天がだまっているのなら… 復讐の必殺! 怨みはこの世で晴らします。

カラー/ビスタサイズ/1時間41分 松竹京部映画、株式会社グランプリ、株式会社ミュージアム提携作品 配給:松竹株式会社

1999年2月11日より全国松竹系一斉公開 1999年6月21日よりビデオレンタル開始

公開初日 1999/02/11

配給会社名 0003

解説

『必殺!主水死す』から3年。この世紀末に待望の仕事人が戻って来た! 1972年のテレビで産声を上げた『必殺!』は、なんと総数30作品、787話(スペシャル含む)をオンエアーし、常に高視聴率を獲得する怪物番組としてブラウン館に君臨してきました。その後の映画シリーズでも大爆発し、人気を不動のものとしました。
三味線屋・勇次と中村主水、並居る仕事人ヒーローの中でも傑出したキャラクターを誇る二人ですが、主水亡きあと?潰えぬ悪を撃つのは、勇次をおいてほかにありません。映画シリーズ最新第七作は、その名もズバリ『必殺!三味線屋・勇次』。三味線を巧みに操り、悪を滅ぼす勇次を演ずるのは、御存じ中條きよし。必殺ファンを魅了する冴えた技で、今世紀最後の仕事に挑みます。
また必殺シリーズといえば、絢爛豪華なキャスティングも見所のひとつ。勇次とコンビを組む仕事人・弥助には阿部寛、その弥助にあわい恋心を寄せるおとよは天海祐希、小唄の師匠、実はスリり元締めお喜和に名取裕子、悪徳商人の富貴屋・藤兵衛に中尾彬、その富貴屋とつるんで悪の限りを尽くす火盗改役・坂巻重次郎に石橋蓮司、さらに清水健太郎、研ナオコ、野村沙知代、本田博太郎、淡路恵子ら多彩かつ、異色のキャストが加わりいやが上でも話しは盛り上がります。また藤田まことが中村主水ではなく、かつての仕事人の元締め役で登場するのも話題の一つです。
監督は、陰と陽、光と陰の妙にこだわり続ける石原興。脚本はベテラン野上龍雄。音楽はシリーズ全てを手掛けている平尾昌晃。また撮影の藤原三郎、照明の中島利男が新たな映像美を追求し、蔵原惟繕が監修。これぞ「必殺!」というべきスタッフが2000年に向けての第一歩を刻みます。今流行のバイアグラならぬ回春丸という媚薬をめぐっての闇の陰謀に挑む仕事人たち、主水亡きあと、いまだはびこる悪を砕き、新しい歴史を創るのは、三味線屋・勇次、この男しかいない!

ストーリー

闇の中を、音もなく飛ぶ糸の切っ先。糸は、まるで生き物のように男の首に巻きつける締め上げる。弦をつま弾く音がしたかと思うと、空中に浮いていた男は絶命した。仕事人、三味線屋・勇次(中条きよし)の華麗な殺し技が、尽きせぬ悪をまたひとつ、この世から消したのだ。
表の顔は髪結いだが、裏では勇次とコンビを組んでいる仕事人、弥助(阿部寛)は、街で偶然にも上方時代の仲間に会って昔を懐かしむが、元締だったその男、伝兵衛(藤田まこと)は今では大道芸人に身をやつして流浪の身だった。「お互いに気をつけて暮らそうや」そう行って別れる二人。その夜、弥助は仕事を仕掛けるが、すんでのところで浪人風の男に先を越されてしまう。その男、内田平内(清水健太郎)も一匹狼の仕事人だったのだ。
巷では回春効果のある媚薬・回春丸が売れに売れていた。独占販売する薬種商・富貴屋(中尾彬)は笑いが止まらない。が、実のところは在庫が底をついている状態だった。回春丸のの処方箋を知っているのは、同業の上総屋(入川保則)ただひとり。彼は副作用の強いこの薬で使者が出たと知り、死を覚悟で出奔するのだが、逆に富貴屋に囚われてしまう。その間にも薬害で倒れる人々が続出する。しかし富貴屋とつるんだ火盗改役・坂巻重次郎(石橋蓮司)とその手下、岡っ引きの浅吉(本田博太郎)が巧妙に隠蔽工作を施し事無きを得ている。
弥助の行きつけの「夜明かし(屋台)」を切り盛りするおとよ(天海祐希)には人に言えない込みつがある。実は上総屋の娘だったのだ。行方不明になった父を思いつつも、弥助に淡い想いを寄せながら健気に生きている。だが、弥助は全てを知っていた。父親のことも、自分に対する情のことも。
悪魔の薬、回春丸の薬害が徐々に露呈してきたある日、富貴屋の拷問に屈することなく、処方箋の秘伝を明かさぬまま上総屋が自らの命を絶った。富貴屋は一計を案じ、全ての罪を富貴屋に被せるために死体に偽造した遺書を添えて川に流す。富貴屋の陰謀と知った弥助は、頼み人として、勇次に仕事を持ちかけるが「情が絡んだ仕事は受けられねえ」と断られてしまう。汚名をきたまま無念の死を遂げた上総屋の怨み、そして、おとよの仇を討たねばと弥助は昨日出会った浪人・内田平内と組んで富貴屋に侵入するが、一味に通じていた内田の裏切りで返り討ちにあい、命を落としてしまう。坂巻の命令で弥助は獄門さらし首となるが、それを見たおとよも失意のうちに自害してしまうのだった。 ふたりの非業の死を知った勇次は、窃盗集団の元締め・お喜和(名取裕子)と伝兵衛に弥助の残した頼み料を手渡すと、許せぬ悪をまたひとつ葬り去るために、夜の闇を駆けて抜けていくのだった。

スタッフ

製作: 櫻井洋三、北側雅司
プロデューサー: 佐々木勇、中島仁
脚本: 野上龍雄
音楽: 平尾昌晃、長部正和
監督: 石原興
撮影: 藤原三郎
照明: 中島利男
美術: 原田哲男
編集: 園井弘一
主題歌: あの日の嘘のつぐないに
作詞: 水木れいじ
作曲: 岡 千秋
組曲: 若草 恵
唄: 中条きよし(パンダイミュージック・エンタテイメント

キャスト

勇次: 中条きよし
おとよ: 天海祐希
弥助: 阿部寛
富貴屋・藤兵衛: 中尾彬
坂巻重次郎: 石橋蓮司
内田平内: 清水健太郎
才蔵: 金山一彦
おせき: 研ナオコ
花屋: 野村沙知代
浅吉: 本田博太郎
みね: 淡路恵子
お喜和: 名取裕子
伝兵衛: 藤田まこと

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