原題:MONSIEUR GREENPEAS

驚きと楽しさノンストップ! 痛快アクション・マメットムービーの誕生!

2003/日本/カラー/48分/スタンダードサイズ 4:3/ドルビーSRD 配給:クロックワークス

2005年4月30日、渋谷シネマライズ他にてモーニング&レイトショー公開

栗田やすお監督インタビュー::http://www.cinematopics.com/cinema/c_report/index3.php?number=1308

公開初日 2005/04/30

配給会社名 0033

解説


緑で丸いマメなヤツ!痛快アクションスター、グリーンピースの誕生!

新進気鋭のクリエーター・栗田やすおが4年半の年月をかけ、たった一人で制作した初監督作『緑玉紳士』<りょくたましんし>は、パペットアニメの枠を超えたスケールと娯楽性を持つ史上初の“アクション・・・マメットムービー”だ。主人公のメガネ屋・グリーンピースは、商売道具の変テコメガネがいっぱいつまったトランクを悪魔族の親玉・ジョーカーに盗まれ、それを取り返すため計らずも異界へワープしてしまう。行く手に立ちはだかる奇妙で間抜けな悪魔族の一味たち・・・。

絶対絶命、手に汗にぎるハードアクションの連続は理屈抜きにハラハラ、ドキドキ!

そんな本作は、数々の“ワンダー”とスラップスティックな“ユーモア”に満ちている。まず、カラフルで楽しいキャタクターたち。愛嬌ある緑で丸いそのルックスから、主人公につけられた名はズバリ“グリーンピース”(以下グリーンピースGP)。彼は代々続く老舗メガネ屋<眼鏡紳士>の跡取息子なのだが、家を飛び出し大都会でメガネの行商を始める。無一文でいつもハラペコなグリーンピースGP。そんな彼となにかと張り合うのは、キザで怒りっぽい骨董屋・ピンキーだ。そしてグリーンピースGPがウッカリ置き忘れたメガネトランクを奪い、死闘を繰りひろげる悪魔族の親玉・ジョーカーは、残忍かつ凶暴。しかし稀有のメガネコレクターであり、メガネをかけている理由が小さく優しい目を隠すためという脱力ぶり。一味の子分である、クールなバトラー(文字どおり“執事”)、車輪があるものにとりつく3つ子悪魔・イル・ウィル・ブラザーズもどうにも憎めない敵キャラである。登場人物全員が、“緑玉語”と呼ばれる「アー」「ウィー」「ワァー」などの擬音でしゃべくりあう様も無国籍でなんともとぼけた味わいを醸し出す。

それらを演じる声優陣も一筋縄ではいかない。主人公グリーンピースGPを演じるのは、声優初挑戦のミュージシャン、ワタナベイビー。台本がないアフレコ1週間の長丁場を乗り切り、グリーンピースGPを演じきった。本人がウクレレでうたうエンディング曲『Green Peas A Chance』も楽しい。悪魔・ジョーカーには、いまやジブリ作品常連声優となった我修院達也、骨董屋・ピンキーには個性派俳優・田中要次など豪華で異色な面々が名を連ねる。

また、制作に1年以上時間をかけた19世紀のニューヨークを想起させる精巧なセットも壮大なスケール感を演出している。実際セットや小道具を目にするとわかるのだが、例えば楽器屋「サウンドクッキング」に置いてある変形ギターにも一本一本弦が貼ってあり、骨董屋「スティングマン」の床はホンモノのフローリングだ。そして、グリーンピースGPのモノグラム柄トランクに代表される栗田自身のデザインセンスは、ストリートファッションにも通ずる現代的なエッセンスを作品に加えている。

音楽の中塚武は、昨年発売のソロアルバム「JOY」が、その楽曲クオリティーの高さから、韓国盤に続き今春はヨーロッパ盤もリリースされるなど、海外での活動もめざましいアーティスト/作曲家。元speedのhiro、クレモンティーヌはじめ多数のアーティストのプロデュース・楽曲提供の他、「世界の中心で 愛をさけぶ」サントラへの参加、「資生堂ピエヌ」「SONY VAIO」「日産マーチ」等の人気CM音楽も手掛け、今最も注目されるのミュージシャンの1人である。その中塚いわく「もう世界観ができていた」といわしめる“栗田ワールド”をシネジャズで絶妙に味つけした。中でもソウルバスの換骨奪胎ともいえるタイトルシークエンスにおけるテーマ曲の浮遊感はこれから起こる冒険のワクワクを倍増させる名曲だ。

多くの魅力が満載の本作であるが、特筆すべきはおとぼけセンスがキラリと光るアクションシーンの数々であろう。異界に飛び込むワープ装置がスロットマシーンというアイディアから始まり、栗田本人が“バトルキッチン”と呼ぶ牛型ホネホネとの決闘における“WELCOME⇒WELCOW”ネタ。イル・ウィル・ブラザーズとのモグラ叩き。おしり丸出しで上昇するエレベーターで起こるバトラーと決死のトイレットペーパー対決などなど。アクションシーンにおけるグリーンピースGPの・・マメ役者っぷりは、まるで『ダイハード』シリーズのブルース・ウイリス演じるマクレーン刑事のようであり、マジでありながらクスッと笑えて、そこはかとないペーソスが漂う。また災難に巻きこまれながら、最後は隠し金貨まで持ってかえろうとするしたたかさは、大阪人である作家自身の反映なのだろうか。

次回作『ゴーストホテル』の構想もすでにあり、今後の活躍が期待される栗田だが、われわれは、もう4年半も待ちきれない。いち早くグリーンピースGPの勇姿がスクリーンで見れるよう期待したい。

ストーリー



老舗メガネ屋<眼鏡紳士>の跡取息子、グリーンピースは、店には置けないような変テコなメガネを売りたいがため、トランク一つで家出をした。行く先々で、メガネの露店商をしながらの放浪の旅。

たまに・・次元を間違えて、人間界のピラフに紛れ込み子供を泣かしたりすることもあったが、商売するなら大都会と思い、大きな赤い吊橋を渡り、摩天楼輝く<テーブルスクウエア>に向かった。

そこでうっかり商売道具の変テコメガネがいっぱいつまったトランクを置き忘れ、封印が解けてドクロコインから抜け出したメガネ大好きの悪魔・ジョーカーにトランクを奪われてしまう。命より大事なトランクを取り戻すため、赤いスロットマシーンに飛び込んだグリーンピースは、悪魔の世界<ブラックフット>に計らずもワープしてしまう。

異界で待ち受けていたのは、とんでもなく奇妙で間抜けな<悪魔族>の一味であった。果たしてグリーンピースは大事なトランクを取り戻せるのか。また無事にこちらの世界に戻れるのか!絶対絶命のアクションにつぐ、アクション!ラスト<ジョーカータワー>屋上トイレでのブーメラン対決はパペットアニメーションの限界を超えた名場面!

スタッフ

監督:栗田安朗
脚本:栗田安朗
キャラクターデザイン:栗田安朗
プロダクションデザイン:栗田安朗
キーアニメーション:栗田安朗
エグゼクティブ・プロデューサー:飯泉宏之
プロデューサー:滝田和人

キャスト

声の出演
ワタナベイビー(グリーンピース)
我修院達也(ジョーカー)
田中要次(ピンキー)

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