーヌのライバル的存在、エリースを演じるのはクロエ・セヴィニー。デビュー作『KIDS/キッズ』(95)以来、米国インディペンデント映画界のミューズ的存在だ。さらに『ボーイズ・ドント・クライ』(99)ではアカデミー賞最優秀助演女優賞にノミネート。その演技力も高い評価を受けている。『ドッグヴィル』(03〉、『ブラウン・バニー』(03)と個性的な作品に出演する彼女が新たに選んだのが『DEMONLOVER』だったのだ。彼女ならではのファッションセンスはもちろん、クロエらしい肉付けが役柄に確実な奥行きを与えている。その他『ショーガール』(95)のジーナ・ガーションが短い出演シーンながら、セクシーで強い印象を残し、日本からは大森南朋、山崎直子が「東京アニメ」の社員として出演している。そして音楽では、『イルマ・ヴェップ』(96)に続いてノニック・ユースが参加。彼らの疾走する音楽が、映画に“温度の低い情熱”を加える。

ストーリー


フランスの世界的な大企業「ヴォルフ・グループ」(以下「V.G.」)は、3Dポルノグラフィックの革命と呼ばれる日本企業“東京アニメ社”の買収計画を進めていた。その「V・G.」では、リーダーのカレン(ドミニク・レイモン)、サブリーダーのディアーヌ(コニー・二一ルセン)、補佐のエルヴェ(シャルル・ベルリング)、エリース(クロエ・セヴィニー)の4人が買収の担当をしている。
日本で“東京アニメ社”との交渉後、フランスヘ戻る無機質な機内。ディアーヌは、カレンに近づき彼女の視線が逸れた隙に、持っていた睡眠薬入りの注射器をミネラルウォーターに混入する。空港に到着した直後、座り込んだカレンは、ふたりの男に抱えられ空港から連れ去られてしまう。
「V.G.」が“東京アニメ社”の買収を進める一方、「V.G.」の新しいWebサイトの独占権獲得を“マンガトロニクス社”(以下M社〉と“デーモンラヴァー社”(以下DL社)が水面下で争っていた。“M社”は“DL社”の権利獲得を阻止する為、産業スパイとしてディアーヌを雇い、「V.G.」に潜入させていた。実は“DL社”と「V.G.」との間には、強いパイプがある。しかし“DL社”は、裏で違法ポルノサイトなど様々な裏事業を手掛けており、それが公になってしまうと「V.G.」との関係を失ってしまうのである。そのことを恐れる“DL社”もまた「V.G.」にスパイを送り込んでいたのだった…。

スタッフ

監督・脚本:オリヴィエ・アサイヤス
撮影:ドニ・ルノワール
編集:リュック・バルニエ
美術:フランソワ=ルノー・ラバルト
録音:フィリップ・リシャール
衣装:アナイス・ロマン
助監督:マリー=ジェンヌ・パスカル
製作総指揮:シルヴィー・バルテ
音楽:ソニック・ユース
製作:エドアール・ウェイル、ザヴィエル・ジャノリ
エリザベス・フィルムズ/M6フィルムズ共同製作

キャスト

コニー・ニールセン
シャルル・ベルリング
クロエ・セヴィニー
ジーナ・ガーション
ジャン=バプティスト・マラルトル
ドミニク・ブローシェン
大森南朋
山崎直子

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