原題:hypnosis

そのとき、知らないあなたがでてくる。 催眠(=ヒプノシス)が人の心の暗黒面をえぐり出す。戦慄のヒプノテック・サイコホラー登場。

1999年/カラー/東宝・TBS提携作品/制作:東宝映画/配給:東宝

2000年6月21日よりDVD発売 1999年6月5日(土)より東宝系ロードショー

公開初日 1999/06/05

配給会社名 0001

解説

「催眠」は、理性の殻で守られた人間の心の奥に直接語りかける技術です。理性の働きを押さえ、その奥に眠る赤ん坊のような裸の心に直接語りかけて、人の心の奥底にある傷をも渡すことができる心理学の技術です。しかし、催眠にかかった裸の心は理性の抵抗力を失った無防備な状態におかれます。もし、そんな状態で、例えば「おまえは最悪の人間だ」と誰かに暗示をかけられたら、たいていの人の精神は簡単に崩壊してしまうのです。もっとも、そのような要意に満ちた催眠は、人間が絶対に犯してはならないタブーなのですが…。
たとえば「こんなことがほんとに起こればよいな」という夢や希望を描いた映画が正(プラス)のエンターテインメントであるとすれば、その一方に、「こんな恐ろしいことは現実には絶対に起きてほしくない」というような恐怖や絶望を限り無くリアルに描いた映画、そんな負(マイナス)のエンターテインメントもあってもよいのではないでしょうか。
『催眠』は、そんな負(マイナス)のエンターテインメントの極上品なのです。研ぎ澄まされた映像が、音が、あなたの理性を飛び越えて、心の奥底に恐怖そのものとなって忍び込みます。この極上の恐怖こそは、ぜひとも映画館の暗闇の中で全てを忘れて味わってください。ただし、この映画は見終わった後のあなたを保障しませんが…。

ストーリー

都内各所で謎の変死事件が続発。いずれも自殺のようではあったが常識では考えられない異常な死に方をしていた。身体中の骨が折れるまで全力痒走して「骨折死」した女子睦上選手。厚さ1センチのガラス窓を突き破って「墜落死」した初老の男。結婚披露宴の最中に自分の首を締め上げて「窒息死」した新郎。そして死亡者は皆、死に際に「ミドリ猿」という謎の言葉を言い残していた。捜査一係の櫻井刑事(宇津井健)に協力を請われた心理カウンセラーの嵯峨(稲垣吾郎)は、死者に何らかの催眠暗示がかけられていた可能性を示唆した。しかし、解決の糸口がつかめないうちに変死事件はさらに続発。単なる自殺か何者かによる犯罪なのか、警察内部でも意見がわかれた。櫻井が嵯峨を伴って事件性を主張していたとき、部屋の片隅のテレビから「ミドリの猿にやられました。」という女性の声が。モニターの中では、着い女性・由香(菅野美穂)が謎の催眠術師・実相寺によって、あやつり人形のように見せ物にされていた。実相寺が由香の前で手を叩くと、由香は立上がり「ワタシハ、友好的ナウチュウジンデス!」と声をあげ始めた。彼女の瞳に人間らしい光はなかった。嵯峨の目には、彼女が何かとてつもない恐怖に怯えているように映った。想像を絶する恐怖が彼女を多重人格症(解離性同一性障害)に追いこんだに違いないと考えた嵯峨は、催眠療法で由香を救うために彼女を自分の研究室に保護しようとするが、警察は強引に由香を連行し事情聴取を始めた。不安定な由香の深層心理に無理やり踏み込もうとするような捜査官の乱暴なやり方に嵯峨は反発するが、聴取の最中に突然何かが起こり、一同は意識を失った。嵯峨たちが目を覚ました時、由香は忽然とその場から姿を消していた。
由香の身に何が起きたのか?ミドリの猿の正体は?謎が謎を生み死体だけが増えていく。そして、そのとき嵯峨は、自分自身がすでに恐ろしい催眠暗示にかかっていることに未だ気づいていなかった。

スタッフ

監督: 落合正幸
原作: 松岡圭祐(小学館刊「催眠」)
製作: 柴田徹、原田俊明
プロデューサー: 棲井武晴、濱名一哉
脚本: 落合正幸、福田靖
撮彰: 藤石修
美術: 清水剛
録音: 宮内一男
照明: 粟木原毅
編集: 深沢佳文
監督補: 加門幾生
助監督: 手塚昌明
製作担当者: 金澤清美
音楽: 配島邦明(サウンド・トラック・ヒートウエーブ)
主題歌: Saju
音楽プロデューサー: 柴田新
サウンド・デザイナー: 志田博英
音響効果: 小川高松
製作: 東宝映画
配給: 東宝

キャスト

嵯峨敏也: 稲垣吾郎
入江由香: 菅野美穂
櫻井孝典: 宇津井健
実相寺則之: 升毅
刑事・三丼恵子: 渡辺由紀
心療研究室長・倉石勝正: 小木茂光
監察医・井手利一: 佐戸井けん太
科学警察研究所・下元: 白井晃
警察署長・朝生俊之: 中丸忠雄
刑事・牟田悦司: 大杉漣

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